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お手柔らかにお願いします

私の彼氏......本当に彼氏と言うのも疑わしいけれど、まだ彼氏な事には変わりはないので取り敢えず彼氏.....私の彼氏は無気力だ



どの位無気力かと言うと、返事は大抵が無言で頷くか首を振るか...疲れるからあまり喋りたくないと無気力ボーイは言う。オマケに動かない。基本、自分に関心のある事以外、動こうとしない。しかも究極の面倒くさがりで、勿論口癖は「面倒臭い」だ。



最早駄目人間.....



何でそんな駄目人間と付き合ってるかと聞かれたらこう答えるしかない


「好きだから」


当たり前の事なのだ。好きだから傍に居たい。そんな当たり前の事を聞く方がオカシイと思う。ならばと次に聞かれる事は「何処が好きなの?」だ


これを聞かれると少し困る私だった。


自分でも何処が好きなのかわからないのだ


でも、確実に私は奴が好きだ。好き所か愛しちゃっている。


奴の笑顔を見ると(滅多に笑わないけど!)胸がキュンとするし、面倒くさがって、たまにしか聞けない声は(最早私の独り言みたいだけど!)聞くとドキドキするし、髪を触るのが癖なのか、なにかと触ってくるのが可愛いし、転ぶと面倒臭いと言いながら手を持たれるだけで私の心臓はドキドキを通り越す始末だし、甘いもの食べてる時の幸せそうな顔を見るだけで私は結構幸せだったりする。



奴の一喜一憂が気になるし、もっともっと奴の事、知りたいし、一緒に居たい。


それに奴は中々自分のテリトリーに人を入れたがらない。奴のテリトリーに入れる事に嬉しくなる。面倒くさがりの大きな猫は一年中冬眠するらしく、何時も眠そうに見える。基本何でもスルーしようとする奴のテリトリーは狭い.....始めは誰もが困惑するか、怒るだろう。


そう、話し掛けても無視するし、触れ様ものなら嫌そうな顔をする。奴は自分の事は空気か何かだと思ってるのかも知れないけれど、一言言いたい


それ、無理だから!



そんな存在感バシバシ放ってる空気、他に無いから!少し眠そうなトロンとした表情も整い過ぎだし、低い声はお腹の奥にズンと来る位破壊力が凄まじいし、フワフワのミルクティ色の髪の毛は感触を確かめて見たくなるし、スラリと伸びる高い身長とバランス取れた体格に目を惹かない方がオカシイとわかれよ!自分!



涼しい筈の切れ長の長い目元は眠いからか鋭さを隠して程良く甘く見えるし、滅多に開かない形の良い唇は見てるだけでゾクリとする。女の私よりキメの細やかな肌は狡いと思う。


だから、空気には決してなれない事を知ろうか?

空気になりたいって言ってるの知ってるからね?それ絶対無理だから!


ああ、いい加減、自分の容姿を考えて行動した方が良いと思う。


ほら、そんなに人を見つめちゃ.....


「え、さ、澤君.....な、なぁに?」


クラス一番の美少女の愛奈ちゃんも勘違いしちゃう。ほら、真っ赤になった顔と潤んだ瞳。恋する表情。私と同じ、恋する顔だ.....


いい加減、その何か気になるものがあった時にジーーーーッと見つめる癖、治そうね?勘違いしちゃう子続出するから、ね?


愛奈ちゃんが私(彼女)の存在をチラチラ気にしながら恥ずかしそうに、ミチル(彼氏)の元へチョコチョコ歩いて行く。


私?私は少し離れた所から親友のナオと談笑しながらその一部始終を見てるけど?


クラスに居ても基本机に突っ伏して寝ているミチルが起きてて珍しくて、ウヘェーと馬鹿みたいに見てたわけだけど、チョコチョコ歩いてる愛奈ちゃんがお決まりの様にミチルの目の前で





「.....キャッ」



コケた。


「態とだな.....態と態と....」



親友のナオがボソッと呆れた様に呟いた。


愛奈ちゃんは二年に進級した当初から何かとミチルにアタックしてる。


あの手この手を使って落としたいのか、ミチルを自分のハーレムに加えたいのか、今居るハーレムメンバーだけで満足しとけば良いのに諦めると言う言葉を知らない愛奈ちゃん。



勿論、私(彼女)の存在は承知してる。

しかし、私程度ならと思ってるのか、愛奈ちゃんみたいな子は後を絶たない。


何度も「どうやって付き合う様になったの?」と知り合いでも無い内に聞かれた私の心情.....。



親友のナオに言うのも恥ずかしいのに!と言えないで居た私に愛奈ちゃんは執拗く聞いて来る。


何度目かの突撃訪問に根負けした私は「じゃ、どっちから告白したの?」の言葉につい答えてしまった.....


「私から」


まぁ、この言葉に嘘は無い、嘘では無いけれど、この話しをすると長くなるのでオイオイと.......。


私からの言葉に「やっぱり〜」と頷く愛奈ちゃん


「そうだよね!澤君からな分けないよねぇー陽菜ちゃんだし〜」



私だしとは何ぞと顔を傾けると「陽菜ちゃん普通だし」とのお言葉


まぁ、確かにと頷く私だが、後でその事を話したナオに説教された。



正確に言うと、告白したけど、告白してない.....


思考を飛ばしてた私の耳に「おー」感心するナオの声が聞こえる


彼氏と愛奈ちゃんに目をやると、ペッタリお尻を地面に付け、ミチルをウルウルお目目で見上げている愛奈ちゃんと何を考えてるのか分からない能面の様に眉一つ動かないミチルが居た。


きっと転びそうになるのを受け止めて欲しかったのかも知れないけれど、ミチルがそんな面倒臭い事をするとも思えない。そして、転んだ愛奈ちゃんを助け起こすと言う事も、奴の場合有り得ない。


しかし、愛奈ちゃんも負けては居なくて、自分の見せ方が分かってるのか、自分に自信が無いと出来ない事を軽くやる愛奈ちゃん。



「痛いよぉ.....」


上目遣いで見上げる大きな瞳。震える華奢な身体。二の腕でグッと寄せられたボリューム有る胸。小さな声でミチルの名前を呟いた彼女は分かってるのか自分がミチルの名前を言った事に.....


「ミチル君.....」


手を引っ張ってと恐る恐る伸ばすその仕草に男なら守ってあげないとと思うかも知れない



けれど


ジーーーーーッと愛奈ちゃんの顔を見つめるミチルはやっぱりミチルだった。



手を伸ばすでも無く、声を掛けるでも無く、心配そうにするでも無く、ジッと見つめた後、一言


「鼻毛出てる」


プッと噴き出すナオ。ポカンと固まるクラス一同。


私はと言うと


おおー!ミチルが喋った!



だった。



だって、あの超面倒くさがりのミチルがだよ?たった一言喋るのも疲れるからヤダと言うミチルがだよ?喋ったのだ!


ホームルームを残して、ようやく、今日の初言葉だったのだ


それを引き出した愛奈ちゃん!例え鼻毛出てるとかでも、凄い事だと私は思う



思うけど、思うけどね?ミチルさん、ソコはコッソリ教えてあげようよーと心の中で思う。


彼女、愛奈ちゃんは意味を知り、急速に赤くなる。


愛奈ちゃんの元へ来ようとしてたハーレムメンバーは氷の様に固まり、もう、用は済んだとばかりにミチルは知らんぷり


おーい、この空気、どうしてくれるんだーと一人青くなる私は悪くない。



悪くないのに、ギロリ私を睨み付け、鼻を押さえながら走り去る愛奈ちゃん。


愛奈ちゃんの後を追うハーレムメンバー達



私は溜息を付き項垂れるしかなかった


「スッゴイね....アンタの旦那。1ミリもブレないし、期待を裏切らないわー」



と、お褒め?の言葉を貰うも、私の心は痛たまれない。


嫌、あの時、愛奈ちゃんの手を取れとかでは無く、寧ろやっぱりミチルだったと思った位だった。


寧ろこの後の事を考えると胸がキリキリと痛むのだ



する事も無くなり、フワァーと大きな欠伸をしたミチルはそのまま机に突っ伏して寝始める。



そう、問題はこの後なのだ



「澤 ミチルゥゥゥーーー!!!」


ほら、やっぱり来た....


愛奈ちゃんのハーレムメンバーの一人の田中君


名前は至ってシンプルで何処にでも居る様な有り触れたモノなのに、彼は色々と熱い。


情熱的とでも言うのか、愛奈ちゃんのハーレムメンバーの中でも一番の熱血漢で愛奈ちゃんに何かあると直ぐに出てくる。


何時も何時も突っ伏して寝ているミチルに突っ掛るのも田中君だ


「愛奈に謝れ!澤!愛奈をあんなに傷付けて悪くないって思ってるのか!ふざけんなよ!繊細な愛奈が学校来れなくなったらどうしてくれるんだ!っておい、聞いてるのか!泣いてるんだぞ!あの大きな瞳からボロボロと涙を流しながらお嫁に行けないとまで言うんだぞ!まぁ、そうなったら俺が貰うけど.....」


因みにミチルは机に突っ伏したまま微動打にしない。

コレも何時ものことで、一方的に田中君がキャンキャン吠えて、最後はーーーーー



「佐藤!」


私に来る.....。



あ、佐藤とは私の名字だ


今更ながら、初めまして、澤ミチルの彼女の佐藤陽菜子です。高校二年で彼氏は超ド級のイケメンで普通じゃ無いのに私は普通の一般市民です。コンプレックスはチビな事.....自己紹介は良いとして



「聞いてるのか?佐藤陽菜子!」


「はい、聞いてます」


人のフルネームを大声で叫ぶの止めてくれないかな?


何て思いながら溜息を吐き出す私。


「起こせ」


そうして指差すのはグースカ寝ている私の彼氏、ミチルだった



コレも何時ものことで、最後はこうやって私に来るんだった.......



私は仕方なくミチルの元へ行き声を掛ける


「.....ミチル」


何回かミチルの名前をゆっくり、優しく呼び掛ける(これ重要)


そして「ミチル聞こえてる?」と静かな声で語り掛ける(コレも重要)



すると机に突っ伏しながらも器用に頷くミチル


「眠い?」の言葉に頷くミチル


「そうだね、眠いね?」


頷いたのを確認の後、優しく根気良く語り掛けるのだ


迂闊に手を伸ばしたらイケナイ。揺さぶる?ノンノン!焦ってはイケナイのだ。そしてキーワードを口にする


「今日、帰りに家に寄るでしょ?ミチルの大好きなチーズケーキ有るからか美味しく食べようね?」


だから面倒臭い事は早く終わらせようとミチルの耳元で囁く。そしてフワリとミチルの肩に触れる。コレで完成。


するとユックリ顔を上げるミチルさん


そのキラキラした眼差しは何を考えてるのかわかるよ?


面倒くさがりでユルフワボーイのミチルだけど、舐めたらイケナイ


ミチルは矛盾だらけ


素直だけど頑固で負けず嫌い。面倒くさがりだけど、孟宗突進。挙げれば切りが無いのでこの辺で.....


「ほら、田中君に何か言う事あるでしょ?」


コクンと幼い子供の様に頷いたミチルは言い慣れた言葉を義務の様に呟く。


「後悔した。もう言わない」


田中君に向き直り、コテンと頭を傾けるミチル


私は良い子良い子、よく出来ましたとミチルの頭を撫でる。


此処で誤解して貰ってはイケナイから言っておく、先程のミチルの言葉は何に対しての言葉だったかだ


『後悔した』は決して悪いと思っての言葉では無く、面倒臭いから後悔したの略だ。そして、もう言わないは鼻毛が出ていてもコレからは無視するの略だ。


田中君は、まぁ、落ち着いたのか、納得したのか、「わ、分かればいいんだよ!」と、勘違いしたまま去って行った。


田中君の素晴らしい所は本能だろうか?


此処で一つ言っておかなければいけない事がある


一つ、眠ってる澤ミチルを触るべからず(私?私は別)


一つ、澤ミチルの食べ物には興味を持つな(猛獣を起こすべからず?)


一つ、何かあったら2ーAの佐藤陽菜子を頼るべし(コレは知らない)



田中君はミチルの危険な香りを本能的に嗅ぎ分けて居るのか、どんな事があっても寝ているミチルには決して触れようとはしない。その変わり、キャンキャンと子犬の様に吠えて最後は私に振る。


田中君を見ると思うのは豆柴だ



うん、豆柴の子犬.....



キャンキャン吠えるのも豆柴だと許せるのに、田中君だと嫌になる


またか.....とウンザリする気持ちの方が大きい



ああ、本物の豆柴見に行きたい。



ホームルームが終わると同時に起き上がるミチル


何時ものユックリした動作ではなくて、シュパと起き上がるのだ。そして私の手を引くと歩き出す



「ミ、ミチル!まだ先生の挨拶終わってない!」


慌てた様に鞄を持ち、声を張り上げる。


愛奈ちゃんは結局戻って来なかった。先生は教壇の前でしょうがないと言わんばかりに手を振り帰っていいと言う。ナオがヒラヒラ楽しそうに手を振るのを視界に捉えまた明日!と声を出した所で教室の扉が閉まる。担任の先生が呆れる程何時もの光景がソコに有った。



ーーーー



ズルズル引かれるままにやって来たのは



「ただいまぁ....」


住居兼、両親がやってるパティスリーハウス



カランとベルを鳴らすと鼻腔を擽る甘い匂い。


奴も幸せそうにクンクンと鼻を鳴らす。


「こら!表から入ちゃ駄目でしょ!」


そう言いながらプリプリ怒るのはカウンターに立つ母だ


そんな事言ったってーとミチルをチラリ見ると


「....ただいま」


自分の家じゃないのに、自身の家の様に当たり前にただいまの挨拶を母にするミチル


ミチルの姿に気付いた母が顔を綻ばせ「あらー今日はミー君も一緒なのね」何て嬉しそうに笑う。



表から入りたがるのはミチルなのだ。


裏に回ろうよ、と、家の方へ案内しようとする私を引き摺り、店先へと促すのだ



「今日はどうしたのぉ?」何て言いながらミチルを猫可愛がりする母はきっとミチルが無気力ボーイだって知らない。滅多に笑わないし、言葉も滅多に聞けない、究極の面倒くさがりだって絶対知らない。


ミー君何て言って猫の様に呼ぶ母に餌付けされてるミチルは嬉しそうにフワリ笑う。


その笑顔もすっごく貴重なのに、母は大雑把にハハハと笑い、店の奥へとミチルを連れて行く。


「陽菜子のチーズケーキ食べに来た。陽菜子のチーズケーキは世界一。早く食べたい」




そうねそうねと嬉しそうに笑う母。チーズケーキへの熱い想いを語るミチルに気恥ずかしくて、それでいて嬉しくて頬が緩む



ニヤリ笑う母が恨めしい。


ミチルを連れて行った先にはお馴染みの父の姿


「あなた、ミー君来たわよ?」


「お、もうソロソロ来る頃だと思ってた」


そう言いながら手招きする父親を見ながら思う。娘の私より馴染んでるんではなかろうか?と。



嬉しそうにイソイソと父の元へ行ったミチルは瞳を輝かせる


父とミチルの視線の先には一つのお菓子


「今度の新作だ.......食ってみろ」


そう言われ、何倍も瞳を輝かせるミチルを恨みがましく見つめる私


お菓子は好きなのに、食べ過ぎると直ぐに太ってしまう私は中々食べられないのだ


ケーキ屋の娘がケーキ食べれないとは何たる拷問!食べるのも作るのも好きで、将来はこの店を継ぐのが夢だ。



小さな店だけど、有名な雑誌にも取り上げられる程で、連日父の作るお菓子目当てに遠い所からもお客様が後を絶たない。


ミチルはチラリと私を気にしながらも大好きなお菓子の誘惑に負け、お菓子に手を伸ばす


その様は震え、感動してる様にも見える。


苦笑いする両親が微笑ましい。きっと嬉しいんだろう。


一口口に入れたミチルはカッと瞳を見開く


「どうだ?旨いか?」


スプーンをユックリ置いたミチルがフルフル震えたかと思った次の瞬間小さく呟く



「.....幸せ」


ミチルは決まって父のスイーツを口にすると幸せだと呟く。


本当に幸せそうに呟き、今にも泣き出しそうにも見えるその表情を毎回見たくて、新作を作る度にミチルに試食させる父と母



食べても太らないミチルを羨ましく思うと同時に感謝もする。父の作るスイーツをこんなに美味しそうに一口一口噛み締めながらユックリ食べるミチルにコッチが幸せに思える



父はミチルが食べ終わると決まって聞く言葉が有る


「どうだ?陽菜子のチーズケーキとどっちが旨い?」


父の作るチーズケーキは雑誌にも取り上げられる程有名で口コミランキングも上位だ。私からしたらパテシエの師匠で、神にも近い存在なのに、毎回聞く父にミチルは一言呟くのだ


「陽菜子のチーズケーキが一番」と。


恥ずかしくて恥ずかしくて、ヒーッと火を吹く勢いの私。


私のチーズケーキなど、父のチーズケーキに比べれば月とスッポンだ!


ミチルは恥ずかし気も無く、真剣にキリリと答えるものだから、普段の無気力な表情はどうしたーと私は心の中で叫ぶのだった。



真っ赤になる私に勘違いしたのか


「大丈夫、陽菜子のチーズケーキなら100個も1000個も入る」


なんて言いながら顔を覗き込まれる。



陽菜子のチーズケーキ早く食べよと私の手を掴むミチルがケーキよりも甘い空気を吐き出す。空いてる手で私の髪に手を伸ばすから両親の手前ヒィーと変な悲鳴を上げる。


そんな私とミチルに父と母は


「付き合うのは許したが、結婚するまで清い交際だからな!ま、まぁ、頬と手にキス位は許せると思う.....」


フンスーと鼻息荒い父が釘を刺すとそんな父の言葉を遮る様に母のノンビリした言葉が響き渡る


「あらー私は良いと思うけれど?」


陽菜子と菓子の事だけは妥協は許さん何て言ってブツブツ呟く父だけど、母の言葉に白目向いて狼狽え出す父に頬を引き攣らせる私とそんな父と母を眠そうに見つめる無気力ボーイならぬケーキボーイ


「は?え?な、何をだ?何が良いんだ?」


「フフフ、やぁねーもぉ!言わせないで!」


「イヤイヤイヤ、早い!早いだろー!おい、お前!許さん、それは許さんぞー!お、俺はぁぁ!」


「もぉイヤァねぇ、アナタだって結婚する前に手ぇ出したくせにぃ!」


「お、おい、それは今は関係ないだろう!」


父と母のやり取りを見ながらミチルはソワソワ仕出す。そして、やっぱり待ち切れないと手を引っ張るので二人をそのままにして住居へと進む。


知らなかった、父と母の事などそう聞かないから、衝撃的だった。



どちらかと言うと父は過保護で口が煩く、心配症だ。反対に母は放任主義で朗らかな性格だ。



後ろで両親のやり取りを聞きながらミチルはズンズン進む。


勝手知ったるやミチルは迷うこと無く私の部屋へ辿り着き、当たり前の様にベットへ横になる





そして呟くのだった



「陽菜子のケーキ、食べたい.....けど眠い.....陽菜ともイチャイチャしたい.....けど、眠い....」


今日は一杯喋って疲れたね?とミチルの髪を撫でればユックリ頷くミチル


起きたらケーキ食べようか?と言う間にミチルは夢の中

亀更新になるかもです。

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