money comes and goes
街の閑散とした、商店街と呼ぶ事もおこがましい通りでマドカは買い物をしていた。
「爆弾屋の旦那さぁ。高いって。え?帝国製?だからなによ。その爆弾一つで金貨100はぼったくり。大体相場50くらいじゃないのよ。」
「悪いな何でも屋。ここら辺、武器の類が帝国で手に入らねぇんだよ。何でも、軍部が武器買いあさってるとかでな。こっちに回ってこねぇ。」
悔しそうに言う露天商。
それを見てマドカはやれやれと首をふる。
「うーん......。高いけどしょうがないか。じゃあ、6貰うわ。」
「あいよ。」
マドカは爆弾を受け取り腰のポーチに詰め、じゃあ、と片手をあげ去ってゆく。
「こんなものかな。よし、後は運び屋と話しつけて向こうまで運んでもらわなきゃ。」
爆弾屋の露店から数百mの所に地下へと続く階段の入り口があった。
マドカは迷いなく階段を降りてゆく。
階段を降り切り扉の前にでる。
「マドカ。久しぶりだな。」
其処にはガタイのいい大男が立っておりマドカに話しかけてきた。
「そうね。ジャック、久しぶり。ツヴァイに仕事の依頼。」
「そうか。」
大男は扉を開け奥に行くよう促す。
「じゃあ、また後で。」
マドカは部屋に入って行った。
「ようよーう。マドカさんよぉ。こんな昼間っからお仕事以来ですかぁ?もうちっと夜に来いよぉ。今お楽しみ中何だけどぉ?」
部屋の奥の天蓋付きベッドから若い女の声が響き、マドカは顔をしかめる。
「はぁ?ふざけんじゃないわよツヴァイ。夜も昼もあんた何時でもヤってる癖になに言ってるのよ。私が殺ってもいいんだけど?」
「百合は好k「本当に殺すぞ。」....こえーよ。.....チッ。萎えたー。なーえーたー。」
マドカが凄み、低い声で唸るように告げる。
「とにかくっ!仕事!私を皇都まで運べ色情魔。」
「いいけどさぁ.....。高いよ?今皇都でコンクラーべ開催されるの知ってんだろ?警備が厳しくてかなわないってーの。」
ベッドからシーツを体に巻いてマドカの方へと歩くツヴァイ。
彼女は、マドカへと近寄る、ビシッと拳を突き出し指を3本立てた。
「金貨300枚なぁ。」
「300.....。まあいいわ、ルートはあんたが考えといて。」
「いつ行くのさ?」
「明日。」
「急ぐなぁ。....つーか、本気で300でokなのかよ。」
「まあ、頼んだわ。」
マドカは目をつぶり手を上げヒラヒラさせると踵を返し出口へと歩いて行った。
「任せとけ!」
ニヤリと笑うツヴァイ。
その顔をマドカは一瞥しフッと微笑しタバコを取り出し咥えた。
マドカは扉を開け外に出る。
「ジャック。火。」
「たく、しゃーねーな。お嬢。」
ライターを寄せるジャックに近付き、タバコに火を付ける。
その後じゃね、と一言を残し階段を上がり、外に出る。
外は何時もの曇り。
「酒、飲みいこ。」
空を見つめて呟いた。
アル中の酒盛りは早い。
次回はもう少し先になります
すみません