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初級迷宮に行く(輝く明日へ)

ノリとツッコミの珍道中になるのか?

宿から逃げ出して、町から出た所にある迷宮入り口に来た。


不用意な侵入が無いように門番が立っている。


「探索者カードを見せてくれ」


門番の1人がそう言いながら手を出したので、カードを渡した。


「なったばかりの様だな。普通は3~5人ほどで入るし、他に来る奴を待ってみないか?」


どうやら、ここで仲間を見つけて入るのも有りらしい。


だが、断る!


使い魔がカードに記載されてると言ってみると、それならと通された。



中は洞窟のようになっており、灯りがないため暗い。


魔法の光を頭の上に点けると、当たりは良く見えるようになった。


腰に差した剣にふれ、深呼吸すると奥に向かって歩き出した。


蟻の巣のようになっているらしく、所々枝分かれした道があったが適当に降りていった。



歩き続けていると、前方から音が聞こえてきた。


こちらに近づいてきた。モンスターだ。


猿のような体躯に棍棒のような物を持っている。


名前はモツッキー。武器を持ってはいるが振り回すくらいしかできないモンスターだ。


俺に向かって、振り上げた棍棒を叩きつける。それを軽く避けると腰の剣を引き抜き斬りつけた。


『ギャッ!ギャッ!』


斬りつけられ怒ったのかさらに棍棒を振り回す。


スケルトン!出番だ!突っ込め!


………あの~?頭どうしました?現れたのは体だけなんすけど?


スケルトンの体が上を指さしている。当たりを照らしている光の魔法はスケルトンの頭でした。早く降りてこい!


『合体!(ピカーー!)』


ウォォォッ!眩しい!全身で発光しやがった!


モツッキーも目をヤられうずくまっている。今や!


剣を突き刺しとどめを刺した。呆気ないといえば呆気ない。


よし!次行くぞ。次!


そして、スケルトン。光るの止めて!眩しいから!


奥に向かって進んでいると、モツッキーが時折現れる。


それを千切っては投げ千切っては投げして、ついでにスケルトンも………え?止めてくれ?


土下座されました。


コイツもモツッキーが持っていた棍棒を使いモツッキー達を蹴散らしているし、勘弁してやろう。


……時折、後頭部に妙な殺気を感じるのは気のせいだと思いたい。


途中何を思ったのかスケルトンが七色のネオンサインのように輝いた。――ウザイ。



モツッキーが集団でやってきた。やはり、武器は棍棒だけだ。


今まで、一匹ずつだったがここに来て集団とか煩わしい。


『ここはオレに任せんしゃい!』


片手を上げて、俺を止める七色スケルトン。――もはや、何も言うまい。


モツッキー達が棍棒を振り上げ、地面を叩く。ここに来て威嚇行為なのか?今まではなかったぞ?


不思議に思ってみていると、何かリズムを刻んでいる。


体の奥から何かがわき上がってくる。スケルトンも同様なようで軽く体を揺すっている。


スケルトンがリズムにのり踊りだした!


体の自由を奪う魔術の一つなのか?まずいぞ!ここで攻撃されたら!審査員もきてるし。


……審査員!?


ちょっと待て!スケルトンこっちこい!


「すいませんが、審査中なので、舞台の方には行かないで下さい」


肩を捕まれて、警備員に止められた。あんたらどこからわいた?今までいなかっただろ?


「何なの、これ?」


「使い魔達によるダンス大会です。………参加者ですよね?」


「イヤイヤ、初級迷宮をクリアしに来たんですけど?」


「………ちょっと、確認します」


そう言って、警備員はどこかに連絡を取っている。


ダンスが終わったらしく、モツッキー達とハイタッチをしているスケルトンは何にも考えてないのだろう。………なぜか、むなしい。



「おめでとうございます!審査基準をクリアーしました。奥に行ってお待ち下さい」


モツッキー達と一緒に奥に行ってしまうスケルトン………カンバ~~ック!


…………………………置いてけぼりにされた。


どうしようかと迷っていると、不意に背後から殺気が飛んできて、転がるようにしてよける。


追撃が来ない内に立ち上がり、相手を見る。


先ほどのモツッキーよりも体がデカい。


「ナグッキーてんだ。俺の使い魔だぜ」


モツッキーの進化した奴らしいが普通は見かけない。


先ほどの警備員がにやけた顔をして、その後から現れた。


「あのスケルトンは飼い主がいなけりゃ失格になるんだ。コイツが優勝するためにヤられてくれよ」


「ダンスで勝負しろよ!それに俺はそんなもんに興味がない!」


「ここで優勝すれば、スター間違いなしなんだぞ!?そうすれば、女の子にモテてるじゃないか!」


「………よくて、お前の使い魔がな」


《ガーン》


思いつかなかったんかい!普通気付くやろ!


後ろで飼い主がOrzしてるからって、オロオロしない。


モテたかったんだね。わかるよ。わかる。


慰めている間にスケルトンが泣きながら戻ってきた。


ダンサーとして限界が見えたので引退してきた?ただ失格しただけだろ?


参加賞を貰ってきた?ただの石じゃないざますか?奥さん?


ギルドに持って行けば分かると言われたって?……なんか気が抜けたんで明日出直すか。




◆◆◆◆◆




「おめでとうございます。初級迷宮をクリアーしたんですね」


受付に持って行くとそう言われた。あるれぇ?


「最深部にある石に特殊な魔力が込められているのでそれを持ってくればいいんですよ」


初心者がやっていけるかどうかを見るため、ギルドで管理している簡単な迷宮だから証拠もそれだけで済むらしい。


「カードを出して下さい」


カードを出すと石を近づけ魔力を読み込ませる。


「これで、探索者の仲間入りです」




≡≡≡≡≡≡


名前:ダルク・クライヤー


探索者レベル1


称号:なし


使い魔:七色スケルトン


≡≡≡≡≡≡


もう光ってないからね。

暗闇でひかるガイコツってあったよね?

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