望むところだ、夕凪さん
俺、井上明は今日、春風渚に告白をする。
俺的にはただの憧れだったから正直どっちでもよかったんだが、付き合えるに越したことは無いからこの際もう告白しようと思う。
しかし、俺はヘタレだ。自分で言うのもなんだけど・・・。だからあらかじめ作戦をねっておいた。
作戦はこうだ。まず、俺がラブレターを春風の前で落とす。悪魔でさりげなくだが・・・・。そして、それを拾った春風は俺にフォーリンラブ。まぁ、フラれるかもしんないけどな。
おっ。春風渚が来たぞ。どうする、俺?
「おはよう」
「おはよう、渚。今日は早いじゃん」
あっ、こっちにくる。・・・よし、今だ。
パッ
俺はラブレターを廊下に落とした。そして、春風が・・・・拾わない?
うそ、ってか違うやつが拾ったし。そう、俺のラブレター大作戦は失敗におわったのだった。
「あの、落としましたよ」
そういってクラスメイトの夕凪美弥がラブレターをさしだした。
「あぁ。ありが・・・」
「うぁ、あんた美弥のことすきだったの?」
俺がそういいかけたとき、背後からクラスのやつの声がした。なぬ。なんて誤解を招くようなことを・・・。
「あの、私でいいんですか?」
は?やっぱり、そうなっちゃう?
「えっと・・・その」
何かいまさらになっていいずらくなってきたぞ。あっ、もういっそのこと付き合っちゃおう。そうしよう。俺はなんか開き直ってこいつと付き合うことにした。
「俺と付き合ってよ」
「はい、いいですよ・・・」
「サンキュー」
結局付き合うことにしてしまったが、いいのか?だってこいつは、根っからの文学少女。こんな俺とはつりあわないし、ありあってほしいとも思わない。俺はもっとこう普通なこと付き合いたかったんだよ。でもまぁ、いまさらどうこう言っても仕方ないし。付き合いますか。
そうして、俺と文学少女夕凪さんとの交際がはじまったのだった。