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好きと言わないための練習会 ――継続についての特記事項なし

※この作品は、

「好きです」と言わないための練習会の記録です。

会話と沈黙が中心になります。


開始時間ちょうどに、会は始まった。


遅刻者はいない。

欠席者についても、特に触れられない。


彼女は名簿を開き、出席確認をする。

名前を読み上げ、返事があり、次に進む。

途中で止まることはなかった。


「今日は、連絡事項から」


ホワイトボードには、箇条書きが三つ。


・次回日程

・会議室利用時間の確認

・規約再掲(変更なし)


どれも、以前から変わっていない。


「質問はありますか」


沈黙。


「では」

彼女は言う。

「本日の議題です」


ホワイトボードに書かれる。


――継続。


「前回までの内容を踏まえて」

彼女は淡々と続ける。

「現状、この会は問題なく機能しています」


誰も異論を挟まない。


「言わない練習は、継続可能」

「関係の破綻は確認されていない」

「会の外でのトラブル報告もなし」


一つずつ、確認される。


「つまり」

彼女はまとめる。

「特記事項はありません」


ペンを置く。


「今日の会は」

少しだけ間を置いて、

「以上です」


それで終わりだった。


解散の合図は、いつもと同じ。

誰も急がず、誰も残らない。


会議室は、予定通り空になった。


記録には、

何も残らない回として処理される。


問題は、起きていない。


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