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DOOR  作者: 雛宮何某
5/5

狭い世界で、羽ばたき始める。

いよいよ全国大会。もう少しで完結予定です。



「なー扉ー、決勝のお前の動きえぐかったな。あれなんだ?本気出したのか?」



F県宿泊最終日、ホテルにて三瀬嶋が問いかける。



「あれは、実は僕にもよく分かりません。本気を出したことは事実なのですが…」


「詳しく聞かせてくれよ。」



少し考えたようだったが、扉は口を開いた。



「あの時、刃間極刀にはだいぶ追い詰められてた気がします。所謂ピンチに直面した時、脳にぼやけた音声が流れました。」


「ほう、…?まあいい、それで?」


三瀬嶋はあまり理解出来ていないようだったが、話は続く。


「遠い先祖である「儀王銀」様と「源義経」様の会話が聞こえました。どうやら儀王流が生み出され、「奥義」をどうするかについて話しているようでした。」


「???ん?…………???ん?」


全く追い付けていない三瀬嶋に気付かず、扉は話し続ける。


「そして奥義が生み出されました。その名は「残旭」。名前の由来は光が追い付けてなかったからだそうです。」


「…………」


半ば死にかかっている三瀬嶋には一切気付かず、話し続ける。


「何せ情報が音だけでしたから、イメージに凄く苦労しました。そして僕は限りある情報の中から、「人間として、限界を超える」という結論に辿り着きました。その結果があれです。」


「」


話終わり、三瀬嶋の異変に漸く気付く。



「先輩?」



肩を揺する。



「先輩!先輩!」


ユサユサ


「先輩!先輩!」


ユサユサ


「センパッ」




「プハアッ!ん?なんだ?どうした?え?なんだ?」


「意識を感じませんでしたので。」



三瀬嶋は何も無かったことを装って白ける。



「話は聞いてたぞ。な、アレだろ?な。うん。ね!」


「理解出来ないことを前提として話していたので別にいいですよ。僕だって理解出来てません。」


「そ、そうか。全国は来月だったか?」


「ええ。西日本には四叡刀が二人いますから、なかなか厳しい戦いになりそうです。」



やはり三瀬嶋はどこか腑に落ちないような顔をしている。



「北堂家と玄青家だったな。いや、待て待て、んん?今年は四叡刀が集結してると言う事になるな。そんなにうまく行くのか?」


「確かに、今年は四叡刀が全て集まっていると聞きます。そうですね。不思議な年です。特に北堂家は西日本最難関と謳われています。ルーツは東日本だそうですが、西日本にいてくれて良かったです。当たる心配もしなくて良いので。」



時は十時。三瀬嶋に睡魔が襲う。



「ん…扉ぁ、もう寝ようぜぇ。あ、俺もうO大学入学決定してるからさ、応援行くよ。」


「開催地はたしかN県でしたね。」


「お、そんな遠くないな。電車乗ってくよ。寝よ。」


セミダブルベットに浴衣で寝転がる。


「ありがとうございます。大浴場で少し流してから僕も寝ます。」



もう寝てるようだ。







   ⬜︎






N県県立体育館。


全日本剣道大会当日。



「よし、頑張るか。」


新幹線の席を立つ。

荷物を棚から下ろして、新幹線から降りた。


「先輩、やっぱ来てないか。」


まあ良いや、とホームまで歩く。




…「ワッ!」


「うおっ、あ、来てくれたんですね。」


「おお、頑張れよ。見てるぞー、因みに暇がある奴らみんな来てるし、監督も来てるから、負けんなよ。」


「負けることについては、考えたことがないので。」


「まあ良いや、頑張れよ。」


すると、



「「「「「ガンバレーー!!」」」」」



振り返るとそこにはチームメイトと監督が立っていた。


「みんな、ありがとー!頑張るよー!


じゃ、先輩、ありがとうございます、頑張ってきます。」






   ⬜︎




一日目、予選大会。



一回戦、世建町(よたてまち)高校との対戦。



儀王扉2本先取により勝ち。


試合時間はおよそ一分半。





二回戦、楼聰(ろうそう)高校との対戦。



儀王扉2本先取により勝ち。


試合時間はおよそ一分半。





予選一位勝ち抜け。


「予選一位のヤツやばくね?見えないし、これ全国大会だよね?」


「てか世建町優勝候補なの知ってた?あれはえぐいわ。一回戦も二回戦もまさに余裕って感じ。」




二日目、本戦。



吼雀(こうじゃく)高校との対戦。


赤 儀王扉   白 玄青傭




いつも通り儀礼を済ませ、竹刀を構える。


「四叡刀か、傭さんは高校三年生。一年上だが、ここは最古家、負けるわけにはいかない。」



そして、玄青庸。


「来たか、儀王よ。見える、我の元にひざまづく未来が。来い、そして沈め。」





静かな号令が響いた。



「初め。」














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