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DOOR  作者: 雛宮何某
4/5

遠い昔、始祖の記憶を受け継ぐ者。

ついに「奥義」習得へと、動きます。




儀王家秘伝、奥義。




今はもう、絶えた伝承だった。




明治以降の人間は、名も知らない儀王家の奥義。




その名をーーー





    ⬜︎



(奥義…?何故今、頭に浮かんだ?存在は知っていたが、内容については伝承が途絶えたはず。なのに何故、()()()()()()()()()()()()()()()()



考えを巡らせながらも、構えは崩さない。



(さっきので分かった。刃間極刀は意図的に(プレッシャー)を俺にかけ、極端に守りを固くする事で俺の戦意喪失を狙っているんだ。しかし、気付いたところで奴の守りを崩せる訳でも無い。奥義とやらに頼るしか無いのか?)



そんなことを考えていると、脳内に「追憶」が流れた。


    


    ⬜︎





『すまぬ、少し良いか?儀王銀(ぎおうしろがね)殿。』


『どうされた?()()()殿。』


『其方の我流剣術の技術は目を見張るものがある様に思う。そろそろ「奥義」を作っても良いのではなかろうか?』


『「奥義」、であるか。』





    ⬜︎


(なんだ?今のは。)



するとまた、「追憶」が流れた。


    ⬜︎




『これが、君の奥義か…愈々勝てる気がせんな。』


『名は、如何にせん。』


『まるで、残像ではなく、光がその場に残っていたように見えた。』


『では、これを「残旭(ざんきょく)」と名付けよう。』




    ⬜︎





奥義、その名をーー





「…残旭。」



(ただ、今のでは会話の音だけしか情報がない。「残旭」を再現すると言っても…ヒントがなければどうしようもない。)



「来ないのか?このまま膠着が続けば、俺らは反則でこの試合は無しだ。」



(ん?ちょっと待て。『光がその場に残っている様に見えた』?どういうことだ?光を超えたのか?光をも残像にしたのか?…は?そんなことできるのか?)



扉は頭をフルに回転させる。



(待て待て待て、確か人間というのは「全力のうち30%の力しか出せない」だったはずだ。これをもし、

100%の力を出せたとしたら、「残旭」を再現できるのではないか?)



そして、攻勢へと踏み出る。



グッ



ドシュッ!



「メェン!!」



    ⬜︎



時間が、止まった。


極刀を含めその場にいた全員は、扉を視認出来なかった。


そして、極刀は倒れた。



胴には大きなヒビと抉れが入っていた。




現場に居た人はのちに、こう言った。








「光がその場に残っているようだった。」、と。










    ⬜︎








(これが、「残旭」。)



口の端から血を流しながら、残旭(ソレ)を実感した。



(負担がエグいな。ああ、立ってらんねえ。)



しかし最後の力を振り絞り、立ち、残心をとる。



「一本!」



極刀が倒れ伏している中で、蹲踞して納刀、そして礼。











儀王扉、全日本大会出場決定。













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