後輩と約束
少なめです
「セーンパイ。一緒にごはんたべましょ」
「無理だ。帰れ」
ある日、また話しかけられた。
「いいんですか? 告白を断った人って叫びますよここで」
「そ、それだけはやめろ!」
「じゃあ一緒に食べましょう」
「はぁー……。分かったよ……」
あの告白された時から毎日こうやって脅してくる。
俺の気も知らないくせにな。
「先輩? 聞いてます?」
「ああ、聞いてるよ。もう俺には近づかないって話だろ」
「ええ、そうですよ」
え? こいつ今なんて……。
「マジか」
「マジです!」
「やったぞ。これで俺の日常が戻ってくるぞ!」
なんの風の吹き回しか知らないが、俺にとっては最高だ。
「先輩。喜びすぎです。嘘ですよー。嘘です」
「は?」
「先輩ってなんでも信じますよね」
そう言って「ふふっ」と笑った。
この悪魔め、ビッチめ、クソギャルめ。絶対に許さんぞ。そう思った俺は一つのことを決行することに決めた。
「お前……」
「はいなんです?」
「可愛いな」
「はへ?」
俺も嘘をついてこいつにドン底の気持ちを味わせやろうという事だ。
「最初はうざいだけと思ってたけど愛くるしさもあるし」
「ちょ、先輩どうしたんですか。いきなり」
そう言って明らかに動揺している小林玲奈。
「ど、どうしたも何もお前に惚れたんだよ」
「本当ですか?」
(んなわけねえだろ)
だがまだ本当のことは言わない。最高潮のところからドン底に落とすんだ。
「ああ、本当だよ」
「じゃあ今週末デート行きましょう」
「ああ、いいぞ」
「ありがとうございます。いやこれからよろしくお願いますね。先輩」
ふふふふ。引っかかってやがる。そろそろここらで言うべきか
「実はな。さっきのは嘘なんだ……」
俺が種明かしをしようと横を見ると、誰もいなかった。
そして後ろを見てみると、走って去っていく小林玲奈の姿が見えた。
「は……。あいつ逃げたのかよ……。これじゃあ言うタイミング完璧に逃したじゃねえか。いや、それよりあいつとデート……だと。終わった……」
俺はどうしようもないと思ったが、取り敢えず行動しないと、この結果は変わらずにどこまでもいくと思い、小林玲奈を追いかけることにした。
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