後輩から家に来る
「じゃあな。俺こっちだし」
分かれ道、俺が別れを告げると不思議そうな顔で言ってきた。
「いやいや、何言ってるんです?」
「なんだ?」
「私も今から、先輩の家にお邪魔するんですよ」
こいつは何を言い出すかと思えば
「迷惑だからダメだ」
俺がそうやって断ると、「分かってないですね」というような顔で言ってきた。
「そういう問題じゃないですよ。私、芽衣ちゃんと遊ぶ約束をしているんですよ。先輩のい、え、で」
そう何かを含ませたような口ぶりで言ってきた。
「ふぅん」
まぁそれなら俺は関係ないしどうでもいいかな。
しかし一つ忠告しとかないといけない。
「俺の部屋には入るなよ」
「どうしてです? エロ本ですか?」
そう、ニヤリと笑いながら言ってきた。
「もしエロ本があったとして、俺が持ってるエロ本を見たいのか?」
俺がそう言うと「はっ!」と思い出したようにした。
「遠慮しておきます」
「だろ。まぁ部屋に入ってくるなよ」
「善処しまーす」
「それは善処しない奴の言い方だ」
「それはどうでしょうね」
そして俺の家に着いた。
「へーここが先輩の家ですか……」
「今日のお前はどっちかって言ったら芽衣の家って言った方が正しいだろ」
「まあどっちでも一緒だからいいじゃないですか」
そう俺の言った事に否定的な意見を出して家に入った。
「ただいまー」
「お邪魔します」
「おおー! ほんとに兄ちゃんと、玲奈が一緒に帰ってきた!」
俺が帰ってきたと分かった途端に賑やかなお出迎えがきた。
「これは付き合うのか? 付き合うんだな」
「んな訳無いって」
「私はそれでもいいんだよ。芽衣ちゃんからも言ってやってよ」
「いやー。流石のあたしでも無理だな」
妹を使って引き寄せようとしても無駄だからな。
「なんで?」
「あたし、兄ちゃんの趣味知ってるし」
「私も知ってるよ」
「それに……」
「それに?」
「あたしたちってお互いに趣味のことを口出さない関係なんだ! だからあたしからは無理だな」
もしものためにちゃんと保険をかけておいて良かったよ。
芽衣は極度のショタコンだからな。一回小学生をよだれ垂らしながら見た時に、この関係を結んでおいたのだ。
その時の芽衣を見つけた俺は本当にナイスだったな。
「何それ! なんでそんなの変な関係結んでるの!」
しかし小林玲奈は納得しなかったみたいだ。
この事を話されるのは芽衣も嫌だろうし、俺は二人に言った。
「まぁ、取り敢えず芽衣の部屋で話せ」
「「はーい」」
ちゃんと聞いてくれて良かったよ。
でもその時に小林玲奈の顔が何か企んでいるような顔をしていたのは、気のせいだと信じたいものだ。
まぁ多分俺には関係ない事だろうと思い、自分の部屋に閉じこもった。
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