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第4話
一日の仕事が終わり、わたしは女指を外して机の上に置いた。
「どうだい? 疲れただろう。ゆっくり休むがいい」
「ありがとうございます」
女指は大きく伸びをして、関節を曲げた。
わたしは立ち上がり、机の置いてある書斎の明かりを消して、部屋を出た。
居間に行き、ソファーに腰掛けくつろいでいると、電話が鳴った。
「もしもし。安西ですが」
「俺だ。男指77号だ。女指に用がある。かわってくれないか」
「誰だか知らないが、知らないね。何かの勘違いだ」
わたしは急に色をなして電話を切った。指同士の色恋沙汰なんてあるもんだ。驚きと失望とすこしの嫉妬心が入り混じった気持ちに駆られた。




