悪意×
それは、その人間の様なそれは、飄々と立ち今にも全てを奪い去ろうとしていた。
「待ちやがれエエエエエエエ!たとえ"俺"の目 がみえなくとも…私の、私の目はまだ生きているぞ!」
「ほう…よく生きていらっしゃいました。此方もほんの僅かではありますが敬意を表します。恐れ入りました申し訳ございませんでしたどうかお許しを何でもする…
なあ〜んて言うとでも思いましたか?そんなベタな事は言うつもり毛頭ございましぇ〜ん!さあ、皆もろとも…」
「だろうな。私のこの力で、"法則"を塗り替えてみせる!」
「さて、どう…
いや。
いやいや。
これは…
これは、無理ですねぇ。
疲れました。本当に疲れました。これ以上私に出来る事はありません。この手掛かりが私の望みです。私の負けで良いです。」
「どうしようが勝手にしろ。いずれにせよ、容赦はしない!」
「遺言もありません。私には何もありゃしません。貴方方の勝利です。こんな形で負けるとは…さぞかし"あのお方"もお怒りになられるでしょう。同時に祝福を上げられるでしょう。はあ…やはりこの計画も破綻してしまうのでしょうかね…
私はこれ程までに素晴らしい悪意と、これ程まで見窄らしい希望を、私は知り得てしまったのですから…
そうですよね。7人目の『縁』」




