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おひさまのばんそうこ  作者: あらうさ(´Å`)
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第26話 マリオネット

ーーー宿場町、夜ーーー


「ふう、結構話が盛り上がったな」


 あの後ずっと話をしながら宿場町に着いたセカイノ達は、宿をとった。


一緒に食事をし、シャワーを別に入り、床に就く。セカイノ達は二階の部屋だ。


「毎日がこんなに楽なら苦労はしないんだが」


 笑いながらベットに横になる。


「・・・そんなに甘くはないか」


 セカイノは異変に気付く。

 宿の外が静か過ぎる。

 宴会などで夜も更けるまで騒がしい街が、静か過ぎるのだ。


 セカイノは廊下に飛び出す。

隣の部屋からなのよとトトも飛び出す。


「セカイノさん!外が!」


 トトが窓の外を指差す。

宿は大通りに面しているので外が一望できる。

宿は大勢の人に取り囲まれていた。


「一体どうなっていやがんだ」


 取り囲んでいる人たちは皆、一様にうつろな表情をしている。


「何かに操られてるみたいですね」


 トトが一瞥する。


「魔導具か。なんで俺達は大丈夫なんだ?」


 セカイノは疑問を口にする。

しかしその答えは身近なところから返ってきた。


「それは僕が昼間の間、セカイノさん達が飲む水に精霊を潜ませてたからですよ」


「なにやってんだお前!」


 セカイノはトトの首を絞める。


トトはげほげほ、と咳き込み、


「良いじゃないですか、結果オーライですよ」


「お前は後で覚えておけ」


 セカイノはトトを突き放つと、


「とりあえず、この囲みを何とかしねぇとな」


 呟く。


群集はなにやら手を上げる。その手に持たれていた物はーーー


松明。


「冗談じゃねぇぞ!」


 宿に、一斉に火が放たれる!


「畜生!」


 セカイノの言葉を尻目に、なのよは群集に花を投げつける。


「暴・風・花!」


 強烈な嵐が吹きすさび、群集の塊が割れる。


「今なのよ!」


 セカイノ達は一斉に窓から飛び出す。


 群集の割れ目に飛び込み、一気に駆け出す。


「え?もしかして宿の弁償は教会持ちですか?」


 トトの的外れな疑問は無視する。


「魔導具じゃこんな広範囲な能力は無理なはずだ!何かカラクリがある!」


 セカイノは呻く。


 なのよは何か気付いたらしく、鼻をくんくんする。


「何か匂うのよ」


 セカイノも気付いた。


「香りか!」


 セカイノは辺りを見渡す。

空中に漂ってる物質の流れを見る。


「こっちか」


 匂いが流れてくる風上に向かう。

しかしなのよとトトは立ち止まって、


「お前ら?」


 セカイノは声をかける。


「セカイノさんは魔導具を持ってる奴を叩いてください、僕らで足止めをします」


「なのよ」


 セカイノは舌を打って、


「くそ!頼んだぜ!」


 全力で駆け出す。



 しばらく走った後、セカイノは足を止める。


「そんなに遠くから操れないはずだが・・・」


 辺りを見回すと、道の真ん中に小太りの男が姿を現す。


「司祭でも小娘でもなく、俺達の前に立ちはだかるのは、やはり貴様か」


 セカイノに言い放つ。


「お前らもいい加減、懲りないな」


 セカイノは笑う。


「覚悟!」


 小太りの男は直進してくる。

そしてセカイノに蹴りを放つ。

 セカイノは最小限の動きでそれをかわし、ローキックを仕掛ける。

小太りの男は真上に飛んでセカイノに蹴りを放つ。

セカイノは右にかわし、距離をとる。


「ほほう」


 小太りの男は笑う。


「貴様、面白い体術を使うな」


「そうかい」


 今度はセカイノが距離を詰める。

攻撃範囲内まで踏み込んで、正拳を放つ。

小太りの男はそれを右手で払うと、右ハイキックを入れてくる。

セカイノはそれをしゃがんでかわす。

 二人は同時に後方へ飛ぶ。

小太りの男は頷き、


「そうか・・・どこかで見た体術だと思ったら、極東の技術か」


 セカイノは一瞬止まる。


小太りの男は、その一瞬の隙に合わせるように懐に飛び込み、腹に掌打を入れる。


「がはっ!」


 セカイノはもんどり打って倒れる。


 小太りの男はセカイノの頭を踏みつけ、


「この大陸よりさらに海の向こうの大陸、その東の海に浮かぶ島国の体術だったか」


 見下ろす。


「へっ、こんな地の果てまで来て、懐かしいことじゃねぇか」


 セカイノは踏まれた状態で笑う。

小太りの男は足にぐりぐりと力を入れ、


「だが貴様の苦労もここまでだ。お前はここで死ぬ」


「そうかい」


 セカイノは両手に力を入れ、腕立て伏せのように上体を起こす!


 小太りの男は体勢を崩した。


セカイノはすかさず小太りの男の足を抱え、間接を極める。


「ぐあああっ!」


 たまらず小太りの男は叫ぶ。


「懐かしい事を思い出させてくれてありがとうよ!」


セカイノはそのまま足をへし折る。


「ーーーーーっ!」


 小太りの男は声にならない悲鳴を上げ、のたうちまわる。


 セカイノは今度は首の間接を極め、締め落とす。


小太りの男は気絶する。


「さて、と」


 セカイノは小太りの男の衣服をあさる。


魔導具らしきものを取り出すと、慎重に操作する。


「スイッチは・・・これか」


 魔導具は光を失い、動作を停止する。


「よし、これでなのよ達も大丈夫だろ」


 辺りに気を配ると、爆発音や衝撃音も止んでいる。


セカイノは、なのよ達が足止めしていた場所へ足を進めた。

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