第22話 西の都
ーーー西の都ーーー
「ようやく着いたか」
「わぁー!オシャレな建物がいっぱいなのよ!」
なのよが目を輝かせる。
「この西の首都は文化の都と言われ、この国の東西南北すべての文化の技術が結集しているのです」
マリーネが説明する。
「へぇー」
「さあ、なのよ殿。これに乗りますよ」
「大きい!この荷台を引っ張ってる生き物は何なのよ?」
「馬というのです」
「馬!これが!初めて見たのよ!」
ほへーとなのよが感心する。
「そういえば真夏島に馬はいなかったっけ」
セカイノは笑う。
「では乗りますよ」
マリーネは乗車する。
なのよは馬の背に乗る。
「おい嬢ちゃん、危ねぇぞ」
御者が止める。
「わかってるのよ」
なのよは馬の首を撫で、降りる。
馬はひひん、といななくと、なのよに首をすりつける。
「へぇ、こんなに早くこの馬が懐くとはな」
御者は感心する。
なのよはキャビンに乗り込む。
馬車の中にはマリーネ、警備団団長、セカイノ、なのよが乗り込む。この面子はマリーネの要望らしい。
「西の大国は初めてなのよ」
なのよは興奮が抑えられないらしい。
「セカイノは来たことがあるの?」
「首都には一度だけだな。バタバタしてたからあまり長くは居られなかった。この都市のことはマリーネが詳しいんじゃないか?」
「はい、私なら何度か来たことがあるので少しは案内できますが。ただ、一般の食堂とかは・・・」
マリーネは団長を見る。
「私の部下が知ってるはずだ。案内させよう。ただーーー」
団長は咳を一つして、
「ここには観光に来たわけではなのは自覚してほしい」
「わかったわかった。で今日はこれからどうするんだ?」
まあ、とマリーネは驚き、
「セカイノさんたちにスケジュールを教えてないのですか?」
「警護の邪魔になりますので」
団長はしれっと言う。
「俺は別に構わねぇぜ。俺達は俺達のやり方でマリーネさんを守る。それでいいだろ」
マリーネは何か言いたげだったが口をつぐむ。
「で、もう一度聞くが俺達はどこに向かってるんだ?」
その質問にマリーネは答えた。
「大精堂です」
「大精堂?俺の記憶が正しければ聖精教の代表格の場所だったと思うが」
「そうです。私達はそこへ行き、聖精教の大司教と今後のことで話し合いをするんです」
なのよが横から口をはさむ。
「聖精教?ってなんなのよ?」
「そうか、なのよは知らないのか」
セカイノはなのよに向き直り、
「聖精教ってのは西の大国で一番信仰を集めてる宗教勢力のことだ。真夏島の三神教みたいなもんだな」
「三神教と聖精教とでは特に戒律の厳しさが全く違いますけれどね」
マリーネが口添えする。
「三神教の戒律はゆるゆるなのよ。まあだから自称唯一神が一部復活したんだよ思うけど」
セカイノは思い付いたように、
「そういえば三神教の代表はどうしてるんだ?本来なら同じ立場のものどうしで話し合うんじゃないのか?」
「三神教の大司教は自称唯一神の封印に手が一杯なのよ」
「そこで三神教と繋がりが深い私が派遣されることになったんです」
「なるほど」
セカイノは納得する。
「もうそろそろ着くと思いますけど・・・」
マリーネがそう言いかけたとき、セカイノが異変に気付いた。




