第19話 海神
ーーー大陸南海、夜ーーー
「ふぁーあ」
セカイノはあくびをする。
「今日も暇だな」
船旅が経って数日が過ぎていた。
「こんなに暇なのに俺、付いてきた意味あるのかなぁ」
「本番は西の大国に着いてからなのよ」
「まあそうだが」
セカイノは窓の外を見やる。
「外は嵐か・・・」
「最新式の船なら嵐くらいどうともないのよ」
「だな」
セカイノはベットに転がる。
「もうひと寝するか」
船内は結構揺れたがセカイノは特に気にしなかった。
その時。
ギギィッ!
船が大きく揺れた。
「な、なんだ?大波か?津波か?」
「外が騒がしいのよ」
「甲板に行くか?」
「外は嵐なのよ。一歩間違えば波にさらわれるのよ」
「それはそうだが」
ギギィッ!
船が再び大きく傾く。
「仕方ない!行くぞ!」
「しょうがないのよ」
セカイノ達は揺れに足をとられながらも甲板に上がった。
そこで見たものは。
「なんだありゃあ・・・」
海から幾本もの巨大な触手が船体に絡みつき、船を揺らしていた。
「・・・海神なのよ・・・」
「海神?」
「海の土地神と考えていいのよ」
「なるほど」
セカイノは甲板を見やる。
甲板では銃で武装した警備団が触手に向かって攻撃している。触手のあちこちで爆発が起こる。
「ただの銃じゃねぇな」
「爆発花のエキスを使用した弾を使ってるのよ」
「なるほど。だが・・・」
警備団の使ってる弾丸は海神の分厚い皮膚を貫けないでいる。
「分が悪いな」
「ちょっとこれを持つのよ」
見るとなのよは自分の胴に、ロープを巻きつけていた。
ロープの端をセカイノに渡し、
「絶対に離さないで欲しいのよ」
「おい!」
なのよは触手に向かって勢いよく駆け出す。
「水系の敵には雷系の攻撃が有効なのよ!」
なのよが雷系の花を警備員を掴みあげていた触手に放つ!
バリバリッ!
触手はたまらず警備員を放す。
「今のうちに連れて行くのよ!」
他の警備員が解放された警備員を連れて行く。残りの警備員が雷系の弾に詰め替えて触手を攻撃する。
バリバリッ!バリバリッ!
触手が次々と船から離れていく。
「その調子なのよ!」
次の瞬間!
ザバァッ!
海面が上がり、魚人の姿をした巨大な怪物が姿を現した。
「こいつが本体か!」
警備団が一斉に射撃する!
しかしあまり効果があるようには見えなかった。
『返せぇ』
「?」
セカイノが海神の声を聞きとめる。
『返せぇ』
セカイノはなのよの命綱を握り締めながら海神に叫ぶ。
「何を返せって!」
しかしセカイノの声は海神に届かない。
海神はうなり声を上げると海に潜り、
ごおぉん!
船が一段と揺れる。
船員が叫ぶ。
「推進力低下!スクリューをやられました!」
「なんだと!?」
船長が叫ぶ。
「海神は!?」
「姿がありません!」
「やられた・・・!」




