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おひさまのばんそうこ  作者: あらうさ(´Å`)
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第五章 第18話 西の大国へ

ーーー真夏島近海ーーー


「ふう」


 セカイノが大海原を眺めながら息をつく。


波は穏やかで潮の香りと心地よい音を運んでくる。


「元気が無いのよ」


 なのよが語りかけてくる。


「いや、な。どうしてこうなったんだろうって考えてたんだ」


ーーー雷音戦後ーーー


「は?」


 セカイノは聞き返す。


 博士は表情を変えず、


「じゃから西の大国へ行ってくれと言ってるんじゃ」


「なんで?」


「自称唯一神の攻撃に備えて西の大国と共同戦線を張ろうということになった。その使節団の護衛を頼みたいんじゃ」


「この国の行政機関、『統率機構』のか?」


「そうじゃ」


 博士は頷く。

セカイノは首をひねって、


「『統率機構』の護衛ならきちんとした部隊がいるだろ。なんで俺なんかが?」


「それなんじゃが・・・」


 博士は説明を始める。


どうやらセカイノはこの国の深部で有名になってるらしい。

度重なる工作員の工作活動を退けた事が起因になっているとのことだ。


「で、使節団のお偉いさんや護衛部隊の面々がぜひお前さんに会ってみたいと、つまりこういう事じゃ」


「嫌だよ。俺はマスコットじゃねぇ」


 セカイノは即答する。


「使節団にはこの国で指折りの若い美人女性議員が同行することになってるんじゃが」


「乗った」


 すぱぁん!


「痛て!」


 いつの間にか背後に回り込んだなのよが、持っていたお盆でセカイノの頭をはたく。


「現金なのよ」


ーーーその数日後、船上にてーーー


「初めまして、美しいお嬢さん」


「あらお上手ですねセカイノ様」


 答えるのは統率議会、議員のマリーネ。

金髪碧眼で長い髪はウェーブがかっている。

人形と見間違えるほどの美人だ。


「セカイノと呼び捨ててくださって結構です」


 セカイノはかしこまる。


「ではセカイノ。今回の同行、警備をよろしくお願いしますね」


「任せてください」


 セカイノは胸を張る。


なのよはというと船が珍しいのか船内をあちこち見回っている。


ーーー数時間後ーーー


「退屈だ」


 セカイノは既に船旅に飽きていた。


「まだ一日目なのよ」


 なのよが突っ込む。


「飛行船じゃ駄目なのか?往復で2日じゃねーか」


「空は撃墜されたら助からないのよ」


「まぁそうだが・・・2週間は長いな」


「美人議員さんはどうしたのよ?」


 セカイノは苦々しく、


「仕事が山ほど溜まっていて、処理に追われて部屋に篭ってるそうだ」


「セカイノの目論見は外れたのよ」


「ああ・・・って、ん?」


 向こう側から警備服に身を包んだ集団が近寄ってくる。


「君がセカイノか」


 リーダーらしき青年が声をかけてくる。


「あんたは?」


 セカイノが聞き返すと、


「この使節団の警備団の団長だ」


 団長は値踏みするようにセカイノを見て、


「あんたの噂は聞いている。度重なる工作員の工作活動を退けてるそうじゃないか」


「大した事じゃねぇよ」


 団長はふん、と鼻を鳴らすと、


「余裕だな、しかしこれだけは言っておこう」


 団長はセカイノを睨み付け、


「今回の使節ではお前の出番なんか無いとな」


 そう言うと、振り返り、去っていく。


「出番が無い?良い事じゃねぇか」


 セカイノは笑う。

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