第17話 三人目の依り代
ーーー博士の工房ーーー
「・・・はっ!」
「よぉ、目が覚めたか?お嬢ちゃん」
雷音は自分の姿を確認する。鉄製のワイヤーでぐるぐる巻きにされており、その先っぽは地面に突き刺さっている。いわゆるアースだ。
「人をこんな姿にして!なに企んでるのよ、この変態!」
「ずいぶんなご挨拶じゃねぇか」
セカイノはサングラスをくい、と上げ、
「特に何もしやしねえぇよ、お前さんと話しをしたいだけだ」
「私と?」
雷音は胡散臭そうな目で見る。
「鍾乳洞で自称唯一神が一部復活した話しをしたろ?」
「しかたしら?」
「したよ!人の話は聞いとけ!」
「で、それがどうしたの?」
雷音が警戒の色あらわに聞いてくる。
「お前さんのその力は自称唯一神と対立する三柱神にとって必要な力だ。逆に自称唯一神を封印する三柱神を倒す力にもなる。お前さんにそれをさせるわけにはいかない」
「で?」
雷音は先を促す。
「自称唯一神は本体を取り戻すため、この国を相手に再び戦争を始めるはずだ」
そこで区切って、
「俺達に力を貸してほしい」
雷音は少し考え、自分を縛ってるワイヤーを見下ろし、セカイノを見る。
「この扱いは人に物を頼む態度じゃないわね」
「解いたらお前暴れるだろ」
「暴れないわ」
「確認だけでしたかったんだ」
「?」
「お前が役目を放り投げるような奴じゃないって事をな」
セカイノは神器の首飾りを取り出す。
「それは?」
「神々の力を一時的に格納する事の出来る神器だ。お前さんの力をこれに封印する」
「!」
セカイノは神器を雷音の首にかける。
雷音は反射的に雷を放つ!
その流れを利用してセカイノは雷を神器で吸収する。
「!」
雷は凄い勢いで神器に吸収されてゆく。
「や、やめて!」
雷音の上段からの態度が変化する。
セカイノは構わず、
「この雷を代々守ってきたんだろ?お前さんのその役目は終わりだ」
「!」
雷音は安堵と焦燥感の入り混じった複雑な表情を見せる。
「大丈夫なのよ」
なのよが服の裾を引っ張る。
「?」
「雷花の使い方を教えるのよ」
言うと棚の上に缶を置き、リュックから花を取り出し、投げる。
バリバリッと電撃がはじけ、缶が落ちる。
「もしもセカイノが何かしたらこれでお仕置きすればいいのよ」
「おいおい穏やかじゃないな」
セカイノが額から汗を流す。
「それに雷音には依り代としての役目が残ってるのよ」
「依り代?」
「ああ、それに関しては他の依り代達から直接聞いてくれ」
暫くすると雷音を覆っていた全ての電気が神器に吸い込まれる。
「これで終了っと」
「あああ・・・」
雷音はがっくりとうなだれる。
セカイノは雷音を縛っていたワイヤーを解くと、
「なのよ。雷音を雪花達の所へ連れて行ってくれ」
「わかったのよ」
なのよが雷音を奥に連れて行く。
「終わったようじゃな」
博士が別の部屋から出てくる。
「今回はあまり良い気分になれなかったがな」
セカイノはため息をつくと、
「で、今度はどこへ行けばいいんだ?」
「西の大国じゃ」
「は?」




