第15話 雷神の槍 前編
ーーー特注服専門店ーーー
「なんだこの着ぐるみは」
セカイノは呻く。
「耐電撃防護スーツなのよ」
「それはわかるが・・・なんでカエルのデザインなんだ」
「さあ?」
なのよはあっさり答える。
「死亡フラグじゃないのか?これは」
カエルのメットを持ちながらセカイノはまた呻く。
「水かきまで付いているのよ」
「無駄に凝ってるな」
セカイノは三度呻く。
「着替えも終わったし、とっとと行くのよ」
「ちょ、待て。この格好で行くのか?」
「着替えてる時間はないのよ」
「おい!」
ーーー街中ーーー
「おい、なのよ」
「何なのよ?」
「・・・凄い目立ってるんだが」
小型飛翔機が置いてある場所への道中、セカイノ達は道行く人達の注目を集めていた。
見ると、小さな子供がこっちを指差してたりする。何かのイベントと思われているのだろうか。
「気にしたら負けなのよ。どうせ頭はかぶり物で誰が誰だかわかんないし」
「お前は大物になるよ」
セカイノはため息をつき、なのよについて行く。
ーーー雷雲の平原ーーー
どこまでも続く草原に、暗雲が立ち込めている。ところどころに雷が落ちていて、生き物らしいものはいない。雨が降っていないのが少しの救いか。
そんな中、特に雷が集中している所があった。
セカイノが双眼鏡でそちらを見やる。
兵隊らしき人影がクモの子を散らすように雷から逃げまどっていた。
「工作員だな」
「連中が雷を引き連れている間に神々の武具を探すのよ」
「お前、最近結構ドライだな」
「セカイノを見習ったのよ」
「そうか・・・」
とりあえずその話題は棚にあげてセカイノは辺りを見渡す。
どこまでも続く草原だけがあった。
「何にもねぇな」
「ホントにこんな所にあるの?」
なのよが聞いてくる。
「博士が有るっつってんなら有るんじゃねぇのか?」
「そうなんだけど・・・」
なのよは空を見上げる。
「まさか雲の中とか・・・」
「なのよナイスだ」
「え?」
「上じゃない。下だ」
「下?」
なのよは足元を見やる。
「そう、地下だ」
セカイノは下を見やりながらふらふらと歩き回る。
なのよはしばらくその様子を眺めていた。
「ここだ」
セカイノはとある地面の一点を見て静止する。
しばらくは何も起きなかったが、少し時間が経つと、
ドドド!
地面から水柱が溢れ出してきた。
「わぁお」
なのよが歓声の声を上げた。
「地下水の流れを操ったのよ?」
「ちょいと違うがまあいい。降りるぞ」
水柱の後に出来た穴にセカイノが降りる。
なのよもその後に続く。
セカイノがスーツケースから取り出した電灯で辺りを照らす。
「うわぁ」
なのよが感嘆の声を上げる。
「鍾乳洞なのよ」




