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おひさまのばんそうこ  作者: あらうさ(´Å`)
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第13話 炎の神剣 後編

ーーー宿屋・かげろう亭ーーー


「ふーっ」


「とりあえず街の人の話を聞いたのよ」


「ああ、『神々の武具』については何も知らないようだった」


「でも、『最近変わったことはなかったか』とたずねるとみんな黙ってしまうのよ」


「ああ、何かに怯えるようにな」


 セカイノは窓際に立つ。外はもう真っ暗だ。


すると、


ドーン!


という爆発音と共に、空が一瞬光る!


「なんだ!?」


 セカイノが窓から身を乗り出すと、


「なんだありゃあ・・・」


 街の遠くに曲がりくねった光の筋が見えた。


「なのよ行くぞ!」


「了解なのよ!」


 遠くにある明かりを目指しながら、セカイノ達は駆けだす。


「嫌な予感がしやがる・・・」


 角を曲がりくねりながらセカイノは呻く。

 遠くから見えた光の帯がはっきりと見えてくる。


「炎の帯・・・か?」


 炎の帯は生き物の様に人々を襲っていた。

セカイノは人々の怒号の中に、よく知っている訛りを聞きつける。


「東の大国の工作員だな」


「先回りしてるのが裏目に出てるのよ」


「とりあえず工作員の方はいい、問題はーーー」


 セカイノは炎の帯の根元の部分を見やる。


 そこに居たのは浅黒い12歳くらいの女の子だった。


 セカイノは土地神の言葉を思い出す。


『手に入れるのは神々の武具か人間か。よく考えるがいい』


「なるほど、やりにくいな」


 セカイノは大きく息を吸うとーーー


「工作員のお前ら!ここは俺が引きつけるから全滅する前にとっとと撤退しろ!」


 工作員達はびくり、と反応し、撤退し始める。

炎の帯は一人も逃がさないつもりか工作員の背中を狙う。が、

ーーー途中で、炎の向きが変わる。


「やらせねぇよ」


 炎の帯がもう一本現れて、セカイノに襲いかかる!


しかしそれも途中でそれる。


炎の帯はさらに二本生えてセカイノに襲いかかる!


「これ以上は同時に防げねぇ!」


 二本の帯がセカイノに到達する前に、


「爆裂花!」


 ボボボボン!


 四本の帯が爆散する。


「加勢するのよ」


 なのよに手を振ると、セカイノは女の子との距離を詰める。


「悪く思うな」


 セカイノの手が女の子に触れる瞬間、


「殺さないでぇ・・・」


 女の子がぽろぽろと涙を流す。


「これは・・・クソッ!」


 セカイノは後方に飛び、


「なのよ!いったん撤退だ!」


「・・・わかったのよ!」


ーーー宿・かげろう亭ーーー


「最悪だ」


 セカイノは吐き捨てる。


「あの子の魂と武具が一体化してやがる」


「どうするのよ?」


『手に入れるのは神々の武具か人間か。よく考えるがいい』


 土地神の言葉が浮かび上がる。


「それと、もう一つ問題がある。どうやってこの広い街からあの子を探し出すか、だ」


「それなら心配ないのよ」


 なのよが胸を張る。


「追跡花の棘を刺したのよ」


「ナイスだ」


 セカイノはぐっ、と親指を立て、


「昼間だと人通りが多くて巻き添えが出る。動くなら夜にしよう」


ーーー夜ーーー


 追跡花の茎が神々の武具のありかを示す。


「こっちか」


 そこはスラムだった。小さな小屋が所狭しと密集している。窓からもれる小さな明かりが夜を照らしていた。


「こんなところで火を放たれたらたまったもんじゃねえな」


 セカイノは慎重に進む。

 やがて一軒の小屋の前で止まる。


「ここか」


 瞬間! 炎が入り口から放たれた!


 セカイノは炎の流れを逸らす。


「出てきやがったな」


 入り口から少女が出てくる。

少女はうつろな表情のまま、二本目の炎を繰り出す。

セカイノはそれも逸らすと、後ろに走り出す。


「さあ追いかけてきやがれ!人気の無い場所で勝負だ!」


セカイノは人気の無いルートを選んで目的地までひた走る。


ーーー倉庫街ーーー


 街の片隅にある倉庫街。

コンテナが所狭しと積んである。


「来やがったな・・・」


 うつろな表情の少女がセイノを追い込む。


と、そこで少女が意識を取り戻す。


「だ、駄目! 傷つけちゃ駄目ぇ!」


「構わねぇよ! かかってきな!」


 セカイノが炎をいなしながら挑発する。


「どうせなら全部来い!ちまちまやってたんじゃ俺を殺せねぇよ!」


 それに反応し、少女の体から八つの炎が沸き起こる。


「八又の大蛇・・・」


 セカイノは顎の汗をぬぐう。


左右背後はコンテナが積まれてて逃げ場なし!


八つの炎の帯がセカイノにめがけて踊りかかる!


「セカイノ!」


 セカイノの上方、コンテナの上から、声と同時に何かが投げられてくる。


 セカイノはそれを受け取ると目の前に迫り来る炎にかざした!


「!?」


 炎がすごい勢いで吸収されていく。


セカイノの手の中の首飾りに。


「ナイスタイミングだ!なのよ!」


「間に合ったのよ」


 少女が驚愕する。


「そ、それは・・・!」


「これか?これは『神々の力の源を集める』首飾り、神器だ」


 炎はどんどん吸収されてゆく。


「これを博士のところに預けていたのをすっかり忘れててな。なのよに取りに行かせてたんだが、間に合ったな」


「冷や冷やしたのよ」


 炎がだいぶ細くなる。


「この子の命を奪うというのか?」


「喋れるんじゃねぇーか。・・・しねぇよそんな事は」


 セカイノは炎が糸の細さになるのを待って、


「炎の『流れ』を『断ち切る』」


 炎の糸がぷつん、と切れる。弱弱しくなった炎は全て神器の首飾りに吸収される。


少女がふらり、とくずれるのをセカイノが支える。


セカイノはふぅ、と息を吐き、


「これにて一件落着だ」


 と、締めくくった。

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