第四章 第11話 神々の武具
ーーーおひさま亭ーーー
「雪花はぐっすり眠ってるのよ」
「そうか。あとで精密検査しなければな」
「で、これからどうするんだ?」
セカイノが尋ねる。
博士は顎を撫で、
「三柱神が言っていた『神々の武具』とやらを探さなければな」
「で、『神々の武具』ってなんなんだ?」
「人間が神々を倒すために奇跡の力で作られた武具じゃよ。二百年前、自称唯一神をこの島へ追い込むことに成功した幾つかの神器のことじゃ」
「複数あるんだな」
「どれも東の大国の手に渡ったら大変なものばかりじゃ」
「三柱神を倒すために使われたりしたら目も当てられないしな」
セカイノは紅茶をすすりながら、
「で、保管してる場所はわかってるのか?」
「見当はついておる」
「へぇ。どこだ?」
博士は机の上に地図を広げる。
「この島には幾つか気候が捻じ曲がってる場所がある。神々の武具は気候を捻じ曲げることの出来るほど強力な武具じゃから、それを照らし合わせれば、場所は絞れる」
「とりあえず何処に向かえばいい?」
「ここから南西の砂漠の町じゃ」
ーーー砂漠の町ーーー
「雪山の次は砂漠か・・・」
うなだれるような猛暑の中、セカイノとなのよは街を歩く。
「思ったんだけど」
「?」
なのよが疑問を口にする。
「どうして東の大国の工作員は私達の後を正確に尾けて来られるのよ?」
「それはあれだな、『周波数指定型盗聴器』だな」
「『周波数指定型盗聴器』?」
「そうだ。人の声には個人別に周波数の帯域が決まっている」
セカイノは指を立てる。
「ターゲットの周波数帯をあらかじめセットして、その範囲内の周波数だけ拾って盗聴するって訳だ」
セカイノは顎に手を当て、
「効果範囲は障害物の妨害も想定して百メートルから二百メートルといったところか」
「いつの間にそんなものが出来たのよ」
「十年くらい前かな?だから東の大国を旅する時はちょっと神経を使う」
なのよは腕を組み、
「博士はそんなこと教えてくれなかったのよ」
「余計な気を使わせたくなかったんだろうさ」
むう、となのよがむくれる。
「さ、着いたぞ」
セカイノ達は宿屋の前に着いた。




