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Massacre of cultism  作者: 新生 旧太郎
3/7

Massacre of cultism おまけ第一話

ここで────少し忌み嫌われた三人の日常を覗いてみようか。

虐殺館という蔑称が付いてしまった彼らの家。

これからの話に差し支えが生じるかもしれないから、家の構造は筆者としては伏せておこうと思う。また、筆者が悪人とされる人々に傾倒している、とも思われたくないから先に言うと、飽く迄も、彼らは彼らなりの生活をしているだけだ。それでは、語ろうか。



『鳥は…自由でいいな、兄さん』

灰色の服を来た白髪の青年、リクハルドは言う。

『しかし、人より短命だ、それでもいいのかい?』

長身で、黒く長い髪から翡翠色の瞳を見せてジギスムントは言う。

『それは嫌かな…なら、長生きできる鳥になりたいな』

リクハルドは微笑んでいる。

『……贅沢者め』

ジギスムントはリクハルドの頭を撫でて言った。


声を聞く限り、彼らは至って普通の青年、普通の兄弟である。

しかし、風貌たるもの、恐ろしいものである。


長男、ジギスムント。

二十歳。身長六フィート四インチ。

黒く長い髪に翡翠色の瞳、右が義足。

黒いコートと、緑のシャツ、黒のサスペンダーのついた黒いズボンを履いている。

女性の首を除く上半身、弟が人を殺す瞬間をこよなく愛する。

不健康そうな弟とは反対で、栄養価の高い物を食べる。


次男、リクハルド。

十九歳。身長五フィート三インチ。

白髪、左目は義眼。口の周りはいつも赤黒く、目の下のクマが青黒い。そして、常に口が引き攣り、笑っている様。

灰色の長袖とジーパンを履くことが多いようである。

生物を解体するのが趣味。殺した人間の骨でナイフを作り、それで殺し、解体するそうだ。兄のことは『好き』ではなく、『愛している』という。


ここにはいないが…長女、ぺトラ。

二十歳。身長六フィート八インチ。

ブロンドヘアー。

赤黒いワンピースに、大きめの熊のぬいぐるみ。

何故か、『あー、うー』などと母音しか発音しない。

何故か。



そんな三兄弟が神話を記し、纏めているのだ。

何故彼らが殺人鬼となり得たか、それはまたいつか話そう。

……本人たちの口から発せられるかもしれないだろうし。



『ねえ、“あの人たち”が動き始めた、って本当?』

『本当さ、リク坊。でも安心するといい、俺達は安全だ。』

『女帝を、信じてるから、だっけ?』

『そうだ。』

『また、邪魔者は来るのかな。』

『来たところで何だ、蹴散らせばいいだろう。』

『そうだね、ハハハッ』



バルブロ・ズラトゥシェ、虐殺館襲撃まであと、1週間。

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