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ANDOLL*ACTTION未来世界編  作者: 文丸くじら


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先の読めない人々

笹塚未来は竜宮健斗に誘われて東エリアの事務所に来ていた。

というのも蛙のアンドールにアニマルデータが入っていることがばれてしまったからだ。

しかしアダムスとはばれてない。そこでアミダスと微妙な名前として誤魔化す。

アダムス自身も自由に喋ること出来るが、機械音声案内のような口調で口裏を合わす。

下手に拒否して怪しまれるより、懐に入って油断させた方が得策だと笹塚未来とアダムスは考えていた。

そこでさらにNYRON大会について聞かされ、参加してみようと考える。

マスコミがやってくるのだ。取材された際に自分の考えを発信してもらい、また数人ほど能力で支配しようと作戦を立てる。

相川聡史や瀬戸海里は正統派美少女の登場に驚き、鞍馬蓮実も目を丸くしている。

そしてもしかして御堂霧乃のように裏があるんじゃないかと最初は警戒していたが、素を隠すのに慣れている笹塚未来の本性は見抜けない。

次第に打ち解けてきた相川聡史達はお茶菓子を食べつつ、簡単な世間話をする。

子供同士の世間話と言えば学校の話題か趣味くらいなもので、笹塚未来の敵ではない。

美少女として完璧な笑顔や対応で適度に会話を盛り上げ、適度な所で帰る準備をする。

竜宮健斗と崋山優香が東エリアでつい最近襲われたこともあるから、と言って途中まで付き添うことになる。

笹塚未来は竜宮健斗が嫌いだが、断る理由もないためその提案を素直に受け取り感謝した。


夕焼けの道を歩きながら笹塚未来は襲われた時のことを思い出す。

声以外全く特徴を知らない相手。でもアダムスの存在を知っていた。

ならばアニマルデータ関係者になる。ということはNYRON大会に関与している可能性が大きい。

笹塚未来は東、西、南と事務所の子供達に会っている。後は北エリアだけである。

しかしあそこは研究所が多く雪も常に降っているため、デートスポットと言われると悩む所がある。

そのため竜宮健斗達を餌にすることが難しい。なによりラブラブ作戦、ではなく竜宮健斗抑止作戦は上手くいっていない。

むしろ笹塚未来の行動が大幅に削られている。そろそろ諦めた方がいいかと悩み始める。


「あの、健斗くん」

「応、なんだ?」

「正直なところ、優香ちゃんのことをどう思っているの?」

「幼馴染だけど」


賭けと言わんばかりに笹塚未来は直球勝負で挑んた。

しかし馬鹿で有名な竜宮健斗はその直球を受け返した。

返された直球は崋山優香の胸を抉る。諦めの境地に達したような笑みで崋山優香は表情を変える。

笹塚未来は心の中で竜宮健斗に放送禁止される暴言を吐きまくりながらも、それ以上は聞かないことにした。

しかし竜宮健斗が変化球を投げてきた。


「あ、でも一番話しやすい女子」


大逆転ホームランが決まって思わず呆ける崋山優香。

笹塚未来も思わず間抜け面を晒してしまう。一応女子扱いしていたのかと驚くのである。

そんな二人の内情も知らずに竜宮健斗はいつも通り夕飯時特有のカレーの匂いにお腹空いたと零す。

セイロンは竜宮健斗の肩の上で、崋山優香に対し良かったとひそかに歓喜した。

そうこう話している内にいつの間にか笹塚未来は家の前に着いたので、二人に一時の別れを言って手を振りながら家に入る。

すぐに自分の部屋に向かいアダムスを抱きかかえたままベットに背中から飛び込む。


「……って、そうじゃねぇだろ!!あんにゃろう!!!!」

<本当にあの健斗って少年は馬鹿だねぇ…>


アダムスも呆れたと言わんばかりに呟く。結局竜宮健斗に恋心を自覚させられていない。

これでは作戦は逆効果である。笹塚未来のストレスも溜まっていくだけだ。

崋山優香ももっと積極的になれよと、心の中で八つ当たりする。

思考を切り替えようと笹塚未来はパソコンをつける。

大手検索サイトでアニマルデータと入力すれば、今では常時ニュースが切り替わっている。

専用の掲示板やwikiも発足され、専用サイトから違法サイトまで山ほどある。

確実に世間がアニマルデータに関心を持っていることに、笹塚未来とアダムスはほくそ笑む。

実用化されて何人もの病人が救われていくだろう。しかし悪用する者も同時に出てくる。

その時こそ自分達の出番だと笹塚未来達は時を待っている。自分の能力さえあれば敵なしだと。

細胞自体に命令を下す能力。抗うことはできず、命令されたことに相手は従うしかない。

細胞がある生き物なら人間外でも有効である。近所の野良猫で試したので間違いない。


「細胞命令…オレの能力は誰にも負けねぇっ!!」

<ああ。未来は最強だ>


そうやって笹塚未来とアダムスは笑い合う。

自分達以外に同じように能力が目覚めた者達がいることをまだ知らない。

勝利だけを確信して笑い合う。二人だけの世界である。





錦山善彦は少しずつ自分の能力を把握した。

本当に少しずつ地道に危険がない程度に理解していった。

その結果、とても地味な能力であることが判明した。


与えられた情報から予知する…いわば先読みである。


つまりは情報がなければ意味はないし、推理する力があればそんなに必要ない。

空気を読むという地味個性に寄り添うような、とても地味な能力なのである。

今も母親がピーマンを買ってきたことと、冷蔵庫にある肉を見て今日はハンバーグかと判明する程度である。

派手な能力もそれはそれで困るが、地味すぎる能力も困り物である。

とりあえず判明した能力について北エリアにいる扇動岐路にメールを送る。

これで後判明してないのは西エリアの葛西神楽だけである。


しかし葛西神楽は能力らしき気配が全くない。

何か異変があるわけでもなく、いつも通り行動している。

日常ではわからない能力とは何か、そんな疑問を錦山善彦は思いつく。

だが情報が圧倒的に足りない。これでは地味能力である先読みすらできない。

なので錦山善彦はそれ以上考えずに、母親の夕ご飯の声に返事して階段を降りる。

ピーマンを小刻みに入れられたハンバーグが美味しそうな湯気を立ててテーブルの上に並んでいた。




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