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遠死集  作者: 美凪ましろ
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【#009 社会化の末端】


 やすりで磨いた角に例えられるでしょうか。きれいに分別された正方形。不都合を生じさせないために真白く塗られた最終的には立方体。


 色を出すこと、それは「統一感がなくなってしまうから」認可されず。


 違うかたちにも興味があるのに、そうすると「仕舞えなくなるから」官吏にやっぱり首を振られてしまいます。


 不都合なのです、個性のあくなき探求は。


 都合なのです、個性の埋没は。自発的欲求の没落は。


 かくしてマルクスも成し得なかったオートマティック・フォーメーション・システムが構築されました。


 人類みな平等。みな同じ。基本的人権を各自尊重する私たちの美しさ。


 画一化の様式美には知らないうちにテレビジョンが一役買っています。


 それでもわたくしガスも電気も浪費する現代人ですから、規格がなければ不便を覚えます。電球交換の際にソケットを確かめる時になぞ。


 せめて、愛することで個性を持ちたいと願っております。


 恋慕とは各自に残された唯我の意識ですゆえに。



 * * *

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