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【#005 逃避行】【#006旅情】
【#005 逃避行】
かずかずのものを踏みつけてわたしはここまで来ました。
青いもみじも黄色い銀杏の葉も白詰草もたんぽぽの綿毛も三つ葉のクローバーも枯れ枝の末端もみんなわたしに踏まれるといたい、と言いました。
その、痛い、という響きを私は聞いて聞きながら聞かない振りを続け。
耳を失った道化となりました。
【#006旅情】
私を置いていくために体温を忘れるの。
夢を追うがためにふるさとを捨てるの。
さよならあなた、
二度と会わない、
たいせつなひと。
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