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遠死集  作者: 美凪ましろ
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【#048 酩酊】

 

 真夏を切り裂く夕立に似た激しい愛を。


 誰にも奪われたくない激情を、形にし、行動に出来る彼らを、少々、羨ましく思います。


 若さ、というものでしょうか。


 同い年なのですがね。不思議です。


 達観するのが僕の性分ではあります。人と違う役割を探すのが小さい頃からの癖でした。サッカーで言えば某漫画の影響下でボランチに人気が集まった時代に育ちました。というわけで僕は応援側に回りました。


 今も応援したいだけの影です。


 口にせず見守るだけの。


 誰にとっても気持ちのよい形が望ましいのですが、生憎、想いが三つ以上交錯する所に穏便は生息しません。


 伝えなければ伝わらないということも分かりきっているのですが、今の僕が明かした所で誰も幸せにはなりません。


 それでもこの苦境を楽しむ辺り、僕はマゾ属性が強いのかもしれませんね。対異性に逆の属性が強いはずでしたけども。


 運命論者でもない。祈るなど無駄と考える僕が。


 密かに。隠し持つ。薔薇の花弁。


 清潔で、ただ幸せであればいいなと。


 願うだけの無能で無口な。


 こんな形式も一つの愛なのかもしれません。


 明かして、抱きしめたい、という欲動を朝露の薔薇に変える、甘やかな魔術があるとすれば。


 あなたの、微笑みが、それなのです。



 * * *

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