表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
遠死集  作者: 美凪ましろ
35/44

【#040 耳鳴り芳一】

 

 仕舞い込んだはずのボックス


 このごろ 音が 聞こえるのです  わたし聴覚は悪いほうですのに 蓋が


 かたかた かたかた


 震え 震え しているのでしょう


 開いたら最後 わたしという人間は理性を暴虐します


 わたしが保てなくなるエックスデー


 きたるべき日を なるべく意識せず


 ルーチンワークをこなし


 笑顔を装うことで生きながらえます


 飛び出して


 いつか耳に手をかけ引き千切り崩落させるその瞬間をきっと


 箱の中の生き物は待ち望んでいます


 かようにして


 わたしの事後を凌辱し尽くせたならば


 ガイシャ冥利に尽きるというものです



 * * *

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ