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【#031 杞憂】
ぼくのスピードは速すぎるだろうかもしかしてぼくのちからは強すぎやしないだろうか
ぼくの想いはきみに比べるとすこし重たい
恋の薄氷の湖
すあしで進むには冷たい
きみのところに行くのに勇気を要す
うっかりすれば北極にまで流されくまさんに逢えることだろうここ日本なのにね
一緒に歩いてみたいだけなんだけど
どんな景色が変わるだろう?
ぼくの目に
どんな希望が見えるだろう朝のひかりがどんな風に感じられるだろう虹のアーチをくぐり抜けて新たな冒険の旅に出かけられるだろうか
冬の寒さはもう飽きた春さんおいで
きみのほうへ
ぼくの愛の注ぐほうへ
足元固めてじわりじわり ゆっくりでいいからすこしずつ
お互いに進もう
手を触れられる瞬間を想えば
待つ時間なんてなんてことないんだ 時計さん
願わくばあの子のためにすこしだけ息を止めておくれ
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