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連続投稿
時計を見ると、2時を回っていた。私と東はテレビを見ている。お母さんは本を読んでいるし、お父さんは寝室で寝ている。お父さんは夜勤だったようだ。
テレビで、昨日見た「ドラマ」というものの続きを見ている。結構面白い。でも、だんだん眠たくなってきた。
「ふぁあぁ……」
のんびりと欠伸が出た。目に涙が浮かぶ。東が私の涙を手でぬぐい
「眠たいのか?」
と、聞いてきた。私は「うん」と頷く。
「でも、まだ起きていたい」
「そうか」
東はまたテレビの方に顔を向けた。私も一緒になってみる。
このドラマの内容は二人の愛の話というものだと東に教えてもらった。見ていて、結構面白い。けど、だんだんと眠たくなってくる。
「ふぁぁっ」
二度目の欠伸。私にはこの手の話が苦手らしい。凄く眠たくなるから。東がもう一度聞いてきた。
「大丈夫か?」
「うん」
私は頷いて、テレビを見る。すると、ぱっとテレビの画面が変わる。「ニュース」のようだ。
「緊急速報です」
ニュースの人はそう言いだした。その後、ごちゃごちゃと紙を入れ替えたりと忙しそうにしている。
「なんだろ」
「なんだろうね」
私と東が一緒になって呟く。お母さんもテレビを見ている。落ち着きを見せた所でニュースの人が
「まず、現場との中継が繋がってます」
というと、また、画面が切り替わる。会見場と書いてあった。
そこには、一人の男性が中心に立っていた。男性は紙を持ち上げると
「まず、日本支部の皆様にはお詫びを申し上げます」
と、切り出した。なんだろ、お詫びって。
「私たち、支部長のミスにより、数日前、監獄からの十数名の脱獄を許してしまいました」
この言葉に私の胸がどきんと跳ね上がる。ま、まさか。言わないで。言わないで!
「もう、数名の捕獲は完了しています。ですが、まだ完了していない物たちがいます。今をもって、それたちを指名手配にします。今からリストを公開します。これらに覚えのある方はすぐに連絡をください。捕獲に向かいます」
読み終えた後、テレビでは、やじがいっぱい飛び交りだした。
そこで、ニュースの方に戻り、リストが公開される。
私は言葉が出なかった。何が何でもいきなりすぎる。リストに私の元名。いや、元番である「No.2045」と、ともに私の特徴が書かれる。そう、私は……
「指名手配」された。
言葉が出ない。ただただ「嫌」という単語が口から洩れる。なんで、なんで。なんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんで……
もっと過ごしたいよ。彼と共に、一緒に過ごしたいよ。どうして今なの。ねぇ。
不意に誰かに抱きつかれた。私はそこで我に返る。抱いていたのは東だった。私の目から悲しみの象徴が流れ出す。
「なんで、なんでなのぉ。なんで今さらなのぉ。もっと過ごしたいよ。もっと」
嗚咽と共にそんな声が出る。私はここで、今までの幸せだった時間が、崩れ去っていくことがわかった。
「大丈夫、誰が椿を差し出すもんか。誰が、俺の愛する者を手放すもんかっ!」
東からも嗚咽が漏れている。私からだとお母さんが見えないが、お母さんの嗚咽も聞こえた。
そして、お父さんも険しい表情で慌てて出てきた。
「まさかばれたのか!?」
「う。うん」
泣いているせいで、上手く言葉が出ない。だけど、涙が止まらない。
「くそっ。書類の処分はさせたはずなんだがっ」
そして、お父さんは荒く携帯を取り出し、どこかにかける。
「あぁ、俺だ。書類はちゃんと処分しただろ?あぁ、それだ。……お前も驚いているのか。そうか。……仕方ない。お前に託そう。この子たちの運命。……お前は、いつも壊す側だったろ。たまには守れってんだ。レッドキャットとして……託すぞ」
お父さんはそういうと、おもむろに携帯を切った。何の話をしているのかがわからなかった。お母さんが、お父さんに問いかける。
「レッドちゃんに任すの?」
「あぁ。あいつならやってくれる。……俺たちにはどうしようもないことだ」
そして、お父さんは私の肩をがしっと掴んで
「……東といっしょに逃げろ」
と。私はそれに首を横に振る。いや!逃げるならみんなでないといや!
「もう、それしかないんだ」
「嫌……」
「親父たちはどうなるんだよ」
私の言葉をかき消すように東が聞く。その言葉にお父さんが首を横に振った。
「私たちも、多分「異端者」を保護した身として、排除されるだろう。でも、君たちが生きているんなら私は死んでもかまわない」
……そんなこと言わないでっ!一緒に逃げたいよ!
そんな私の心の声は外に出ず。代わりに東が
「そんなこと。言うなよ。一緒に逃げたらいいだろ」
「もう、いいのよ、私たちも実質犯罪者だしね」
お母さんが答えた。犯罪者ってどういうこと。お母さんたちは何も「罪」を犯してない!
すると、テレビで私たちの家が映りだされる。家の前には、兵士のような格好をした者たちが、並んで構えていた。
「もう、時間が無いのよ」
お母さんがそう言った。




