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歯が痛い
早く起きてしまった私は、ベッドから出る。ちょうど、東が壁側だったので、東を起こさずに出れた。
服が汗でぐっしょりだった。べっとりと肌にくっついて気持ち悪い。仕方なく、私はベッドに背を向け、服を脱ぎ捨てる。
「んっ!ふぅ。っむ?」
肌着が引っかかったりしていて思うように脱げない。力任せにグイッと引っ張る。……やっと脱げた。地面に落とすと、ぺとっと音がした。下も同じように脱いだ。
脱いだはいいけど寒い。凄くとかまではいかないが結構寒い。体に汗がまだ付いていたので余計に体が冷える。拭くもの無いかな?東に聞こうっと。
私は東の隣まで移動して、東の体を揺らす。東が「むぅ」と言いながら起きる。
「何だよ、まだ7、じ。……べバッ!」
「えっ」
変な悲鳴をあげて倒れる。そんな光景に私は間抜けな声でしか反応できなかった。東の顔がいつも以上に赤い。もう一回東を揺らす。
「東ぁ。なんか拭くもの無い?ねぇ?」
「俺は何もしてない。俺は何もしてない。俺は何もしてない。したとしても中には出さない」
なんか呪文を唱えている。面白いけど、……早く体を拭きたい。
ねぇねぇと東を揺らしていると、いきなりドアがガチャと空いた。お母さんが立っていた。お母さんがまぁという顔をしたが、直後に笑顔になり
「邪魔だったかしら?でもさ、これだけ聞かせて?何ラウンド目?」
と、獲物に食いつく勢いで聞いてきた。これに私は「え?」としか聴き返せなかった。すると、東が思い切り体を起こす。そして、お母さんの方を向き、反論する。
「ばか!してねぇよ!!」
「じゃあ、じゃあ、なんで椿ちゃんは裸なの?」
「し、しらねーよ!」
「椿ちゃん。気持ちよかった?」
気持ちよかった?えっと、東と寝るのは気持ちよかったけど。……これでいいんだよね?
「うん」
悩んだ末に、頷く。お母さんの顔が満面の笑顔でそうそうかと呟いた。
「えっうそ、お、俺やってねぇよな?おれやってねぇよな?」
「椿ちゃんがこう言うんだよ。女の記憶は正しいからね」
東の顔が見る見るうちに青ざめていく。あ。泡吹いて倒れた。
「あらあら、うちの子ったら、メンタル弱いわねぇ。わざとだったのに」
お母さんがふぅとため息しながら言い、私の方を見る。
「椿ちゃん、この様子だとやってないんでしょ?」
何を言っているのか分からない。私は「ん?」と聞き返した。
「なるほどね。予想はしてたけど、椿ちゃんは清純ね。ふふっ。やっぱりかわいいわぁ」
「あの。さ、寒いんだけど……。服、無い?」
汗が乾いて流石に寒くなってきたので、お母さんに聞いた。お母さんが、あっという顔になる。
「あら、そういえば、服が無いわね。その、椅子に掛っている東の服を着たらいいわ」
「うん」
私は、その服を取って着る。結構ぶかぶか。ちょっと、東のにおいがした。下着が無かったので、長袖Tシャツ一枚の状態になる。股がすーすーする。
「きゃあああ! かわいいいい! 服ぶかぶか幼女! 下着なし! キタコレ!」
お母さんが大きな声できゃーきゃーと喚きながら体をくねくねさせている。なんだか、気持ち悪い。
「流石に、その状態で外には出せないわね。狙われるわ! 私が今日、買ってくるね! ふふっ。何処のコスプレ店に行こうかしら。ふふふふ」
騒いでたと思いきや、いきなりにやけながらそう言ってきた。凄く目が輝いている。
「う、うん。なんだか分からないけど。うん」
「よっしゃ! 買いにいったるで! やっはー!」
お母さんはそういうと、さっそうと出て行った。でも、寒いのには変わりがない。……仕方ない。使っておこう。
私は手を前にかざす。すると、小さな魔方陣のような円の中に色々な記号が書いてあるものが出た。それで、私の体の表面から数ミリ単位で、周りの空気の性質を暖かくなるように変化する。過ごせなくはない温度になった。さて、お母さんが帰ってくるまで何しようかな。
私は周りを見渡す。興味を示すものがいっぱいあった。ちらっと東を見たが、まだ気絶している。とりあえず、東の隣に行き、揺さぶった。
「東ぁー起きてよー」
「おれはぁーおれはぁー」
起きない。凄くうなされながら気絶している。これは、しばらく起きない。仕方なく、私はリビングでテレビを見ておこうと思い、部屋を出た。時計を見ると9時を回っていた。




