表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
20/22

%20

「……い、いやだ」

私は首を振りながら大きめの声で言う。いつの間にか肩のナイフが消えていた。

「言っただろ?俺は、No.2045という『物』を壊す、と」

「っ」

自分でも目が見開いているのが分かる。なんで? なんで東はそんなことを言うの? 言わないよね? 私が『物』だなんて。

ぐっと食いしばる。心の底に手を入れられてくる感覚だった。

「しっかし、馬鹿だよな。勝手に追い出して勝手に死ぬとかよ」

東は家の方を見ながらそう呟く。東が誰に対して言っているのかが分かった。

「やめて」

何も考えず、そんな言葉を私は発した。これ以上、何かを言われるのは嫌だ。

それに東はにやりと笑い、私を見る。

「お前もお前で馬鹿だよ。とっとと逃げればいいのに、俺を探すなんてな」

「だって、会いたかったから!」

私は今までで一番素直な気持ちを言った。しかし、東はくつくつと笑いだす。

「くっくっ。あはははは!! 俺に会いたい? 笑わせるな。俺は会いたくなかったんだよ!」

「……」

言葉が出ない。何でそんなことを言うの? もう、これ以上言わないで!

「お前なんてな」

「やめてぇ!」

私は無意識に両耳を押さえながら叫び、しゃがみ込む。でも、東は平然とその言葉を発した。


「愛してなんていなかったんだよ」


ぷつん。

そんな音が聞こえた気がした。何かが切れる音だ。

頬に大量の涙が流れ、頭痛が走る。一番聞きたくなかったことを言われた。

「正直、うざったかったんだよな。べたべたしやがってさ」

ぷつん。

また、何かが切れた。

「あいつらもべたべた。もうやだやわ。いっそ死んでしまえって思ったわ」

ぷつん。

私は叫んでいた。

「なんで!? 何で出会ったときに拒絶をしなかったの!?」

「おもしろいからにきまってるだろ」

ぶちっ。

私はよろよろと立ちあがる。もう、許さない。東を……。

きっと東を睨む。それに東が憐れみながら笑った。

「ほらほら、俺はもう準備できてるんだ。かかってこいよ」

私はぐっと拳を握る。そして、構えながら叫ぶ。

「ああぁぁずうぅぅまあぁぁ!!」

自分に東に対する憎悪が出てきて、だんだんと大きくなってくるのがわかる。もう、嫌だった。

「つぅばぁきぃ!」

東も構えながら叫んだ。

間合いが近い。

「旋律。dual sword」

「旋律。bow」

同時に旋律を発動し、私は剣を両手に握りしめる。東の手には漆黒の弓が握られていた。

「しねぇ!」

その言葉と同時に、東は私に矢を撃ってきた。

私は地面を左に蹴る。

「っ!?」

がきっ。

しかし、矢は私の方へ軌道修正された。それを切り落とす。

着地をし、すぐに私は東へと踏み込んで近づく。

「てりゃあ!」

「sword!」

がきんと剣同士が合わさる。東の剣はやはり黒い。何だろう。

空いている左手で私は切りつける。

ぎっ。

黒い盾に防がれる。いつの間に作った!?

私は後ろに下がって間合いを取る。

私が肩で息をしているのと対照に東は平然としていた。

「そんなものか。もう、終わらせてやろう」

東がそう言うと、後ろに黒い壁がでてきた。

「はぁ、な、なにを」

やっと落ち着いてきた私は槍に切り替え、少し下がってそれを構える。

「ハチの巣にしてやるよ」

にやりと不気味に笑った東は両腕を広げた。

「さぁ、殺れ」

「っ!!」

その言葉と同時に、後ろの壁から先が尖った黒い棒みたいなものが沢山生え、私に襲ってきた。

まず私は体をひねり、それを避け。次に跳ねあげる。

「はっ。ぐっ」

がちっ槍で一つ宙で切り落とし、着地すると同時に襲ってきたそれを切り伏せた。

体を後ろに跳ねる。しかし、背後には黒い壁があり、衝突をして、地面に落ちた。

「がっ!? くっ」

私はその壁を背に追いつめられた。黒いそれがいっぱい私に襲いかかってくる。

「shield!!」

最大の力で自分の前に大きな盾を張った。

がぎっがきゃんがちん。

黒い棒は、張った盾の軌道に沿って逸れる。

音が絶えずに盾から聞こえた。

「はぁ、はぁ、はぁ」

だんだんと体力が消耗する。

やばい。非常に危ない。

盾の周りは黒一色になっていて、何が起きているのかが分からない。

めきっ。

そんな音が聞こえた。

「っ!?」

棒の一つが盾に突き刺さる。もう一本、さらに二本と。

「ははは……」

もう、ダメなのが分かってきた。笑うしかできない。

もう一度、『愛してる』って言われたかったなぁ。

私は目を瞑った。

しかし、なぜかだんだんと、自分の意識が削れてくる。

なにこれ。

何故か分からない。けど、自我が失われていく感覚。

……そうだ、知っている。あの時の感覚。

ドスリ。

おなかに痛みが走る。とてつもない痛みだった。

「がっ!!」

その時と同時にぶつんと意識が飛んだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ