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私は女性の異端者と戦った場所まで引き返してきた。

戦いの跡がそのまま残っている。あの女性はいない。

ここで、私と東は分かれた。それで……。また、じわっと目に涙が溜まってくる。

私はその涙を拭い、歯を食いしばる。泣いてちゃいられない。

ぐるっとその場で回り、景色を左へと流す。そういえば、私が気絶する前には無かった傷が多い。それに、あの女性の反応。あれは、一体何だったのだろうか。

そんなことは置いといて、とりあえず、私は狭い路地裏に移動した。そして、女性に見つかった場所で立ち止まる。

大通に背を向け、その路地の左右を見る。そういえばまだ、女性が現れた後ろの奥に行ったことが無い。

私は奥に足を運ぶ。

かつかつと私の足音が鳴る。周りに音が無いせいで余計にその音が反響した。その反響で、私の気持ちが焦り出す。東……何処っ?

かつかつかつかつ。とても長く感じられた。もしかしたら、ほんの短時間のことなのかもしれない。

少し開けた場所に出た。

「っ!?」

二度目の遭遇なのに慣れなく、驚いてしまい目を背けた。一瞬だったので分かったのは、目の前に『肉』が落ちていた。壁にはドス黒い血の跡、それに張り付く『肉片』。

私は、もう一度、それを見た。

その『肉』を中心に、赤いものが広がり、その赤いものがそこらじゅうに張り付いている。

しかし、頭部であろうものだけ綺麗に残っていた。

それで、その肉が何かが分かる。

……あの女性だった。

「っ」

言葉が詰まる。誰にやられた? もしかして、他の異端者? もし、その人たちに東が狙われたら?

「かわいそうな人」

「!?」

後ろからの突然の声に、私は体を跳ねあげさせながら振り向く。一人の少女が立っていた。いつから居た? 何故気付かなかった?

「その子も生きたかった。でも、殺された」

「だ、だれに……?」

その少女は紺色の長髪で、瞳も紺。前髪と後ろ髪の先端が綺麗に切りそろえられていた。

「さぁ、誰だろうね。あなたのよく知っている人物でもあるし、でもよく知らない人物」

問題を出すように答えられる。

口元が少し歪む。私は警戒した。

「大丈夫よ、私は傍観者。戦いには参加しない」

少女はそう言って、私を通り過ぎ、その肉の前に立つ。

「あなたは?」

私はその少女が不思議で仕方無かった。すると、私に振り向き、じっと見つめてきた。よく見ると、その目に光が無かった。

「それは、今は知らなくていい」

少女がそういうなり、突然少女の頭上に旋律の陣が出た。

その旋律は少女を飲み込むように降りる。

「ちょっ!」

「また、何時か会いましょ。2045もとい椿」

そういう言葉を残して、少女が消える。目の前には肉しか残っていなかった。

何だったのだろうか。一瞬の出来事で処理が追い付いていない。

でも、分かったのは、さっきの少女も異端者。

それよりも先に、東を探さないと。

私はその肉に目を向けず、さらに奥へと向かった。

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