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私は目の前の女性に対して構える。
「旋律、sword」
そう呟き、空気の剣を作る。彼女は一つ、頭の上に大きな液体の塊を作った。
私は剣をぐっと握りしめる。そういえば、圧力と言っていたっけ。一応念のため、私の体の周りの空気の圧力を、一定に保つようにしておく。
「さぁ、ぎたぎたにやられなさい。悲鳴が好きなのよ。私は」
彼女がそういうと、塊から、数本の槍みたいなものが少しづつはみ出てきた。
そして、その槍たちが、私目掛けて飛んできた!
私は飛んできた槍を剣ではじき落とす。まず一本目。
「っとぅ」
次の槍は足に飛んできたので、私は体を跳ねあげ、それを避ける。
さらに、分かっていたかのように、跳ねあげた体に目掛けて、二本の槍が飛んできた。
「っく!sword!」
私は速攻でもう一本の剣を生成し、二本とも叩き落とす。剣は空気なので重さ的な負担は無い。
「っ!?」
着地すると、最後の一本の槍が私の目の前まで来ていた。
体を無理に捻り、それを避ける。案の定もつれて左にこけた。
「防御ばっかしだと、イケないと思うよぉ」
私は体を起こしながら彼女を見る。彼女は腕を組み、平然と笑っていた。
「旋律、gun」
両手の剣を拳銃に変える。私は立ち上がって、彼女を中心に反時計回りになるように走った。
「だからぁ、にげてもぉ」
「ぉりゃぁ!」
私は二丁の拳銃で、彼女目掛けて撃つ。
「っ!?」
音が無かったが、彼女は私が何をしたのかが分かったようだ、彼女の前に液体の盾が出来る。そこに空気の銃弾が埋まった。しかし、彼女自身は驚いていた。
「なるほどねぇ、遠距離もできるのね」
彼女はそう呟き、今度は、銃弾ぐらいの大きさの液体を、私目掛けて飛ばしてきた。
私は突然の攻撃にも屈指ずに、彼女を中心に反時計回りに駆け抜ける。
液体の銃弾は私の後ろを通りぬけていく。
「てぃあ!」
もう一回撃つ。合わせて10発ぐらい。しかし、盾に守られる。
彼女の銃弾が止んだ。
私は、ぐっと、足にブレーキをかけ、立ち止まる。
彼女は口元をぎっとゆがめていた。
「何で死んでくれないの!?」
「生きたいからだよ!」
即答した。もう、体力が少ない。次が最後かもしれない。
「旋律、long lance、short lance」
私は、槍をそれぞれ右と左で握る。
「空気の旋律は自由度が高くていいわね」
女性もその後、旋律と言い、液体の玉をパッと見、数10個作って宙に浮かした。
私の旋律は自由に何でも出来ても、同時に二つしかできない。
私は、長槍、短槍をぐっと握りしめて構えた。くる!
「行きなさい」
女性がそういうと、液体たちは私に向かって飛んでくる。
一つ目。私は長槍で切り伏せる。切った手応えが鉄だった。
二つ目は体をひねり、避ける。その液体は地面にぶつかるなり、がこんと音を立ててめり込んだ。当たったら間違いなく死ぬ。
私は次々と迫りくる液体たちをどんどん切り伏せる。無理なものは避けた。
体を屈める。すぐ上を玉が通った。そして、体を跳ねあげ、飛んできたた玉を切る。キリがない。もうすでに、30は切っている。
チラッと女性の方を見る。女性の後ろでは、玉がどんどん生成されている。キリがないわけだ。
着地した私は、短槍と長槍をしまい、すぐに長剣を作った。それで玉を切り伏せる。
そして、地面を蹴り、一気に間合いを詰めようとした。
ドゴッ
そんな音がした。痛い。何故痛い? どこが痛い?
「がっ!?」
そんな声が出た。
背中が痛い。後ろからやられた。いったい誰?
跳躍していた私は地面を転がる。今まで私の居た所に玉があった。そして、切り伏せていた玉が、復活している。早くに気付くべきだった。
「あら? 終わり? なら、死ねっ!」
女性はそう言いながら、無数の玉を私に向けて発射する。
私は起き上がった。玉が目の前までに迫る。非常にやばい。
私の旋律は同時に二つしか出せない。その量を超えている。
もう、死んでしまうのかな。ふと、そう思った。
東、ごめん。私はそう呟いたのか分からない声で言い、目を瞑った。
私は目を覚ます。あれ、生きてる。
体を起こすと、さっきの大通だった。だけど、そこらじゅうにめり込んだ跡やらがある。
さっきの女性は傷だらけで私のすぐ隣で倒れていた。まだ生きている。何で傷だらけ?
私は、女性の体を揺らす。女性は起きるなり、私を見て、恐怖でいっぱいになった情けない顔になり、私から遠ざかる。
「あ、悪魔!!」
女性はそう叫び、立ち上がったが、すぐ転んだ。私も立ち上がる。体中がきしむ。そして、女性に近づいた。
「ひぃっ!く、くるなぁ!」
女性はじりじりと地面を這いつくばりながら、私から離れようとする。
そして、泡を吹いて気絶した。
「何だったんだろう。……ほっといて大丈夫だよね?」
私は独りでにそう呟いて、きしむ体に鞭を打ち、集合場所へと向かった。




