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だれか俺を殺しておくれ!!生きてたいんだ。

作者: 夢飾


夢がない、と言えば嘘になる。しかし夢がある、と言えば嘘になる。

そんな矛盾した世界の中間点で私はたゆたっている。


ある時ふと、心に灯火がともる。

それが今まで私が探し求めてきた「夢」だと感じる。

その「夢」のために精一杯、頑張ろうと思える。そこに原動力が芽生える。

しかし、既に夜も遅いので、ここらで一つ眠りに落ちて、明日こそはと「夢」を胸いっぱいにする。

けれども朝に起きればその光はとうの昔に失っていて、何も感じない。

強いて言うなら憂鬱。「ああ、またか。」と。


時を経るごとに身体が錆びつき、心が錆つき。

なぜだかともった灯火はどこかにぽいっと。

そうして怠惰にのまれていって、自己嫌悪のループに落ちていく。


そんな日々を繰り返している。




私はどこに向かうのか。

このままじゃだめだ。このままじゃだめだ。

何がだめなんだ。

ああダメ人間だ。ダメ人間。

絶望の涙を落とす。


どこにも向かえない。

前に進めない。

前ってどこなのさ。

巡っている。私はどこにいる。どこに向かっている。

まるで空洞の私が空中に浮かんでいるようだ。


ああ、ああっ、ああッ!!

胸にポッカリと空いた嫌悪に、怠惰と絶望がごうごうと流れ込んでいる。



私には何があるのか。何が残っているのか。

多くのものを失った。  多くのものを得た。

だが、そこにあるのは虚しさだけだ。


ああ、ああ。

私はどこにいった。  ここにいるのは誰だ。

何者でもなくなった透明で空洞な私が浮かんでいる。


過去が私を妬んでいる。

 何もないと叫んで踊り狂う私に。

未来が責めている。

 どこにも行けないと走り回る私に。


絶望だ。絶望

どこに救いがあるのか。救いに頼ることは救いなのか。


吐き気がする。全てに対して吐き気がする。

何もかも無くなればいい。

何もかも私の手元にあればいい。

何もかも私から遠いとこにあればいい。


ああ......ああ.......ああ.........。


吐き気がする。私にも、世界にも

 愛してほしい。愛していたいから。

 愛さないでほしい。愛する資格なんてないから。


消えていく。消えていくよ私が。

どこにもいない私が消えていくよ。


助けてくれ。誰か。  誰かに助けられるなんて吐き気がする。

私と他者。  永遠に結ばれない夫婦。

それは生来決まっていた運命。


逃げられない。逃げたくない。逃げたいのに、私がどこにもいない。




誰にも言えない私の秘密を、今ここに隠そう。

それが、その涙と罰が、たった一つの私の証し。


私は愛し、愛されていた。

しかし、それを裏切った。  後悔した。


これで終わり。

なんてことはない。誰かが笑い飛ばしてしまうような、そんなものだ。


しかし、これが深い傷になった。

私は私でいられなくなった。

正義は崩壊した。


私は罪という名を被っていた。


その中で、その中で私は、泥にまみれながら光に向かう姿を美徳とした。

けれど錆びついた心じゃ何もできない。


そう、何もできないんだ。

動きたい。夢がある。理想がある。叶えたい世界がある。


だけど!!

そこに正しさがない。 いや、絶対的な正しさなど、どこを探しても見つかりはしない。

だから全世界に私の理想を押しつけるのか?

そんなの気持ち悪いよ。


ああ、気持ち悪い。吐き気がする。

今日もどこかで、顔も名前もしらない、どこの誰ともしれない誰かが、世界の中を蠢いていて、私には受け入れられない考え方をして生きている。

その側にたたずむ私も気持ち悪い。


誰かにとっての正義は、誰かにとっての悪。

誰かにとっての悪は、誰かにとっての正義。


その正義と悪のメリーゴーランドに、私の嫌悪はどこにも行けずに乗っかっている。


「話せばわかる」


ああ、わかるだろう。真心さえあれば。


しかし、しかしだ!!

そんな真人間はどこにいる?

百歩譲ってこの世に真人間がいたとして、全人類がそんな人間か?

そんな世界、気持ち悪いよ。


だから、誰かにとっての正義は、私にとっての嫌悪感。

どこにも行けず、彷徨っている。


ああ、ああ、ああ......。

気持ち悪い、気持ち悪い、気持ち悪い....。


嫌悪を超えて笑い会える日々が来るのか?

嫌悪を抱えて前進できる日々が来るのか?


ああ、ああ、ああ、.......。


だから私の夢はのまれてく。嫌悪の中に、ごうごうと


ああ、喉を掻きむしって、この絶望を表現しようか。

ああ、枯れ果てた声で、この悲愴を表現しようか。

ああ、この嫌悪感だけはどこにも行かずに、絶望と悲愴を引き連れて歩く。

そうして私の首に冷たいじっとりとした輪をかけていく。


気持ち悪い気持気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪いち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い



ああ.....ああ.......ああ.........。

この世で最も気持ち悪いのは俺だ。



....。

だれか俺を殺しておくれ!!生きてたいんだ。

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だから全世界に私の理想を押しつけるのか? そんなの気持ち悪いよ。 こことか、すごく好きです。
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