『嗤いマウス』140字小説
大穴が眼前に広がっていた。底には、ピンクの縄跳び、賞状、ゲーム機、あの日の思い出が輝いていた。一歩踏み出すと、足、体、と闇に呑まれ、続いて衝撃が身を穿った。小さな空が私を覗いている。身を起こすが、そこにあったのは色褪せたガラクタだった。価値を無くした空虚。闇が私を祝福している。
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「嗤いマウス」のマウスは「口」と「鼠」でかけてます。「口」はそのまま大穴を口と見立てていて、「鼠」はおむすびころりんの童話からきています。おじいさんが欲望のままに大きい宝物を持ち帰ったものの、中身はゴミだらけだった、という状況が若干共通していたので。それを嘲笑う鼠ということで。
「嗤います」とも語感が似ているので気に入ってます。