第71話 私とロンの冒険旅行その2
毎日18時に投稿します。お読みいただければ幸いです。
私とロバートはロンディニウムに着きました。ロンディニウムは川をさかのぼったところにある港町の名前で、ローマが支配している街です。
ロンディニウムは、本来は町の名前です。ここは島になっており、大ブリテン島と小ブリテン島の二つの島からなっています。その大ブリテン島の最南部にロンディニウムがあり、大ブリテン島の南部はローマの同盟地域となっています。
それ以外の地域は、完全に未知の土地です。
私たちの目的は、この島の観光と、北部の状況把握が目的です。
一応仕事もしないと後で、キャサリン姉さんたちにめちゃくちゃ怒られますからね。
ロンディニウムに着くと、とりあえず、町の観光…もとい状況把握です。
船の積み荷はここの商業ギルド経由で、売却されるそうです。
ちなみに私たちが出資した分の積み荷はすべて時空魔法で収納しています。一応、商人ですから、商売の風を装う必要がありますからね。そのための商品です。
町は結構閑散としています。食堂に入り、店員のおっさんに聞くと、どうもスエズ運河の開通で東方貿易が盛んになったせいで、利潤の少ないロンディニウムとの交易船が減っているようです。
まあ、商人だったら、危険性が同じだったら、利潤のある方を選びますよね。
だからロンディニウム行の交易船がなかなか出なかったのか、と理解できました。
ロンディニウムを一通り見て歩いていくうちに、交易船の船長と一人のおっさんが私たちに声をかけてきました。
そのおっさん、ロンディニウムの商業ギルドの所長らしく、私たちが持ってきた商品をギルドに売却するよう求めてきました。
このところ、交易船が減ってきて、商品がなかなか手に入らない。今回久しぶりに来たと思ったら、商品が通常の1割しかなかった。
船長に確認したところ、船の出資はあなたたちが9割したということを知らされ、さらに商品はギルドに卸さず、自分で持っていってしまったとのことで、それで探して追っかけてきたとのことだ。
ギルド長曰く、この街では商品は必ずギルドを通すことになっており、個人での売却は許されないと言っていた。
私たちがこの商品は町の外で売るつもりだと言ったらびっくりして、外は大変治安が悪い。町のすぐ外には盗賊がおり、また、その外側にはケルトと呼ばれる民が部族ごとに割拠していて、大変危険であること。
ケルト人はかなり戦闘的で、彼らの気分を損ねると殺しにかかってくることを教えられた。
大丈夫だと言って、立ち去ろうとすると、今度は泣きすがってきて少しだけでいいから売ってほしい。お願いだと、懇願されました。
暴力で襲ってくるとか、上から命じてくる奴は叩きのめすか処分するのですが、大の大人が泣いてすがってきたら、さすがに良心が痛みます。
やむなく、持ってきた商品の三分の一を譲ってあげることにしました。
ギルド長は泣いて喜んで、売却料金に少し色を付けてくれました。
また、もし追加で売却したくなったらいつでも引き受けると言っていました。
さて、ロンディニウムにて一泊した早朝、いよいよ出発です。ロンディニウム城壁の外に出て、しばらくするとすぐに盗賊に襲われました。5人組の盗賊です。
「おい、お前ら持っている有り金、商品全部出せば命は助けてやるぞ」リーダーらしき男が言いました。
「あの男、賞金首だそうだ。生かしてとらえると、賞金が上がるらしいぞ」とロバートは言いました。
私はロバートに目配せして、火魔法で極小の火弾を作り、発射しました。火弾は地面ぎりぎりを通ってリーダーらしき男以外の盆のくぼから入り、脳幹にいたり破裂させました。
当然全員即死です。
「おい、聞いているのか。俺のことを無視するとはよっぽど死にたいらしいな。おい、やっちまえ」リーダーらしき男は部下たちに命じました。誰も反応しません。
「おい、お前ら」怒鳴りつけましたが、4人はバタバタと倒れていきました。
びっくりした男は「てめえ何した!」と言ってこちらに来ようとしましたが、そのまま転倒しました。なぜなら土魔法で足元をこっそり固めておいたからです。
「やい、てめえ離せ」とかわめいていましたが、とりあえず身ぐるみはぎましょう。
死体の四人は簡単に剥ぎ取りましたが、生きている奴はゴーレムを出して抑えさせて身ぐるみはぎました。
そのあと両手を縛り、再び町に入りました。門番にどこで金に換えてくれるか聞いたところ、警察署か、冒険者ギルドで引き取ってくれるけど、生きているなら冒険者ギルドの方が高く引き取ってくれるそうです。
門番にお礼をした後、冒険者ギルドに連れて行きました。盗賊が素直に歩かないので、ゴーレムに担がせて冒険者ギルドに運びました。
受付のおっさんに賞金首を連れてきた旨言うと、顔を検分してから賞金をくれました。確かに一割ほど高めです。
どうしてなのか聞いたところ、「こいつら賞金首は間違いなく死刑だからな。警察署だと生死にかかわらず金額は同じだ。だけど、生きているならいろいろ使い道があるからな。その分上乗せしているわけよ」と言いました。
どう使うのか聞いたところ、「この町は男ばかりで女がいないからな。まあ、危険な場所だから仕方ないが、そうするといろいろ大変なわけよ。だからこいつみたいなのをそういうところで働かせて、死ぬか使い物にならないくらい壊れてから警察署にもっていくわけ。あっ、働かせる前にいろいろ処置はするけどな。なんせ賞金首になるほど危険な奴だ。そのままだとまずいからな」と言ってニヤリとしました。
「お前さんらも溜まったら、娼館に行ってみな。みんな処置済みだ。すっきりさせないと仕事にも支障が出るからな」と笑って言っていました。
怖いもの見たさで娼館に行ってみました。いる娼婦は男ばかりでしたが、確かに処置してあって危険はないようです。しかし、あまりの恐怖に私とロバートはさっさと逃げ出しました。話には聞いたことがありましたが、人体にああいう措置をするとは。
人間って恐ろしい。
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