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閉話26 王宮内のドタバタ

もう3話追加で投稿します。お読みいただければ幸いです。

 ローマ王宮は大変な騒動だった。皇帝と副皇帝がともに姿を消してしまったからだ。

 政務自体はルート宰相、フット副宰相、キャサリン副宰相の3人体制で、問題なくこなせているが、問題はローマ皇帝の許可が必要な案件だ。

 とりあえず副皇帝代理としてカリオス王国のソフィア女王を拉致監禁……政務にご協力頂いて、ローマ皇帝に成り代わって書類にサインをいただいている。


 「もう許して、お願い」ソフィア女王の弱弱しい声が執務室内にした。だが、同室にいる事務官達は誰も気にせず、自分の業務に没頭していた。

 「どうしましたか」お付きのメイド(フライ家から派遣)が訪ねた。

 「サインの書きすぎで腕が痛いの。あと座りっぱなしで腰が痛いの」

 メイドは後方に控えている治癒魔法使に目配せし、治癒魔法をかけさせた。

 「これでもう痛くありません。執務をお続けください」

 「疲れたの。休ませて。お願いだから少しでいいから眠らせて」

 メイドは薬箱を抱えたメイド(やはりフライ家から派遣)に目配せした。そのメイドは薬箱の中から毒々しく緑色に濁った薬を出した。

 「さあこれをお飲みください」

 「いや、いや、やめて、それすごくまずいの。もう飲みたくないの」逃げようとするソフィア女王を側に控えていた女性兵士たち(これもフライ家から派遣)が押さえつけ、無理やり薬を飲ませた。

 「げほげほげほ」

 「これでもう大丈夫です。この薬は、エクストラハイポーション、一本飲めば丸一日不眠不休で働けます。さあ、頑張って書類を終わりにしましょう」メイドは優しく声をかけた。

 「いつ終わるの?」ソフィア女王は涙声で尋ねた。

 「この未決裁箱にある書類がすべて片付いたらです」

 その時、書記官が山のような書類を未決裁の箱に入れた。

 ソフィア女王は、涙目でメイドを見た。

 メイドはその目を無視していった。「さあ、頑張りましょう」

 「もうやだ」逃げようとするソフィア女王を兵士たちは捕まえ、無理やり椅子に座らせた。

 「さあ、泣きごとを言っている間に少しでも終わらせませんと一生終わりませんよ」

 「じゃせめて、服を着替えて体を拭かせて。5日も代えていないの」

 「人間少し位の汚れでは死にません。さあ、仕事をしてください」そう言って、薬箱を持ったメイドにもう一本薬を持ってこさせた。

 「これを飲めば元気になります。さあ」と言って、女兵士たちは体を押さえつけさせて、無理やり薬を飲ませた。「やめて、お願い、許し……」ソフィア女王は抵抗したが、兵士たちの力には勝てず、薬を飲まされた。

 ソフィア上の目はトローンとした目に代わり、無言で仕事を始めた。

 メイドたちはやっと落ち着いたソフィア女王に安堵しながら、自分の仕事に戻った。


 キャサリンを除くロバートとバースの妻たちは、二人が家出した件で相談をしていた。

 ジェミニが口火を切った。「二人ともロンディニウムへ行ったみたい。フットやブルネットのもとに手紙が来たそうよ」

 マリアンヌは考えこみ、「ロンディニウムか。あそこはローマの支配が及ばない土地だからな。南部は同盟を結んでいるが、それも友好関係を確認したに過ぎないし、バースたちを捕まえるのに役には立たないわね」と言った。

 「まあ、しばらく自由にさせてあげたらいいんじゃない。二人とも溜まっているのよ。手紙だとロンディニウムを旅したら帰るって書いてあるしね」ジェーンは言った。

 「私も賛成、ロンの自由にさせてあげたらいいんじゃない。そのうち帰ってくるよ。バードもいるから危険はないだろうし」ミーアも賛成した。

 「預言者様と一緒にいるなら何の問題もないと思います」アーリアも言った。

 「わらわも旦那様の気のすむようにさせてあげるのが、一番だと思うぞ」余余二姫は特に問題ないだろうとばかりに言った。

 「私も行きたかった。旦那様ずるい」ミリアは脹れていた。

 「そんなのだめに決まっているでしょう!」ジェミニが大声で主張した。

 「お兄ちゃん成分が不足しているの。もう一週間近く摂取できてないのよ。絶対に捕まえるわ」

 その剣幕に皆は黙ってしまった。そのときミリアの中にいるザキーヤが言った。

 「じゃあ追っかければいいじゃない。私もふらふらどこかへ行ってしまう預言者様を追っかけてあちこち飛び回ったものだったわ」

 ジェミニはキッと、ミリアを見て「それだ!」と言った。

 「私、お兄ちゃんを探しに行くから。あとよろしく」ジェミニは飛び出そうとしたところで、ミリアに服をつかまれた。

 「私も行きたい」「私も行くわ。面白そうだもの」ミリアとザキーヤは言った。

 ジェミニは少し考えた後、「じゃ、一緒に行くわよ。用意しなさい」そう言って飛び出した。

 ミリアも部屋から出て行った。

 他のみんなはこの展開にポカーンとしていたが、まあいいかとお茶会を始めた。


 二人が出て行った後、このことを知ったキャサリンは、「何考えているの!」と怒り狂ったそうだ。

 まあ、グランド族対応の責任者と情報部長が一緒にいなくなったのだから、怒るのも無理はない。

グランド族の対応はジェーンが代理を務めれば何とかなるが、情報部はジェミニがいないとまとまらない。とりあえず、宰相、副宰相で情報部から上がってきた情報を検討して、その判断に決裁をもらう形で当面処理することとなった。

 結果、宰相たちの業務量が増大したのと一緒に、ソフィア女王の決裁すべき書類が増えた


 今日もソフィア女王の助けを呼ぶ声が執務室からしている。すでに泣き声ではなく、狂ったような笑い声とともに。


お読みいただきありがとうございました。もし少しでも気になりましたら星かブックマークをいただければ大変ありがたいです。

星一ついただければ大変感謝です。ブックマークをいただけたら大大感謝です。ぜひとも評価お願いいたします。


筆が乗ったので、あまりよく見直ししていないのですが、もう3話投稿します。

感想をいただける方がいて、すごくうれしくて、いい気になって書いてしまいました。

読者の皆さんには感謝感謝です。

返信は、本業の仕事もあり、少し遅れることもありますが、なるだけ早くお返ししたいと思っています。

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