閉話25 続・預言者の降臨
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皇太子が無事に約束を取り付け、預言者と名乗るバース・アントを連れてくることとなった。一緒に妻の一人であるミリア・グラントが来ることになった。
二人が皇太子の案内で、ペルセポリスにやってきたとき、王と重臣たち、そして宗教関係者たちは大変緊張していた。
王と一部の宗教関係者がバース・アントの顔を見た時、内心大変驚いた。なんと絵画に描かれている預言者の顔にそっくりだったからだ。
動揺を隠しつつ、大神殿に案内した。ここはイム教メシア派の総本山というべき場所で、アケメネス様とザキーヤ様の二人が異教徒の神殿を改修して作った場所である。
この大神殿、および大神殿の左右にザキーヤ様とアケメネス様の墓所があるが、この存在は一部の者しか知らされていなかったし、そもそもこの聖域への立ち入りは儀式の際しか許されていなかった。
大神殿に案内使用した時、バース・アントの妻ミリアがふらふらとザキーヤ様の墓所に入っていった。鍵がかけられていたはずの墓所の入り口はなぜか開いており、その中でミリア殿が気絶してしまった。
儀式は一旦中止し、急いで部屋を用意し、寝かしつけるとともに、国一番の医師に診てもらった。
特に異常はなく、たんに寝ているだけとのことだった。原因は不明だが、神気に充てられたのだろうか。
翌日、元気になった二人を再び案内して、大神殿に向かったが、彼らは預言者様とザキーヤ様が来ていた当時の服を着て、進んでいった。そして大神殿に入ると、巨大な神の言葉が描かれた石碑をよけ、奥の壁にある凹みに対して祈りをささげた。
何も知らなければ、前にある石碑に祈りをささげたはずだが、それを無視し、本来拝むべき場所にて祈りをささげたことに驚いた。
その時、なんということか、その聖なる場所の右側をたたいたではないか。やはり預言者というのはうそだったのか、そう思い、急いでしてやめさせようとした時、その場所が開いた。
そこには装飾品と一枚の羊皮紙を置かれていた。
すぐにそれらの物を確認したが、装飾品はザキーヤ様が預言者様から下賜されたもので、神の知恵を知る者の印として記録にある物で、所在が不明になっていたものだ。
もう一枚の羊皮紙には、アケメネス様直筆の文書で、「この場所は預言者様が再来した時のあかしを立てる場所として用意した。われの言葉を疑うべからず」という趣旨のことが書かれていた。
更にそこには預言者としての証を伝える言葉として「われは言葉を伝えるもの。神でも神の使者でもなく、単に言葉を伝える者である」というと書かれていた。
我々が驚きのあまり動けず、声も出せない状態であった。その時である。
「われは言葉を伝えるもの。神でも神の使者でもなく、単に言葉を伝える者である。弟子のアスと妻ザキーヤの導きにより、この地にやってくることができた。アスはとてもよく我が言葉を理解し、我が意を忠実に再現した。この功に報い、代行者と呼ぶことを許そう」とバース・アント様は発言された。
裏切り者、異端者と言われたアケメネス様が代行者と呼ぶ許しを得た。代行者とは、預言者の意をくみ、そのすべてを神にささげた者に賜る最高の称号である。
我々メシア派は異端ではなくなったということだ。
もう、疑う余地は一つもない。預言者様は再来されたのだ。この預言者様の行動は、あっという間に大神殿とその周囲にいるものに伝わった。
我々はひれ伏した。ただ、ひれ伏した。
預言者様は最後にこう言われた。
「われは秘すべし。神に従い、そしてアスの導きを忠実に守るべし」
思わず我らは、神をたたえる言葉を告白した。
大変なことをしてしまった。この国では王はあくまで預言者の代理人にすぎず、メシア派を統括するものという意味で、ラフバルと言われている。
アケメネス様の導きでは、預言者様が再来した時、その旗下にはせ参じ、預言者様を害するものを打ち払わなくてはならないことになっていたのに、何もしなかったわれわれは、いかなる罰を受けるべきであろうか。
我々は、預言者様にひれ伏し、罰を与えてくれるよう懇願した。
しかし、預言者様は、われを秘すべしという指示に従ったまでであり、何ら罰するに値しないと言ってくれた。
預言者様はふたたび現れた。このことは二つに分かれていたイム教の教えが再び交わったことを示す。
私は考えた。再来派との協議が必要だ。そして預言者様のもと、正しき信仰に立ち戻るのだ。
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