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第68話 エラムへの訪問

毎日18時に投稿します。お読みいただければ幸いです。

 我々ローマ連邦の返答使一同は船に乗って一路エラムへと向かいました。エラムの皇太子であるアイハムはいろいろ世話を焼いてくれました。


 私とミリアの二人で旅をするのは久しぶりです。何となく新婚時代を思い出しながら、仲良く船旅を楽しんでいました。ちなみに子供たちは、乳母に預けてあります。子づれの旅行もしたいのですが、今回の旅は危険もあります。最悪の場合、ミリアだけ助けるつもりで家臣たちには抵抗せずに捕虜になるよう伝えてあります。


 2か月後、船はエラムの港にたどり着きそのままペルセポリスに移動しました。

 ペルセポリスは大きな町で、どちらかと言えば葬祭や儀礼をおこなうための人工都市でした。


 その町に入り、私とミリアが大神殿に案内されていると、突然ミリアがふらふらと左の小さな庵のように建物に行こうとしました。何だろうと思いながら、私も後を追っていくと、そこはお墓でした。何故かお墓の門が空き、ミリアはそこに入っていってしまいました。私もそれを追いかけて入ったところ、墓所の真ん中でミリアは倒れていました。

 急いで人を呼び、客室のベットに寝かせ、医者に診てもらいました。特に異常がなく、寝ているだけとの診断だったが、とりあえず治癒魔法をかけておきました。


 歓迎の儀式は一旦中止し、私はミリアの様子を見ることとしました。

 二人きりになると、突然ミリアは目を覚まし、私の唇を奪ってきました。

 まあ、夫婦なんだし、少し驚いたがそのまま受け入れました。

 「ああ、久しぶりの男の味」そう言ってニヤリと笑いました。


 その顔に違和感を感じた私は思わず「お前誰だ」と聞いてしまいました。

 「ああ、初めましてだね。わらわの名はザキーヤ。預言者様の第2夫人さ」

 「ちっと待て、ザキーヤってもう1000年以上前の人物じゃないか。人をからかうのもいい加減にしろ」

 「いや~この子と魂の相性がすごくよかったので、つい入りこんでしまったんだ。この子カルタゴの血を引いているのかな。わらわはカルタゴ人だからな」

 「カルタゴ?」

 「そう、南にある大陸の大海の側に栄えた民族だよ。もう1000年以上前の話だね」

 「ケメトの西にある土地かい?」

 「ケメト?ああ東の奴らか。そうだよ。カルタゴはあいつらに滅ぼされたんだ。それでカルタゴの民は北の大地に逃れたと聞いたのだが、そのあとのことは知らないんだ」


 どうもグランド族の祖先らしい。それならばミリアがカルタゴの血を話引いているのも納得です。

 「あんた誰だい。というか、私の旦那の預言者によく似ているね。北の大地から来たのかい」

 「ああ、私はローマ、昔のロマーンから来たバース・アントというものだ」

 「アント?旦那の名前はアンドゥだったよ。似ているね」

といって、屈託なく笑いました。

 それからお互いにいろいろ情報交換を行いました。


 ザキーヤは、預言者の死後正妻だったパシーラに謀殺されかけて、アケメネスを頼って逃げてきたらしい。実際、他の妻は子供と一緒に皆殺しにされたようです。

 ザキーヤは子がなかったのと、教義的に異端とされたアケメネスのもとに走ったので、見逃されたのではないかと言っていました。


 此方の事情も話しました。どうも預言者の再来と勘違いされてしまい、ここに呼ばれたのもそれを確認するためのようだということ、実際は預言者でも何でもなく、単なる一般人であることを伝えました。

 まあ、偽預言者であることが例えバレても、特に問題ないことを伝えると、ザキーヤは面白そうに話を聞いた後、「面白そうだから預言者気分を味わってみない。手伝ってあげる」と笑って言いました。


 そして、人を呼んで、何か指示しました。それが終わると、私ににじり寄ってきました。「さて、千何百年ぶりの男を味わうかね」と言って抱き着いてきました。

 「待ってください。あなた夫がいるじゃないですか。浮気はまずいでしょう」

 「この体の夫はあなた、妻が夫に抱かれるのは、イムの教えでも全く問題ないから。それにあんた旦那によく似ているし。久しぶりに夫婦の語らいがしたいじゃないか」と言って襲い掛かってきました。


 翌日、ザキーヤが命じて作らせた服を着て皆の前に立った。ちなみにザキーヤとミリアですが、一つの肉体で共存しており、頭の中で会話して仲良くなっているようです。

 その服装は1000年以上前の服装で預言者が来ていたものです。

 私たちは二人で、大神殿に向かいました。案内してくれるイム教の指導者が我々の姿を見てびっくりしたものの、なんとか取り繕って、我々の前を先導していました。

 神殿に入ると、正面の壁がくぼんだ所に祈りをささげ、その右側の壁をたたきました。

 案内してくれている指導者はピックリしてやめさせようとしたが、たたいたところがぱっくりと開いて中から装飾品と羊皮紙の文書が出てきました。


 その場に居合わせた指導者たちはびっくり、直ちに学者が呼ばれ中身が確認されました。

 それはザキーヤの持っていた装飾品とアケメネスからの手紙でした。

 この国にとって、国宝ともいうべきものでした。


 その時、私はザキーヤに促されるままに言葉を発しました。

 「われは言葉を伝えるもの。神でも神の使者でもなく、単に言葉を伝える者である。弟子のアスと妻ザキーヤの導きにより、この地にやってくることができた。アスはとてもよく我が言葉を理解し、我が意を忠実に再現した。この功に報い、代行者と呼ぶことを許そう」


 その時、王都宗教指導者たち全員がひれ伏した。中には涙する者もいた。

 「われは秘すべし。神に従い、そしてアスの導きを忠実に守るべし」

 そう言って大神殿から出ました。

 大神殿の外には、多くの王国幹部と宗教関係者がおりましたが、すでに大神殿での話が伝わっているらしく、全員がひれ伏していました。


 「これでよかったのかな」

 「完璧よ」「完璧です」ザキーヤとミリアは言いました。


 大神殿から出ると、貴賓室に通されました。

 王と宗教指導者たちはあとからやってくると、再び私たちにひれ伏しました。

 「われらの誤りをお許しください。預言者様を疑い、今まで何もしなかった我々の罪を罰していただきたい」駆られは口々にうったえました。

 「われは秘すべきと言った。我が指示に従ったのだから、よってそなたたちの行いは何ら誤ったものではない。わかったか」

 彼らは感涙にむせぶように泣き出しました。

 「今後は友好をもってお互い交流を持とうではないか」

 「神は偉大なり」「神は偉大なり」かれらは口々にその言葉を唱え始めました。


 今回の訪問は成功裏に終わりました。お互いの友好は強く結ばれ、メシア派は再来派と協調路線を吊ることになり、いろいろ話し合うことにしたそうです。イム教が一つになるかもしれません。

 ちなみにザキーヤだが、「ミリアとすっかり仲良くなったし、外国にも行ってみたい。しばらく世話になるね」と言ってついてきてしまいました。

 ミリアに聞くと、「昔のことをよく知っておられます。本当に勉強になります。知恵のザキーヤ様と言われたことがよくわかります」と言っていました。

 知恵のザキーヤ?この件を本人に聞くと、聖母パシーラ、知恵のザキーラと言って、預言者を二人でサポートしていたらしい。ただ、何が聖母だとザキーラはあきれていたようでした。


お読みいただきありがとうございました。もし少しでも気になりましたら星かブックマークをいただければ大変ありがたいです。

星一ついただければ大変感謝です。ブックマークをいただけたら大大感謝です。ぜひとも評価お願いいたします。



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