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第65話 ブレイド王国処分

70000PV達成記念で、何話か投稿いたしました。お読みいただければ幸いです。


 我々はいつも通り、ローマ連邦の統治に当たっていました。ローマ連邦は拡大の一途をたどり、西は新大陸から東はバクダットまで広がりその統治もかなり複雑となっていました。

旧国家単位、若しくは文化的、民族的な境界で州を設け、州知事を置いて統治をおこないました。知事の元には州議会を設け、土地の有力者たちが議員に任命されました。彼らは統治における地元の意見を吸い上げるための組織として機能し、州知事が円滑な統治をするのに助力する機関としました。

 更に監査機関として、連邦監査局を設けてジェミニが情報部と兼任することとなりました。

 西方統治機構は、お互いの通商や交通の自由を保障し、安全保障上の相互協力を行う組織として機能しています。


 ある時ジェミニから報告がありました。どうもブレイド王国が勝手に関税を取り、住民や商人たちの行動に制限をかけているとのことでした。


 旧ブレイド王国は3つに解体されましたが、そのうちの一つリオン貴族連邦はほぼ形をとどめないところまで解体され、ローマ連邦に吸収されました。貴族たちは、ローマ連邦の貴族として元のブレイド王国時代より階級を落として陞爵されていました。すでに残っているのは元上級貴族だった者達数名だけで、各々の自分の領地を自治領のような形で統治していて、国としての体はなしていない状態です。


 ヴィシー王国はすでに統治しきれずにヴィシーの町とその周辺以外の領土はすべてローマへの借財の代わりに差し出してしまいました。

 ヴィシーにいた貴族たちの多くは解雇され、能力のあるものはローマ連邦で官吏や、教育者として知識を教えることで生きていくことになりました。

 それ以外のものは、他国でもあったように落ちぶれて貧民街に行くか、新大陸などの開拓地へ向かい、土地を開拓して一発逆転を狙うこととなりました。


 最後のブレイド王国は、旧王都であるブレイドシティとその周辺を統治している小国です。ただ、旧ブレイド王国の皇太子だった者が治めており、よって、ブレイドの名を継いでいます。かの国も西方統治機構に所属しており、交易の自由や交通の自由は保障されなくてはなりません。それが守られず、高い入市税と出市税を取り、町の中でも何かするたびに税を取られる仕組みになっていて、西方統治機構の協定に反する行為を行っています。


 私はロバートと相談し、この報告が真実なのかどうか、真実ならば直ちに改善し、西方統治機構の協定を守るよう指示する文書を送りました。


 回答はそのような事実はないとのことでした。

 「これ、完全に我々のことをなめているわね」とジェミニは、悪い顔をしながら言いました。ただ、ロバートの膝に座りながらなので少し締まりません。

 「どうする?王族を皆殺しにする?それとも町ごと消す?」

 「ちょっと待ってジェミニ姉さん。とりあえず、直接乗り込んで調べてみようと思う」と私は言って、兵を200名ばかり集めるよう指示しました。

 「200名で足りるかい?」

 ロバートが心配そうに言いました。

 「大丈夫。いざとなったらゴーレムを呼び出すし、たしかあの国には1000人程しか兵はいないはずだよ」

 そう言って、私はブレイド王国に行くことにしました。


 ブレイド王国はすっかりさびれていました。町の周辺の農地は荒れ果てており、農民たちは道端に座り込んでいました。

 皆一様にやせ衰えていました。

 町の正門に差し掛かると、衛兵らしき男たちが我々を取り囲みました。

 その数30名ばかり、一人の男が進み出て言い放ちました。

 「この街に入る税を治めろ。一人金貨一枚だ。いまさら入らないといっても、同じ額の金額を町から出る税として治めろ」


 私は土魔法を使い、彼らの首まで土で埋めて、全員を捕らえました。

 「こんなことをしてただで済むと思うな。おまえら皆殺しだぞ」「そうだ。すぐに開放しろ」「無礼にもほどがある。貴様私を誰だと思っている」など口々に罵詈雑言の嵐を我々に投げつけてきました。

 仕方がありません。とりあえず最初に声をかけてきた男をじっくりと弱火で焼いてあげました。最初は、「こんなことをしてただで済むと思うなよ」「早く開放しろ」など威勢のいい声が聞こえてきましたが、じっくりじっくり焼いて言ったら、だんだんと声が弱弱しくなり、「もういい加減やめてくれ」「熱いよ、痛いよ」と泣き出し、ついには「がぁ~、ぐぅ~」と訳の分からない言葉を弱弱しく言いだし、ついには何も言わなくなりました。

 じっくり火を通していい具合に焼けたので、捕まえた衛兵たちに「この国の事情を話すか、それともこの男の肉を食うか」と問いました。


 衛兵たちは、先を争ってこの国の状況を話し始めました。

 この衛兵たち、元は貴族で焼き殺した男は元伯爵だそうです。

 食い詰めた貴族たちが徒党を組んで城門を占領し、通行税を取っていたらしい。

 ブレイド王は知らなかったのかと聞いたら、知っていたが我々を養うことができないので好きにさせていたとのことです。

 とりあえずこいつらは一か所にまとめて土の檻に入れ、見張を何人かつけておきました。

 街の中に入ると、町は寂れまくっていました。商店には商品がなく、露店には食べるもの一つなく、人々は道端に座りこんでいました。

 一人の男が寄ってきて、「ご主人様、何か食べ物を恵んでください」と言ってきました。その姿は、やせ衰え、来ているものはぼろで、身体はふらふらと今にも倒れそうでした。


 私はかわいそうに思い、持っていた食料を分けてやることにしました。軟らかく煮たオートミールを大鍋で煮て、住民にふるまってあげました。

 食器も持たない者がたくさんいて、急いで土魔法で土を固めた土器を作り、分け与えました。

 すると、何人もの役人たちが来て、配給している食料を税として徴収することと、持っているものすべてを税として納めるよう命じてきました。

 当然全員逮捕です。兵士たちに拘束させ、縄で縛りました。


 さっきの衛兵たちと同じようにギャーギャーわめいていましたが、真っ赤に熱した鉄の剣を近づけると、今度は助けを求める声に変りました。

 確認したらこいつらも貴族で、この辺りを縄張りにしているグループでした。

 どうもこの町は、貴族たちのグループがいくつもあり、それぞれが縄張りをもって、縄張り内にあるものを勝手に税として徴収しているようでした。

 捕らえた役人たちを縄でつないで先頭を歩かせました。しばらく行くと、別のグループが現れ、税を払えと言いました。そいつらを捕まえて、また縄でくくって歩かせると、また別のグループが来てと、王の居城に行くまで、5グループほど捕らえました。


 王城の門は破壊されていました。あちこちに焚火の跡があるので、どうも燃料としてばらして使ったようです。

 中は荒れ果てており、庭には雑草が生い茂り、金になりそうなものは根こそぎ持ち去られていました。

 城の玄関に来ました。

 捕まえた役人たちはここで土の檻を作って閉じ込めて、見張りの兵を何人か置きました。


 城の中の調度品や家具はすべて持ち去られており、カーテンなどの布もなくなっていました。

 先に進んでいくと、誰一人として会うことはなく、奪いつくされ、破壊しつくされた跡が残っていました。

 元々は王の謁見場だったのでしょう、大広間があり、そこに4人の男女がぼろを身にまとって、焚火の周りで寄り添っていました。


 「あなたたち、何をしている」私が問うと一人の男が「食べる物もない、着るものもない、仕方ないのでせめて暖を取ろうと城で木材が使われているところを壊して、焚火をしているところだよ」と答えた。


 「腹が減っているのか?」と聞くと「もう3日も何も食べていない。水だけは飲んでいるがいつ力尽きるか」と言われたので、オートミールを分けてあげた。4人はむさぼるようにそれを食べた。もっと欲しそうだったが、あまり一気に食べるとショックを起こして死んでしまうぞと言って、あきらめさせました。


 「ブレイド王に会いたいのだが、どこにいるか知っているか」と聞くと「私がブレイド王だ。もう何ももっておらぬけれどもな」と自嘲していいました。

 話を聞くと、ブレイド王国が解体し、追放された貴族が多数この国に逃げ込んできたらしい。

 最初は王家の財産をはたいて何とか生活の面倒を見ていたのだが、そのうち貴族たちが勝手をやりだし、あちこちで税を取り出しました。

 更に王宮にあった財宝を盗み、それが無くなると、調度品やカーテンなどの布、衣類を奪い始めました。

 使用人たちもそれに加わり、王が抵抗すれば暴力をふるうようになったそうです。

 ついには、王冠などの貴重品、装身具、果ては王の座る王位の椅子を含めたすべての調度品も奪われ、衣類も下着を含めてすべて持ち去られ、ぼろ布をまとめて身にまとうようになったそうです。


 今ここにいるのは、王妃と第一王女、第二王女の四人だそうです。二人いた王子たちは、食べ物を探してくると言って、外に出てそのまま帰らないそうです。


 とりあえず四人を保護し、町の外に連れ出しました。

 どうもこの町を完全に浄化する必要がありそうです。

 そうすると、兵200名では不足しているので、援軍を要請し、追加で2,000人の兵を呼び寄せると、町に攻め込みました。住民たちに食料を配給していると、貴族たちは奪いに来るので、そこを捕らえていきました。

 あらかた捕らえると、住民たちに協力してもらい隠れている貴族たちを捕らえていきました。

 なかには、住民たちからリンチを受けて殺されるものもいました。

 そうやって、町の浄化は完了しました。

 調べたところ、王子達は町の脱出に失敗して、殺されてしまったそうです。


 捕らえた貴族たちのうち、人殺しをした実行犯と各々のグループのリーダーは公開で絞首刑にしました。

 それ以外の者達はラップランドのさらに北に流刑にしました。

 ブレイド王たちは、ヴィシーに送られ、領土をローマ連邦に譲渡する代わりに死ぬまでローマ連邦から年金を受け取れるように手配しました。

 なお、ヴィシーにいた王弟に領土を交換してブレイドシティを治めるかどうか確認しましたが、そんなに荒れ果てた領地は統治できないと断られました。ただ、名前だけは継ぎたいと言われたので、ヴィシー王国は、ブレイド王国と改名し、ブレイド王国は継続することとなりました。


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[一言] 無政府状態で亡命してきた馬鹿貴族が好き勝手やった結果ですか主人公が居なければ嘆きの牢獄状態がもっと永く続いたと思うと怖いですね
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