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閉話21 預言者の降臨

本日2回目の投稿です。お読みいただければ幸いです。

 我はマホメド・バットゥー、このエーサイムのイム教指導者である。いま、総主教からジハードの通知が来ており、そのことで話し合いが行われていた。

 パラスの地は、フーシとローマにより統治され、国としての形は失われていた。まあ、統治自体は穏やかで、国として存続していた時より非常に豊かになった。これも預言者と名乗る方のおかげである。

 やせた土地は豊かになり、緑は茂り、豊かな水も得た。預言者は数々の奇跡を成し遂げ、これらを実現した。


 東から来た砂漠の民たちは自慢げに言った。「預言者様は次々と奇跡を行い、砂漠の大地を豊かにした。我々もその恩恵を受け、預言者様とその兄に付き従っている」とのことだ。

 ところが、総主教から偽預言者として殺害命令が来てしまった。

 我々は悩んだ。パラスの民は預言者は本物だとしてあがめている。ジハードを呼びかけても果たして応ずるかどうか、しかしこの聖地を預かる者として、総主教様の指示に従わないのも問題だ。議論は一晩中続いた。


 夜が明けようとした時、外で騒ぎが起こった。何ことがと外に出てみると、ほうき星がこの聖地である寺院に向かってやってくるではないか。

 そしてその星が屋根に泊まると一人の男が現れた。

 ああ、神よ、あなたの言葉をまとめた聖なる書物に預言者の昇天と、再来が描かれていました。その再来の言葉は「我が代理人たる預言者は昇天した地に再び現れる。その際、星に乗ってくるであろう」と書かれていた。その言葉通りになった。

 預言者様はゆっくりと地面に降り立ち、我らを見回した。

 私はこの地の代表として、不敬を覚悟で話しかけた。

 そして言った。「敵に従うか、我に従うか」と。

 この言葉はイム教徒であれば知らぬ者はいない言葉だ。

 イム教が広まっていく過程で、多くの異教徒たちから攻撃を受けることとなった。

 その時、預言者様は動揺する民のもとに行き、その言葉を突きつけた。

 懐柔するでもなく、利益を示すのでもなく、ただ、神に従うことを求めた。

 民たちはその言葉に感銘を受け、敵を打ち破り今のイム教の興成を築いた。

 それが今、「ジハード」という、すべての敵を打ち破れという命令になって制度化されている。


 すでに決した。預言者様は本物であり、それに従うものである。

 私は聖地の管理者として、全パラスに檄を飛ばした。

 その言葉はルミラとバクダットにも届いた。民は預言者に従う者、従わぬまでも恐れおののく者が増え、預言者様の姿を見ると直ちに降伏した。

 ルミラは降伏し、バクダットは金や権力にものを言わせて、なんとか兵を集め、迎え撃とうとした。


 ここからは伝聞だが、総主教が兵たちに向かい説教をている最中、地割れが起き、雷が落ちたという。

 これは預言者様が仲間たち300人で、30000人の敵対する異教徒たちと戦った時、神が預言者を助け、地を裂き、雷を落として、敵を退けたという逸話と同じものだ。

 このことに兵たちは慌てふためき、背教者となることを恐れ、逃げ出したとのことだ。

 その気持ちはわかる。私でもそうするだろう。

 そのため、あっさりとバクダットは落ち、戦争が終わった。


 預言者は敵対者達にも等しく奇跡を起こし、地を豊かにし、民の生活を安寧に導いた。

 私はこの神とその代理である預言者の偉業をまとめ、再来派を立ち上げた。

 最初の預言者様のまとめた聖なる預言の書に新たな部分をつぎ足し、新たな指針をお与えくださった。


 預言者様はローマ皇帝の弟だとのことだ。ローマ皇帝が治めるローマ連邦は今西方社会で一番力のある国家である。その弟として預言者様がいることは、我らの神の思し召しであろう。


神は偉大なり


お読みいただきありがとうございました。もし少しでも気になりましたら星かブックマークをいただければ大変ありがたいです。

星一ついただければ大変感謝です。ブックマークをいただけたら大大感謝です。ぜひとも評価お願いいたします。


 これで今回の投稿は終わりになります。読んでくださっている方、本当にありがとうございます。読んでいたただける間は、ポチポチとでも続けようかと思います。一旦ここで終わりとしますが、今後ともよろしくお願いいたします。

 次はサムライを投稿する予定です。しばらく忙しいので、ちょっと時間は空いてしまいますが、8月中には、投稿したいと思います。

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