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第62話 スエズ運河の完成とエルサム観光

これで一旦終了です。お読みいただければ幸いです。

 スエズ運河が完成しました。突貫工事でも3か月かかりました。でもしっかりとした造りで100年は持つでしょう。何隻もの船が、運河を通っていきます。

 高くはないですが、通行料を取って運河の維持経費に充てるつもりです。


 しばらくして、フーシのイエロー王がケメトにやってきました。

 ルミラ、バクダットとの講和に成功したようです。国境線はやや両国に譲って、ほぼ昔のパラス領土を確保したようです。

 僕らに会いに来た要件は、借金とスエズ運河の通航についてです。フーシとしては、少しでも有利な条件で利権が欲しいのでしょうが、不要な戦争に巻きこんでおいて、そんなに楽に利権を与える訳には行きません。

 このあたりは、キャサリン姉さんの出番です。

 「これはこれはフーシ王イエロー様お久しぶりです。どのようなご用件でしょうか」

 「これは久しいな、キャサリン殿。お元気そうで何よりだ。御子たちは皆元気かな。大したものではないが、ロバート殿とバース殿の御子に遊び道具を持ってきた。受け取ってほしい」

 「これはありがとうございます。慎んでいただきますわ」そう言って、にこりとした。

 「しかし素晴らしいな。たった3か月で、このような立派な運河を作るなんて。さすがローマ連邦、西方統治機構のリーダーだけあるな」

 「いえいえ、この運河はスカイ・グランド連合王国が築き上げたもので、ローマ連邦はなまえを貸したにすぎませんわ」

 「しかし、ローマ連邦は事実上スカイ王国が代表するのだから、ローマ連邦そして西方統治機構が作ったものということではないか」

 「フーシ王、初代ローマ連邦皇帝はロマーン王家の皇太子が務めていました。ロバート王は2代目を引き継いだにすぎません。3代目は誰になるか。もしかしたら、フーシ王あなたが皇帝の地位を継ごうとお考えで」

 「いやいや、そんなことは考えていない。我々は、あくまで、西方統治機構の一員として、ローマ連邦と友好関係にあることが望みなのだ」

 「友好関係を続けるならば、何よりも誠意が必要だと思いますわ。そうでしょう、フーシ王」

 「何が言いたい」フーシ王の声がどすのあるものに変わりました。キャサリン姉さんは平然として言いました。

 「フーシ王、ローマとの戦いが所望であれば、国にお帰りください。ローマとの友好が望みならば、王が示せるすべての物を我々に示してください」

 「……」フーシ王は黙り込んでしまいました。重臣たちはさっきから何の言葉も発しません。下手なことを言えば、国がなくなることを理解しているのでしょう。

 私はキャサリン姉さんとフーシ王の話の間にロンを後ろに下がらせ、私の部下の中でも猛者たちにロンを守らせました。いつの間にか、ジェミニもいて、我々とフーシ王の周りを目つきの鋭い連中が取り囲んでいました。

 「参った。降参だ。はっきり言うとフーシの船のスエズ運河の交通を認めてほしい。あと、ローマから借りた借金の代わりにケメトでの全利権と、旧パラス領を含む東方領土をローマに譲渡そう」フーシ王は降参したように言った。

 「フーシ王、まず借金の話をしましょう。全然足りません。もうケメトは我々の力によってほぼ支配下にあり、フーシ王国の力はほとんどありません。利権もほぼ我々が掌握済みです。それと東方領土、すでにダマスカスとエルサム地方は我々の者であり、他の土地は価値が低いところばかりです。また、ルミラ、バクダットとの争いもいつ再燃するかわかりません。その名土地もらっても、費用ばかりかかって意味ありません」

 「ならばどうすればいい」フーシ王は絞り出すように言いました。

 「南大陸カルタ地方の割譲、南州島及び付属諸島の割譲、ケメトでの全利権、さらにこれらに対して、未来永劫権利を要求しないこと」キャサリン姉さんはこともなげに言いました。

 フーシ王は黙りこくってしまいました。

 「これでもかなり譲歩しているのですが。本来であれば、全フーシでの自由商業権と私たちの王子を一人、貴公の婿養子として迎えるぐらいは要求したいところなんですよ」

 「今言ったことを認めれば、借金とスエズの通行権をもらえるのか」

 「何言っているのですか。スエズは別です。先ほども言ったでしょう。まずは借金の話をすると」

 「スエズは何が必要だ。まさか、シルク全土を割譲しろとは言うまいな」

 「スエズは純粋にお金の話です。一隻に付き、ローマ連邦所属の艦船の3倍の料金を支払うこと、更に一年分として、100隻が一回づつ通行するだけの分を事前に支払うことです。そうすれば、100隻分の通行券を差し上げましょう」

 「もし、通行券が余った場合、翌年に繰り越せるのか、あと回数を超えた場合はどうなるのか」

 「通行券は一年間有効です。期限切れは失効です。なお、年間100隻1回の上限を超えることはできません。なお、通行権は1年更新です」フーシ王は、凍り付いてしまい、何も言いません。

そこで、キャサリン姉さんは私に目配せしてきました。

 私は言いました。「ねえ、キャサリン姉さん、フーシは長く同盟国として我々に協力してきた国だ。もうすこし条件を緩くして挙げられないかな」

 フーシ王は息を吹き返し、キャサリン姉さんを見ています。

 「あなたがそう言うなら。それでは上限の制限と、通行券の制限はなくしましょう」

 フーシ王は私を見ながら、物欲しそうな顔で私を見ていました。もっと、条件を緩めてほしいのでしょう。私はそっぽを向きました。

 

 フーシ王はあきらめたように、力ない声で言いました。「とりあえず部下たちと検討してみる」そう言って、去っていきました。

 後日、条件をすべて飲む旨、連絡がありました。


 さて、運河建設という任務が終わったところで、せっかくここまで来たのです。観光しなくちゃ損です。

 キャサリン姉さんはあきれながらも、「少しだけだからね」と言って認めてくれました。

 さあ、エルサム地方へ行きましょう。

 エルサム地方の中心都市、エーサイムは宗教都市でした。エルサム地方の住民が信仰する六芒星信仰、イム教、ピーエックス教の聖地であるため、聖地と呼ばれるような場所や施設が混在しています。

 私たちは、あちこち見て回りました。案内役の街の代表は、普段は公開しないようなところまで、我々に見せてくれました。

 ミリアが「本で読んだのですが、契約の箱というのがあると聞きました。それを見ることはできますか?」と聞きました。

 街の代表は、一瞬びっくりしたような顔をしてから、「申し訳ありません。それをお見せすることができません」と言いました。

 「異教徒には見せられないということでしょうか」と私は聞きました。

 「いいえ、実は契約の箱はここにないのです」

 「誰かに奪われたのですか」私は聞きました。

 「いいえ、実は我々の民族は12の部族に分かれていたのですが、そのうち10の部族は外国に攻められ、別の地に連れていかれました。彼らが契約の箱を持っていました。彼らは、その国がなくなった後、さらなる東方へと旅立ったと聞いております。なので、この地には契約の箱はないのです」

 「そうですか、それは残念です」ミリアは残念そうに言いました。

 我々は、魚肉のソーセージのようなものに舌鼓を打ち、他にもブドウの葉で肉団子を巻いたものなど珍しい料理をいくつも口にした。大満足でした。


 あとは、塩の柱が林立した土地を見たり、体が浮く湖で遊んだりした。ちなみに、湖は一部を貸し切りにして、妻たちは水着を着ていました。キャサリン姉さんは3人も子供を産んだにもかかわらず、とても良いスタイルでした。ミリアとジェミニは可愛い水着を着て、キャッキャと遊んでいました。アーリヤは宗教上の理由で水着は拒否されたが、あとでロンに聞くと、ロンにだけ水着姿を見せたそうです。

 

 観光も終わり、ローマにもどりました。また、仕事漬けの日々です。また、旅をしたいな、そんなことを、ロンと話し合いました。

 その時、キャサリン姉さんが来て、「東方に送った探検隊から連絡があったわ。東方世界と接触する機会があったみたい。場所は、ガンダーラより東の土地、タウングー王国とアユタヤ王国という国だそうよ。珍しい産物を多く、交易が期待できそうだわ」と言っていた。

 東方世界か、僕らの西方世界とどう違うのだろう。ぜひ行ってみたいな、とロンと小声で話をしました。


お読みいただきありがとうございました。もし少しでも気になりましたら星かブックマークをいただければ大変ありがたいです。

星一ついただければ大変感謝です。ブックマークをいただけたら大大感謝です。ぜひとも評価お願いいたします。


侯爵嫡男はここで一旦終了とさせていただきます。もし、お読みくださる方が多ければ、少しでもご期待に答えられればと思いますので、続けたいと思っております。


現在、「討死したサムライが異世界に転生し、領地を手に入れ腹いっぱい飯を食べるため、いろいろ働いていたら、いつの間にか有力領主となり、天下を狙うことになる話」と「名門出身の武闘士が、魔法使いにあこがれて魔法使いになろうとする話」を連載しています。

もし、ご興味を持たれましたら覗いていただけるとありがたいです。


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