第51話 東方蛮族との戦闘
本日は12時と18時の二回投稿します。お読みいただければ幸いです。
ローマ連邦の整備はどんどん進んでいきました。僕も忙しく働いていました。
その間にミリアが出産しました。男の子です。ブルテン殿は狂喜していて、名前を付けさせて欲しいといいました。ミリアと相談して、了解の旨伝えたところ、ブルテン殿はその子にタドンと名付けました。
なんでもブルテン殿の曽祖父で、グランド族が新左真国から逃げて来た時のリーダーの一人の名前だそうです。
これで僕は二人の子供の親になりました。この子たちのためにしっかりしなければと思いました。
春になって、暖かくなってきたとき、ポートランドから蛮族が攻めてきたとの連絡が入りました。
父は、僕に命じて、兵10万とともに東に向かいました。ロジスティクスはキャサリン姉さんが担います。
ポートランドに入ると、あまりの貧しさにびっくりしました。冬の間に食料を食べつくした人々は野草を漁って食料にしていました。
とりあえず、彼らに食料の配布を行いました。あと、その地の貴族たちには、領民から配給したものを奪わないよう指示を出しました。
ポートランドの王都ワルシャワ向かい、王と会いました。
「よく来ていただいた。わがポートランド軍はこの前の貴国との戦闘で、かなりの被害を受けて、まだ再建途上なのだ。いや、決して貴殿らを非難しているわけではない。あくまで事実を述べただけだ。よって、わが軍だけでは蛮族に対抗しきれないのだ」王は言い訳するように言いました。王は、もともとこの国の侯爵で、クーデターによりほかの貴族たちの協力の下で王になった人物です。
そのため、軍再建に必要な費用の調達など、無理な政策を取りにくいようでした。
「西方統治機構の一員として、我々ローマ連邦軍が蛮族に対抗いたします。ただ、お願いがあります」僕は王に言いました。
「どのようなことか」
「これから我々は蛮族を打ち破るとともに、この国の強化に乗り出します。一切のフリーハンドをいただきたい。そして、我々を妨害する者に対して、せん滅することを許可いただきたい」
「妨害者とは、領地貴族のことかね」王は心配そうに言いました。
「そうなるでしょうね。ここに来るまでこの国の状況を見たのですが、大変貧しい状況のようだ。賠償金の支払いも滞っているようだし、この国がいつまでも不安定な状態であると、我々も面倒ですからね」
王はいろいろ考えを巡らしているようでした。そして「わかった。貴公にこの国で自由に行動し、事業を実施するすべての権利を差し上げよう。王の名で、貴公をこの国の準王に任命する。そして王が持つすべての権利を行使できることを文書にて保証しよう」と言いました。
「王は賢明な決定をした。かならず、良い結果をもたらしましょう」と僕は約束しました。
ポートランド東部国境に行くと、蛮族たちが略奪や放火、人狩りを行っていました。
ジャルマンが亡んだことを知っているらしく、それまで国境近くを荒らしていた蛮族がかなりポートランドの領内深くまで侵攻していました。
われらは軍をいくつかに分け、略奪を行うために分散している蛮族たちを各個撃破していきました。
すると蛮族たちは略奪した物資や人を連れて撤退しようとしました。が、絶対に逃がしません。
ただでさえ、略奪品で足が遅くなっているところに、魔法使いに居場所を索敵させて、ゴーレム車を使い、軍をその場に急行させて、僕の魔法で後方にゴーレム兵を作り出して、挟み撃ちにしていきました。
ポートランドに侵略してきた蛮族はほぼ壊滅しました。
略奪品も取り返し、人狩りで捕虜になっていた人々はすべて故郷に返しました。
それまで、ポートランドに侵攻してきた蛮族はジャルマン軍やポートランド軍が逃げ出すと追ってこなかったため、油断もしていたのだと思います。思いのほか損害もなく、敵を駆逐することができました。
さて、今度は我々の反攻です。
こまめに偵察をしながら、ポートランド国境を超え、蛮族の地に進攻しました。
すると、蛮族たちの根源地をいくつか発見しました。そこには、女子供を中心に牧畜生活しているようです。
そこを我々が襲い掛かりました。一人も逃がさぬよう、完全に包囲して、一挙に襲撃、女子供は捕虜に、持っていた物資や家畜はすべて略奪しました。
めぼしい根源地はすべてつぶして、一旦ポートランドに戻りました。
略奪品はポートランドに半分渡しました。そして、与えた略奪品は復興財源として使用するよう指示しました。
さらに僕は自分の魔法と兵たちを使い、ポートランドの土地整備を始めました。
荒れ地に水路を作り、畑を開墾し、ポートランド人に分け与えました。やせた土地には、魔石を使って豊かな農地へと変えていきました。
年貢の率も制限し、4公6民を原則としました。また、賦役も整理し、余計な賦役を勝手に懸けることを禁止しました。
これを変更する場合、軽微なものであれば、王の決定の元西方統治機構に報告すること、年貢率の変更など重要なものであれば、西方統治機構の許可が必要としました。
勝手に領地を開発していることと、税や賦役の制限は領地貴族たちのうち、8割近くが我々の行動に反発しました。
文句を言っては来た連中は一度目は注意ですまし、それでも引かないものは逮捕して爵位はく奪、財産一部没収の上、追放としました。
一部は反乱を起こそうとしましたが、民衆はすっかり我々を支持していたため、兵たちが集まらず、直ぐに鎮圧できました。
反乱を起こした貴族たちは全員処刑しました。
ちなみに没収した領土はポートランド王の直轄地としました。
そして、蛮族の土地だった東部地域の開発を進め、ポートランドの国境を東に進めました。
そして、新しい国境として定めた場所に、いくつか砦を作りました。
その新しく開発した地域はローマ連邦軍の退役兵を入植させ、捕虜にした女子供を彼らに与えました。
砦は、ローマ連邦軍が駐留し、非常時には退役兵たちが戦闘要員として働くようにしました。
さらには、新たな東方領土の領主として、駐屯するローマ連邦軍の指揮官をポートランドの侯爵として任命しました。
あらかた仕事を終えた我々は、ポートランドから撤退することになりました。
ポートランド民衆に我々の人気はうなぎ上りです。ポートランド王もローマ連邦にかなり感謝しているようです。何せ、領地貴族たちは既得権益を守るために、王の施策をかなり邪魔していたようでした。また、新たに王の直轄領が増えたことで、財源も手当されました。
一方官僚貴族は我々がかなり好き勝手にやったことに内心不満を抱えているようです。財源が増えて権限が拡大した財務官僚を除いて、他の官僚たちに利益はありませんでしたからね。また、新たにポートランドに加えた東方領土を事実上ローマ領にしたことに不満がありそうです。
まあ、彼らには軍事力もありませんし、せいぜい愚痴を言うぐらいしかできそうもありません。とりあえず、当分ポートランドが反乱を起こす可能性はなさそうです。
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