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閉話16 ジェミニとアポロ

少々気分の悪い話になります。ヤンデレぽい話になりますので、嫌な方は読み飛ばしてください。

 「お前、王家の血をひくものをほぼ皆殺しにしたな」アポロは淡々とジェミニに問いました。

 「ロバートにとって邪魔だったからね」

 「お前がロバートのもとに嫁いだのは、ロバートを監視し、必要あれば殺すためだったはずだが」

 「仕方がないのよ、好きになったのだから」

  アポロがびっくりして言いました。

 「おまえが、人を好きになっただと!お前にそんな感情があったのか」

 「父上だって母様が好きになって、無理やり妻にしたのでしょう」

 「俺は欲しいものは手に入れる。それに今じゃ相思相愛の中だ」

 「何が相思相愛よ。下級メイドだった母様を無理やりものにした挙句、洗脳して自分の思うとおりにした男が何をいうの」

 「それも愛の形の一つだ。お前には関係ない。話をずらすな。王弟一家を皆殺しにし、王の側室達とその子供たちを処分し、あまつさえ皇太子と王を弑した。責任をどう取るつもりだ」

 「別に」ジェミニはニヤリと笑った。

 アポロは無表情に言った。「命令に従わなかったお前には死んでもらう必要がありそうだ。ジェミニを殺せ」アポロは部下たちに命じたが、誰も動かなかった。


 アポロは周りを見回すと、「ジェミニ、お前、俺の部下たちを完全に掌握したようだな」と薄笑いを浮かべて言った。

 ジェミニは微笑むと、指を鳴らした。すると、暗殺服を身にまとった兵がなだれ込んできた。

 「わしの目をかいくぐって、情報部をお前の支配下におさめたようだな。さすがわが娘というべきか」アポロは微笑んだ。

 「さて、私を殺すかね」単なる事務連絡でもするように、娘に尋ねた。

 「それが一番確実なのだけど、父上を殺すと、フライ家が私を許さないでしょうからね」面倒くさそうにジェミニは言った。

 「とりあえず、情報部長の地位を私に譲って、母と一緒に隠居してよ。監視はするけどできれば大人しくしてもらえると嬉しいのだけど」

 「隠居か、甘いな。まあいいだろう。情報部長についてから忙しくて妻をかまってやる暇がなかったから、薬漬けにしていたが、今後はたっぷり手をかけて調教してやる暇ができそうだからな」薄笑いを浮かべながら言った。


 「薬が抜けたら、孕ますこともできるだろうから、お前に弟か妹を作ってやるよ」

 「母さんもいい歳だから妊娠は難しいじゃない。別の女にしたら。なんなら適当に見繕ってあげるけど」

 「妻以外の女はいらん。あいつは俺に人間として初めて接してくれた女だからな。俺はフライ家の次男として生まれたことで、闇を司ることが運命づけられた。殺人や拷問など闇にかかわることをいろいろ教育された。そのためか誰もが俺を恐れて近づこうとしなかった。お付きのメイドすらさえな。子供だった俺にとって孤独はとてもつらかった。庭の陰で泣いていると、あいつが俺を見つけて慰めてくれた。涙を拭いて、頭をなでてくれた。俺が誰かは知らなかったみたいだ。まあ、その時のあいつは下級メイドで、俺の顔など知らなかったみたいだからな」


 そう言って、一息つくと、懐かしそうに話しをつづけた。「すぐに俺付きのメイドにしたよ。力づくで俺のものにした後、調教して、俺なしには生きていけない体にした。そのおかげか、すぐにお前ができた。お前の妊娠を知って妻は泣き叫んで喜んでいたよ。後から聞いたのだが、妻には結婚する予定の男がいたらしい。まあ、その男はあとくされなく闇に消したけどな」

 アポロは嬉しそうに昔話をした。


 ジェミニはその話は聞き飽きたとばかりに連れない態度で「はいはい、母さんと幸せに暮らしてちょうだい。そうしてくれれば、私も両親を殺さなくて済むから楽なのよね」そう言って、部下たちに連行するよう命じた。


 「父の昔話はくどいのよね。でも少しうらやましいかも。お兄ちゃんを監禁して、私だけのものにする。毎日、ひざの上に座って、頭をなでてもらって、口移しで食べ物を食べさせあう。そのままお互いをむさぼりあう。なんて、かなり惹かれるけど、さすがに今それをやってはまずいからね。おとなしく第四夫人として立ち回っておきますか」ジェミニはそう言って父の座っていた局長席に座って、書類を確認し始めた。

 書類をめくりながら、側に控えていた側近に話しかけた。

 「でも、父も頭なでてもらって、優しくされたから好きになるなんてちょろい男よね」

 側近はあなたもそうでしょうと心の中で思いながら、「御意」と短く答えた。


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