第48話 簒奪
本日2回目の投稿です。お読みいただければ幸いです。
会議場に着くと、王も皇太子もおらず、ギルフォード様が議長席に座っていた。
周りには反主流派の貴族が取り囲み、我々をにらんでいた。
ギルフォード様はいきなり私たちを非難し始めた。
いわく、進攻作戦で当初何もしなかったことは怠慢行為であり、軍の指揮官としてふさわしくないこと、さらに蛮族と勝手に講和を結んだこと、蛮族の言い分をすべて飲み、罪もない兵士を処刑したり、金を支払ったことなどを批判され、ついには売国奴とまで言われた。
私は当初待機するよう命令を受けていたことを命令書を示して主張したが、ギルフォード様は怒鳴り散らし始め、そのようなことは知らない、お前が勝手に言っていることだ、私の命令を捏造したと言い、二人とも国家反逆罪で逮捕すると言って兵を呼び込んだ。
「おい、ルート」私は宰相に言った。「なんだビューン」宰相は答えた。
「とりあえず逃げるぞ」「わかった、頼むよ」私はゴーレム兵を呼び出し、敵兵たちに向かわせた。私はゴーレム兵に逃亡のための道を作らすと、リニア魔法で二人でそこから飛び出した。邪魔な壁を魔法でぶっ壊しながら、城から抜け出した。
ルートとともにとりあえずアントの屋敷に戻り、フライの屋敷にもこのことを知らせた。
さらに私とルートの連名で、軍や官僚組織にこのことを知らせた。
不安なのは、王と皇太子の行方である。情報の収集をアポロ伯爵に依頼し、一旦家族をスカイ・グランド連合王国に避難することにした。
再び王宮にて
「何事だ。何の騒ぎだ」エリザベスのお茶会に招かれていた王と皇太子は王宮に急いで戻ってきた。
今回のお茶会はエリザベス王女から今回のことを反省したので、謝罪したいということで、王と皇太子を招いた茶会であった。王宮から少し離れた離園に二人は招かれ、エリザベス王女からの謝罪を受け、仲直りということで家族三人にてお茶会を開いていた。
その時である。王宮から轟音が鳴り響いたのは。
二人を迎えたのは、ギルフォードだった。
「アント侯爵とスカイ侯爵が謀反を起こしました。2名の解任と爵位はく奪、逮捕命令を出しましたのでご承認をいただきたい」
「何かの間違いではないか。皇太子、至急調査をするように」王は命じた。
「お待ちください。皇太子には、スカイとアントと通じている疑いがあります。おい、捕まえろ」ギルフォードは周囲を取り囲んでいる部下たちに命じました。
部下たちは皇太子を捕まえ、猿轡をかましたうえ、どこかに連れ去りました。
「おい、ギルフォードどういうことだ」王は怒鳴りました。
ギルフォードは落ち着いて言いました。「皇太子として失格の兄上には、皇太子の地位を下りていただきます。そして私を皇太子に任命していただきます。アントとフライは逆賊として王に認定していただきます。書記官、命令書を持ってこい」
「そんなものを出すはずなかろう。何を考えておる」
「おや、兄上とエリザベスの命が惜しくはないのですか」ギルフォードはニヤリと笑った。王は黙りこくった。
「あなたは私の言う通りするしかないのです。さっさと命令書にサインしてください。しばらく私の部下をあなたにつけておきます。下手なことを考えないようにしてくださいね。私も肉親を殺したくないですから」
「おまえ、私たちがいない間に自分の兵を王宮に入れたな。近衛兵たちはどうした」
「みんな、王からの指示だと言って広場に集めて、弓矢で皆殺しにしましたよ。あいつらあなたに忠誠を誓っていて私の命令を聞かないですからね。いても邪魔なだけですから始末しました」
王は涙を流して「みな、すまん」と声にならない声で言った。
「さて、父上にはサインしてもらわなくてはならない書類がたくさんあります。急いでくださいね」ギルフォードはそう言って部下に王を別室に連れて行くよう指示した。
「これでロマーン王家も終わりだ。父上、申し訳ありません」王はそう言って涙を流した。
「何言っているのですか、これから新生ロマーン王国、いえ帝国が始まるのです。スカイ・グランド連合王国とカリオス王国を併合し、巨大な帝国として君臨するのです。そして私はローマ皇帝として統治する。最高じゃないですか」ギルフォードは恍惚とした表情で言った。
王は何も言わなかった。そして、ギルフォードの部下たちに連行されていった。
「おい、サンド」
「はい、こちらに」
「お前は今日から侯爵とする。宰相兼大将軍だ。すぐに行政機関と軍を掌握しろ」
「了解いたしました。わが王よ」
「まだ、王ではないぞ」ニヤリと笑いながらギルフォードは言った。
「これは大変失礼いたしました。皇太子殿下」サンド侯爵もニヤリとしながら言った。
スカイ・グランド連合王国王宮にて
僕とキャサリン姉さんの母親と使用人たちが転移魔法で逃げてきました。二人とも心配そうな顔をしていました。僕とキャサリン姉さんの母親たちは王家の出で、現王の妹に当たり、二人は姉妹です。
「甥のギルフォードが反乱を起こしました。兄や皇太子、姪のエリザベスが監禁されたそうです。外に兄の正室や側室と側室の子供たちもみな監禁されているようです。バース助けてはもらえないでしょうか」二人は僕らに訴えました。
「父上はどうされました?」僕は母に聞いた。
「軍をまとめて、王都に攻め上る準備をしているようです。幸い、軍のほとんどは旦那様に従っているようです」
「お母様、お父様は無事ですか?」キャサリン姉さんは聞きました。
「はい、地方の行政機関を掌握し、ギルフォードの反乱を孤立化させようと努力しています。また、反抗軍のロジスティクスを整え、ビューン将軍の補助をしているようです」
僕はロバートの方を見ました。僕の目を見て、ロバートはうなずきました。
そして、僕は命令を出しました。「これより、スカイ・グランド連合王国軍はロマーンへ進攻し、ビューン大将軍を助ける。すぐに指揮所を立ち上げ、軍の動員を行え」
ロバートも言いました。「我が国はロマーン大将軍及び宰相を助けるため、王位簒奪者であるギルフォードを敵として、ロマーンに進攻する。直ちに補給体制の整備と情報収集にあたれ」
ジェミニがロバートに言いました。「私、一度ロマーンに戻って、情報の収集にあたるわね」そう言って、転移魔法でロマーンに帰っていきました。
妻のマリアンヌが僕たちの母を慰めていました。マリアンヌも王家の出身なので、叔母と姪の関係ですから、近しい関係なのです。
しかし、当のマリアンヌも心配そうでした。「ギルフォード兄さんが簒奪を働くなんて。もともと野心が強い人だったけど、まさかそんなことをするとは思わなかった。父や母、兄やエリザベスは無事なのかしら。旦那様、お願いだから、みんなを助けてあげて」マリアンヌは僕にお願いしてきました。
「正直、ギルフォード殿の情に期待するしかない。大丈夫、さすがに肉親に手をかけることはないだろう」そう言って、僕はマリアンヌを慰めました。
でも正直、皇太子さまは殺されているかもしれないと思いました。なんといっても、王位簒奪の際、最も邪魔な存在ですから。あと、側室の子供たち、王位継承権はありませんが、万が一ということがあります。ひどいことにならなければと、僕は祈りました。
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