第42話 内乱の気配
明日は12時と18時に投稿します。お読みいただければ幸いです。
スカンナ王国ラップランにて、元ジャルマン王とその部下たちは苦しんでいた。
彼らに与えられたラップランドは非常に寒い土地で、木々もほとんど生えておらず、凍てつく大地とそこで生きられる動物たちの土地であった。土地の開墾は進まず、作物は実らず、わずかな獲物を分け合って生活していた。
「このままではいずれ寒さか飢えで死ぬ。何かいい案はないか」王は側近たちに尋ねた。
「ジャルマンに戻ってはいかがでしょうか」部下の一人が言った。
「しかし、帰国をスカイ・グランド連合王国が受け入れてくれるだろうか。拒否されるか、無理に戻れば逮捕されて処刑される可能性が高いだろう」王は悩むように言った。
「いいえ、王はジャルマンの王としてお帰りになってはいかがでしょうか」ある男が言った。もともとバルバドスの貴族で、ジャルマンの貴族位を手に入れ、ジャルマン王についてきたものだった。
「私が使者となって、ジャルマンとバルバドスに行って、王の味方を集めてまいります。一度に反乱を起こし、王の元で独立を回復するのです」
「ロマーンとカリオスにはどう対処する」家臣の一人が尋ねた。
「ロマーンは北西にある島、ロンディニウムへの侵攻を計画しています。そちらにかかりきりになれば、我々には手を出せないでしょう。カリオスは奴らに滅ぼされた元王族と元貴族をたきつけて反乱を起こさせましょう。成功すればジャルマンかバルバドス貴族の称号を与える約束をすれば、奴らも動くでしょう」
「そのようにうまくいくだろうか」王は疑問に思った。
「うまくいく未来しかも見えません。このまま死を待つが、勝って王に復位するか、どちらにされますか?」その男、名をバルボアという男爵は王に尋ねた。
王は悩んでいたが、決意したように力強く言った。
「やってみよう。お前、ジャルマンとバルバドスの貴族たちに声をかけてくれるか」
「はい、全身全霊をもって計画を遂行いたします。それに際してお願いがございます」
「なんだ。言ってみよ」
「男爵ではジャルマンやバルバドスの貴族を説得する場合に地位が軽いので、せめて準伯爵にしていただきたい」
「それでは仮の伯爵に任ずる。成功の暁には、仮をとり、重く用いることを約束しよう」
「ありがたき幸せ。それでは各地を回ってまいります」
そう言って、バルボア仮伯爵は、王の少なくなった財産のすべてを活動費として持って行ってしまった。
戦争が終わり、僕らもスカイ・グランド連合王国に戻ってきました。左真人の生き残りの子供たちも連れて帰り、新たに建設した養護施設で育てられることとなりました。
余余二姫には、物資や金銭の援助を行いました。余余二姫は頑張って、それを使って人を動かし、施設を作り、子供たちの面倒を見る人を雇用するなど、王としての務めを果たしていました。
ぼくも頑張らなくてはなりません。バルバドスの開発、整備はロバートと官僚たちによって順調に進められており、とりあえず問題がないようなので、今回戦争で傷ついたジャルマンの復興、開発を進めようと思いました。
まず、黒の森に道を何本か作りました。そして、旧ジャルマン側の魔石鉱山の開発を進めました。
そして次に始めたのが土改良です。ジャルマンは土地自体がやせ、主食である麦の生産量が少ない農業生産力が低い土地です。
ロバートとも相談し、まず農業生産力の向上に力を注ぎました。痩せた土地にあった作物の導入や魔石を使った土地改良を行い、農業生産量の向上を行うとともに、豚や鳥などの家畜の飼育も推進しました。
動物のフンは肥料として利用するとともに、畑の雑草や森の草を食べさせて育成し、最終的には人々の食料とすることで、人々の栄養摂取と生活の向上を図りました。
また、黒の森に道を何本も作ったことで、人の出入りがしやすくなり、交易が盛んになるとともに、森の恵みが手に入りやすくなりました。
更に国全体に道路を整備し、水路を作って荒れ地を開墾することで、国土全体を豊かにしていきました。
従った貴族たちが治める領土も国費で一緒に開発を行い、貴族領の領民たちも豊かになるようにしました。
僕たちに仕えている貴族のほとんどは収入が増えることを喜び、この開発計画に積極的に参加したが、一部は領内を荒らされると言って一切の開発を拒否してきました。
彼らの領地を没収し、代わりに同等の給与を支払う法衣貴族に変更しようとしたところ、示し合わせたように一斉蜂起を行ってきました。
僕は直ちに兵を派遣し、反乱を収めていきました。ただ、同時多発的にかつ地域がバラバラで反乱がおきたため、一つ一つ制圧していくのに時間がかかります。
そのうちに、今度はバルバドスで小規模ですが反乱がおきました。参加者の多くは元貴族たちです。
さらにカリオスでも併合した国の旧貴族たちによる反乱が発生しました。
ロマーンにいるジェミニがロバートの元にやってきて、僕たちに言いました。
「どうもこの裏には、前ジャルマン王がいるみたい。元バルバドスの貴族が根回しして、反乱をたきつけているみたいね」
「捕らえることはできないのかい」ロバートは聞きました。
「それが、結構逃げ足が速いし、ロバート達が王になってから、バルバドス地域での諜報活動にあまり力を入れていないのよ」ジェミニはロマーンの情報機関を掌握しており、そのから情報を手に入れているそうです。
「何かわかったことがあったら、連絡するわ」と言ってロバートを腕をつかんで寝室に行こうとしました。
ロバートは何?と少し驚いた顔をして、まあ仕方ないかと苦笑しながらついていきました。えっ、ロバート素直についていくの?と僕がびっくりしていると、ジェミニは僕の方を見ると、瞳孔のない瞳で「何かある?」と聞いてきました。
「特にありません」思わず僕は答えました。
ちょうどそのころロマーンはロンディニウム進攻を行っており、兵力のかなりをそちらに取られていて、動きが取れません。
スカンナでは、旧ジャルマン王家とその一派がラップランドから逃げ出してジャルマンに上陸しようとし、それを阻止しようとするスカンナと戦闘状態になっていました。
西方は戦火に包まれました。
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もうすぐ第3章も終わりになります。皆様からの応援にすっかり調子に乗って書き進めといきましたが、第4章を書くかどうかで迷っています。正直、もう構想は固まってます。でも、もうこれってモラトリアムっていう主題に沿った話じゃないよなと、気づいて少しショックを受けています。自分の文才のなさ、経験の薄さにひどく反省しております。
読んでいただいている皆様はどうお考えか直接聞ければよいのですが、それも難しいので、ブックマークと本の数、いいねの数で判断したいと思います。
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