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第41話 シルクへの報復

平日になりましたので、毎日18時に投稿します。お読みいただければ幸いです。

 ケメトでの事件の背後にいたのはシルクだと判明しました。しかも南シルクの可能性が高いとのことです。当然何らかの報復をしないとなりません。


 現在、北シルクは力を弱め、南シルクがかなり力を強めています。


 今回の件に南シルクも北シルクも知らぬ存ぜぬを決めているし、攻め込んでもいいのですが、大義名分がないです。僕はキャサリン姉さんと相談しました。


 「シルクを少しかき回してあげましょうか。フーシ王にも相談してみましょう」と言って、薄く笑いました。我が妻ながらすこし怖いです。


 フーシ王も本当に効果があるのかと疑問に思いながらもとりあえず了解したので、作戦を実施することにしました。



 フーシ王イエローは軟禁していた前シルク王に会いました。


 「いよいよ処刑か」前シルク王は言いました。


 「シルク王、東シルクに帰りたくはないか。あそこには現在お前の三男と次男の国が並列している。お前が行って、両シルクを統一するのだ」イエロー王は言いました。


 前シルク王はしばらく黙っていました。そして、おもむろに声を出しました。「何が望みだ。もし、本当に東シルクに行かせてくれるのなら、何の条件でも飲むぞ」


 「いくつかある。一つ目は、東シルク統一後、西シルクには手を出さないこと、二つ目はシーフ王国、スカイ・グランド連合王国、カリオス王国およびロマーン王国の民の自由貿易を認め、関税の課税や検疫、その他一切の妨害を行わないこと、3つ目はシルク通貨とシーフ、スカイグランド、カリオス、ロマーンの通貨交換比率はこちらの指定の比率で固定とすること、また、今言った国の貨幣はシルク王国内で使用が可能とすること、4つ目は、皇太子役として、フーシ王国元第一皇子を連れて行くことだ」イエロー王は言いました。


 前シルク王はびっくりして言いました。


 「そんな条件でいいのか。もちろん喜んで飲むぞ」通貨の交換などどうでもいいし、貿易の権利ぐらい与えても惜しくない。皇太子など後でどうとでもなる、そう思い、前シルク王は了承した。


 「それでは、書面で約束を取り交わそう」フーシ王はにこやかに言った。


 スカイ・グランド連合王国でも元シーフ第一皇子が釈放され、シーフに引き渡されました。

 シーフ国内で冷や飯を食わされていた元第一皇子派閥の貴族や元貴族たちが第一皇子のもとにはせ参じました。


 シーフ軍の護衛の下、彼らは南シルクにわたっていきました。


 「父上たちが帰ってくるって。おまけにシーフの第一皇子が皇太子だって!」南シルクの王である第三王子は叫びました。


 「なんとか亡き者にできないか、せめて皇太子だけでも」近臣たちに尋ねた。


 「かなり難しいです。皇太子の元にはかなりの取り巻きがおりますし、それにすでにシルク国内に入っております。第一皇子を消せば、シーフは難癖をつけてシーフに対する敵対行為として、我々をつぶしかねません。もしかしたらそれが狙いかもしれません」


 「せっかくここまで作り上げた国を父王に献上しないといけないのか」第三王子は呻きました。


 「この国は旧シルクの重臣たちが多くおります。王が帰還されたら、当然王位をお返しするのが、常識と彼らは考えています。せめて皇太子に任命してもらえたならやりようがあったのですが」


 「やむをえまい。とりあえず、金を集め、派閥をつくり、利権を確保しておかなくてはな。状況が変わるのを待つしかあるまい。今反乱を起こせば、国がバラバラになるし、こちらに大義名分がないぞ。そうしたら、北シルクがどう出るか分かったものではない」悔しそうに歯噛みしながら第三王子が言った。


 前シルク王が王宮に入った。前シルク王はまっすぐ王座に向かい、当然のようにそこに座った。


 「父上、ご帰還おめでとうございます。この日を一日千秋の思いでお待ちしておりました」

第三王子は泣きそうになりながら言った。


 「うむ、大義であった。そうだ、紹介しよう。この度新生シルク王国の皇太子となる元シーフ第一皇子のレッド殿だ。わしの妹の子でシルク王家の血を継いでおる。今後、レッド殿を兄として従うように」


 「はい、レッドお兄上よろしくお願いいたします」


 「お前に兄と言われるいわれはない。今後はレッド皇太子様と呼ぶように」レッドは冷たい目で言った。


 「はい、レッド皇太子様、大変失礼しました」第三王子はうやうやしく謝罪した。


 「お前は今までご苦労だった。今後は南の離宮でゆっくり休むといい。この仮の都には二度と足を踏み入れることを禁ずる」シルク王は言い放ち、「もう、お前は良いぞ。退出しろ」と第三王子に言い放った。


 第三王子は恭しく退場し、南の離宮に向かった。


 「くそ、全部奪いやがった。あのくそおやじ。何がレッド皇太子様だ、国を失った王子のくせに。俺は努力して国を作ったというのに、それを奪い取りやがった」馬車の中で一通り怒鳴ると、「まあ、王宮にあった隠し財産はすべて持ってきているし、各部署には俺のシンパを混ぜてある。利権もいくつも確保しているし、あとはお手並み拝見というところだな」


 シルク光復国にて、第二王子は悩んでいました。父王から国への復帰を命じられたからだ。


 おそらく父王のもとに行けば、なぜ父王が囚われているのにシーフに対抗したのか詰問されるのが、目に見えている。まあ、処刑されることはほぼ確定だろう。


 第5皇子は父王のもとに向かい、事情を説明すると言っていた。きっとわかってくれるはずだ、また、真にシルクにために戦ったのは私だといって、皇太子にするよう言うつもりらしい。理由はわからないが、なぜか自信満々だった。


 私は第二王子だが、側室の母を持ち、とても立場の弱い状況だった。正直、いつ暗殺されるかわからない生活を送っていた。東の街の知事に任命されて、王位継承権を放棄したことで、これでもう安全だと、ほっとしたことを覚えている。


 ところが、西からフーシが攻め込んできた。鉄壁の要塞があり、負けることはないだろうと思っていたのだが、あっさり敗れ、王と一族のものが皆捕虜となってしまった。


 軍務に才があり、北の蛮族と戦うために北東の国境に派遣されていた第5皇子がたちまちシルク東北部を支配下に置き、シルク光復国を建設、シルク全土の開放を訴えた。そのまま自分が王になればいいものを、第2皇子である私を王位につけ、傀儡として自分は軍事を掌握して、戦いの場に身を置いていた。


 私は傀儡として、無事に務めてきた。今まで絶えず、周りに気を配って生きてきたこともあり、そういう対応は自信があった。もし少しでも第5皇子に疑われれば、簡単に首のすげ替えが行われるだろう。なので、重要に問題はすべて第5皇子に確認して決定しており、ひたすら従順な姿勢をとっていた。


 これからが生き残れるかの正念場である。とりあえず、第5皇子を南に送り出してから、ポートランドに逃げる準備をするつもりだ。


 うまく第5皇子が父王を説得できればよし、だめならポートランドに逃げ、そこからフィン王国に逃げこみ、悠々自適な生活を送るつもりだ。


 王国の財産の一部をポートランド経由でフィン王国に送り始めた。


 政治の世界では、前王が復帰したことでいろいろな動きが出ていたが、経済の世界はもっと荒れ狂って言った。


 通貨交換の率を強制的に変更したことで、シルク経済は大混乱になっていた。それまで、硬貨が保有している金の含有量に基づいて交換比率を決めていたのが、人為的に固定されてしまったからだ。それまで、1シルク金貨に4シーフ金貨だったものを1シルク金貨が1シーフ金貨となったことで、大量の金が海外に流出することとなった。


 それに伴い、物価が急上昇、庶民の生活は大変厳しくなった。


 また、外国の商人が自由に貿易できるようになったことで、それまで保護されていたシルク人商人はその多くが破産、倒産の状況となった。


 通貨を管理する役所は金貨の金の含有量を減らすことで対応しようとするが、条約違反として、4か国から追及され、賠償金を取られたうえ、役人たちの処分を求めたため、多くの役人が処刑された。


 南シルクの経済はあっという間にガタガタになった。金貨の交換比率を利用した儲けのほか、シルク金貨1枚につきシルク銀貨10枚であった交換比率を利用した銀の流出も続き、ついにはシルクは貨幣の鋳造をやめざるを得なくなった。

 シルクの市場は外国の商人たちが自由に動き回り、シルク商人は市場から消えてしまった。外国の商人からは税を取らないのが、この世界での国際慣行となっているため、南シルク政府も手が出せなくなり、南シルクの経済は外国の支配下に置かれることとなった。


 第5皇子は父王のもとにいた。謁見の間で第5皇子は父王と相対していた。

 周りには、警備兵や廷臣たち、そして皇太子が侍っていた。


 第5皇子は皇太子をじろりとにらむと、父王に話しかけた。


 「お久しぶりです。父上、お元気そうで何よりです」第5皇子は嬉しそうに言った。


 「ほう、わしの無事を喜ぶか」父王は皮肉そうに言った。


 「もちろん、父上が無事にお戻りになり、これ以上の喜びはありません」


 「それでは聞くが、なぜおまえはフーシに逆らった。なぜ、第三王子と協力しなかった」


 「フーシはわれらシルクの西半分を奪った敵です。第三王子はその敵と妥協した売国奴です」


 「お前がフーシに逆らったらわしの命が危ないとわかっていただろう」


 「父上は高潔な方です。自分のことより国を大切にされる方です。自分の命より、シルクの回復を希望されているに違いないと思い、その思いを引き継ぐため、私は努力してきました」第5皇子は一生懸命訴えた。


 「ほう、貴様ごときがわしのことを一番理解しているとそういうわけだな」父王は冷たく言った。


 「図々しいにもほどがある。たかが第5皇子の分際でまるで皇太子にでもなったような思い上がり、さらにわしの命を危険にさらした反逆罪、お前の行いは万死に値する。こ奴を捉えろ。こ奴の王族の地位をはく奪し、平民に落としたうえ、反逆者として首を曝せ」父王はそう命じた。


 「お待ちください。父上、話を…」第5皇子は捕らえられ、猿轡をはめられたうえ、謁見の間から連れ出された。


 「レッド皇太子よ、光復国を僭称する輩を始末せよ。お前には第5皇子が率いていた兵団を与える。特に第2皇子は必ず捕らえろ」王は皇太子に命じた。


 「はっ、必ずや反逆者どもを捉えてまいります」そう言って、謁見の間を出て行った。


 誰もいなくなって、父王はつぶやいた。「この国はわしのものだ。レッドにもいずれ退場してもらおう。まあ、第3王子はわしのために働いたから命は助けてもいい。外の王子達も特に害がなければ放っておいてやろう。いずれフーシをつぶして皇太子を救い出し、シルクを復興してやる」


 第5皇子が率いていた北方兵団は、第5皇子が処刑されたことを知り反乱を起こした。逃げようとしていた第2皇子を軟禁し、重臣たちのうち、父王に従おうとする者は次々と捕らえて処刑した。


 そして、北方兵団はシルク光復国をほぼ掌握すると、南進を始めた。


 レッド皇太子は北方兵団の掌握どころか命を奪われそうになり、這う這うの体で南に逃げ帰ってきた。更に悪いことが重なった。


 父王とレッド皇太子がシルク正統王国を支配すると、彼らについてきた貴族や元貴族たちは次々と高い地位に就いた。彼らが地位に着くと最初に何をしたかというと、蓄財だった。


 上級官僚になったものは、担当部署の予算をすべて横領した。軍の将軍になったものは、部隊の維持費だけでなく、兵士たちの給料を横領し、武器を含めて売れるものは片っ端から売り払った。


 役人たちは生きるために別の仕事を探さなければならなくなり、誰も役所に出勤しなくなった。持ち出せる備品はすべて持ち出され売り払われた。


 軍人たちは略奪に走り始め、治安は崩壊した。


 一番悲惨なのは左真人たちだった。すでに肉の壁として戦いに従事していた左真人の男は1万人程度しか生き残っていなかった。また、自活を強いられていた老人女子供は、餓死、病死などで5万人程度まで減っていた。


 上級官僚や軍人の横領のせいで、左真人たちの兵士たちは食料の供給を立たれ、武器の供給もなくなった。


 なんとか自活していた女子供たちから税としてすべての食料が没収され、再び飢えが彼らを襲った。


 そして、彼らは暴発した。税を取りたてた役人たちを皆殺しにし、左真人の肉壁部隊はシルク正統国の仮首都であるカイフ―に進撃を始めた。


 レッド皇太子は焦っていた。王に命じられた兵団の掌握と反逆者の逮捕どころか、自分が命を狙われる始末で、更に左真人たちが反乱を起こして、首都に迫っていた。


 守るために軍の動員を行おうとするが、すでにすべての行政機関がマヒしており、軍はばらばらになって盗賊化してしまった。


 それならは、金を使って盗賊どもを集めようとしたが、国庫は空で、何も残っていなかった。すべて略奪され、また、経済の混乱は徴税による収入を激減させていた。なりふり構わない徴税は民衆たちの反感を買い、小規模な反乱が多発するようになっていた。


 レッドはこのままでは廃嫡されてしまう、そう思った。フーシの王位を失った自分が、シルクの王位に着くことができるチャンスだったのに、これをふいにすることを彼はできなかった。


 彼は、王に報告することなく、なんとか問題を解決しようと躍起になっていた。


 貴族たちから金を集めようとしたが、皆から拒否された。やっと集めたお金をどうして国のために出さなくてはならない、そう貴族たちは言って皇太子の説得を拒否した。


 皇太子も自分のプライドから危機的状況にあることを貴族たちに説明できず、いま散発的に抵抗活動をしている反乱分子の討伐のため、という名目でお金を要求していた。


 北方兵団の反乱や、左真人たちの反乱は情報統制を引き、一切外部に漏れないようにした。特に王に知られるのを恐れ、王の側近たちを脅し、従わないものは秘密裏に殺した。


 そんなことをしているうちに、左真人の肉壁部隊が首都になだれ込んだ。


 都で贅沢をしていた貴族たちは寝耳に水で、大混乱が発生した。


 左真人たちは町に火をつけ、貴族や民衆たちを殺し、物資を略奪した。そして王宮になだれ込んだ。


 何も知らされていなかった王は、いきなり左真人たちに囲まれた。「貴様ら何者だ。わしがこの国の王だと知っての狼藉か!」


 それがシルク王国最後の王の最後の言葉となった。


 第三王子は離宮ですべての情報を集めながら事の事態を見守っていた。

 「この国も終わりだな」そうつぶやいた。


 側近の一人が必死に訴えた。「第3王子がいらっしゃるなら、再度この国を再建してできるのではないですか」


 「無理だな、ここまで、めちゃくちゃになったら、手の付けようがない。左真人たちは都を抑える以上のことはできないし、北シルクの北方兵団も攻め込んできている。第5皇子を失ってから北方兵団の幹部が集団指導体制を引いているが、そのうち権力闘争を起こしてばらばらになるぞ。南シルクの軍もバラパラでもう泥沼の内戦しかないかな」と言って、第3皇子は部下に命令した。


 「フーシとスカイ・グランド連合王国に出兵の依頼をする。手紙を両国に届けなさい。あと、今ある財を使って、軍を編成し、この離宮の防衛を行いなさい。フーシが来たら、その軍に合流する」そういって、「こうなった以上、我々は自身の生き残りを画策するしかあるまい。しかし、父王がここまでダメな奴だったとは思いもしなかった。簒奪をする余裕すらなく、国を亡ぼすとは」とあきれたように言葉をこぼした。


 その後、北方兵団は、左真人たちが占拠する仮首都カイフ―に攻め込んだ。防衛施設は壊滅し、城壁もところどころ破壊されていたカイフ―の町は正規軍たる北方兵団にあっという間に攻め落とされた。


 今度は、北方兵団による虐殺と破壊が行われた。その対象は左真人達だけではなく、カイフ―に残っていたシルク人の民衆にも行われた。



 僕達スカイ・グランド連合王国軍は東シルクに治安維持のため、進攻を開始しました。


 指揮官は大将軍の僕です。あと、キャサリン姉さん、マリアンヌ王女、余余二姫がついてきました。


 マリアンヌ王女はかなりの戦闘狂なので、本物の戦がどういうものか知りたくて付いてきたようです。


 余余二姫はシルクにいる左真人達が心配で付いてきたようです。ただ、スカイ・グランド連合王国軍はフーシ王国と協議し、フーシが南シルク、スカイ・グランド連合王国軍は北シルクを受け持つこととなり、左真人のいる南シルクに行く予定はありませんでした。


 余余二姫は「もし、左真人がいたら保護をフーシ王に頼んでほしい」とお願いしてきましたので、フーシ王にはその旨伝えました。


 スカイ・グランド連合王国軍は10万の兵力をもって北シルクの仮首都ションリーへ進撃しました。抵抗はなく、すぐにションリーの町を包囲しました。

もともと北方の蛮族に対抗するために作られた街なので、防衛設備はかなり充実しています。

とりあえず、作法として降伏を勧告しました。これで降伏してきたことはありませんが、まあ、必要な手続きですので、仕方がありません。


 ところが、北シルク政府の面々が我々の勧告に従い降伏してきました。


 驚いてわけを聞くと、実質的な支配者であった第5皇子は父王に処刑され、逆上した北方兵団は恭順派を皆殺しにした後、南に進撃してしまったそうです。今現在100人程度の兵力しかションリーにはいない状態で、とても常勝将軍率いる10万の兵と戦える状況ではないと生き残りの重臣たちが判断し、監禁されていた第2皇子を解放し、降伏を申し出てきたそうです。


 第2皇子と話をし、第2皇子から北シルクは完全に降伏することを宣言してもらい、地方にもその旨通達しました。おかげで抵抗もなく、北シルクを占領できました。


 軍の一部を北方の蛮族向けに配置し、キャサリン姉さんを仮の行政長官として任命した後、約5万の兵で南に向かいました。


 南シルクの仮首都カイフ―でフーシ王とその指揮下に入っていた第3皇子の部隊と会いました。


 南シルクは第3皇子の協力もあり、スムーズに占領が進んだそうです。


 カイフ―の町に立てこもる北方兵団も今回の内乱に伴う行為を免責することを引き換えに我々に降伏することとなりました。


 北方兵団はフーシ王に預けられ、武装解除されました。


 我々が、カイフ―の町に入ると、そこは地獄でした。

 街は焼かれ、人の死体はあちこちに転がり、異臭を放っていました。


 余余二姫は連れてきた左真人の部下とともに、左真人達が生き残っているかどうか必死に探しました。


 2度の戦火で、町としての機能はほぼ失われており、住んでいた人々もかなり殺されていました。我々は、死体を埋葬し、生き残りを探し、残った行政文書や文化財の確保を行いました。


 余余二姫が探した左真人達ですが、北方兵団により肉壁兵だった男たちは殺しつくされ、それ以外の者も北方兵団の兵士や、シルク人により殺されていました。

 生き残った者は千人程度で、そのほとんどが幼い子供ばかりでした。子供たちはみなシルク人に匿われていました。シルク人は子供を大切にする民族なので、自分の子供にするか息子の嫁にするつもりで匿っていたのでしょう。


 余余二姫は泣きながら、左真人と思われる者の遺体を集め、左真人達の流儀にのっとり埋葬していきました。


 マリアンヌ王女は戦闘らしい戦闘がなかったことに不満を抱いていましたが、カイフ―の町の悲惨な状況を見て、顔を青くしていました。そして、余余二姫の手伝いを黙ってしていました。


 カイフ―の町は放棄され、生き残りのシルク人は他の町へ移住していきました。


 戦後処理が行われました。南北シルクはフーシ王国が併合し、シルクという国は地図から消滅しました。


 ロマーンとカリオスには賠償金の一部が与えられました。スカイ・グランド連合王国は左真人たちと賠償金として残っていた文化財が与えられました。また、ロマーン、カリオス、スカイ・グランドには旧東シルク地域での自由な交易が認められることとなりました。


 北方兵団はフーシ軍に吸収され、北の蛮族の守りにそのまま充てられることとなりました。


 さらに、今回いち早く救援を外国に依頼し、犠牲を少なくしたシルクの第3皇子はフーシ王国の伯爵位を与えられ、東シルクの統治の補佐を任されました。


 降伏した第2皇子はスカイ・グランド連合王国で男爵の地位を与えられました。また、北シルクにいた人材のうち、有用と判断されたものはスカイ・グランド連合王国に雇用されました。


お読みいただきありがとうございました。もし少しでも気になりましたら星かブックマークをいただければ大変ありがたいです。

星一ついただければ大変感謝です。ブックマークをいただけたら大大感謝です。ぜひとも評価お願いいたします。


 もうすぐ第3章も終わりになります。皆様からの応援にすっかり調子に乗って書き進めといきましたが、第4章を書くかどうかで迷っています。正直、もう構想は固まってます。でも、もうこれってモラトリアムじゃなく、別の話になってなしまったことに気づいて少しショックを受けています。自分の文才のなさ、経験の薄さにひどく反省しております。

 それで読んでいただいている皆様はどうお考えか、ブックマークと本の数、いいねの数で判断したいとお願いしたところ、星とブックマーク、いいねを結構な数をいただきました。本当に感謝です。でもまだ迷っています。更なるご支援、よろしくお願いいたします。

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