第29話 王女が攻めてきた!
本日2回目の投稿です。お読みいただければ幸いです。
入学式の衝撃から一週間、少佐としての任地は大将軍付にしてもらい、半分予備役のような形にしてもらいました。
とりあえず、ローマン王国にいても仕方がないし、一旦スカイ・グランド連合王国に戻ってから、やり残した冒険の旅をしようかと考えるようになりました。
キャサリン姉さんが言っていた不吉な話はとりあえず横に置いておくことにしました。
聞いたら、絶対に巻き込まれそうな予感がしたので、何かまずいことになりそうなら、キャサリン姉さんが教えてくれるだろうと思ったからです。
そのように考えていた矢先、いきなり人が訪ねてきました。
誰だろうと聞くと、マリアンヌ王女本人で、僕を訪ねてきたようです。
王女様なら放っておくわけにもいかないと、僕が出向くと、開口一番「あなた、私の婿になってもらうから」と言われました。
「大変うれしいお申し出ですが、すでに妻もおりますので、お断り…」
「そんなの関係ないから。私がそう決めたの」と言い切られました。
「決められたのとおっしゃられても、こちらはこちらで都合がありますので。とにかくお断りさせていただきます」
「結婚式はなるべく早急に執り行うわ。お父様に言って、急いで準備してもらうから。夏には式を挙げるからそのつもりでいてちょうだい」
「ですから、お断り…」
「あなた幸せよ。私みたいな美人で、胸も大きくスタイルもよく、身分の高い女をものにできのですから」
だめだこいつ、人の話を全然聞かない。
とりあえずお引き取りいただいて、あとで父上から王に話をしてもらおう。場合によってはグランドに逃げるか。
「わかりました。このお話は後日王と父のアント侯爵の間で話をさせていただきたいと思います」
「ところで寝室はとこかしら」
「なぜ寝室ですか」
「当然、既成史実を作るために決まっているでしょ。やってしまえば、父上も何も言わないでこの結婚を認めるわ」
「もしかして、王はこのことを知らないのですか?」
「今日は学校の初めての外出許可日だから、すぐにこっちに来たの。王宮には言ってないわ」
「王女がそれではだめでしょう。王の許可をもらってからにしてください」
「めんどくさい。それに善は急げというでしょ」
「あなた王女なんですから必要な段取り省いちゃダメでしょ」
「とにかくやってしまえばことが進むのだからいいでしょ。早く寝室に行くわよ」
「お断りします」
「じゃ仕方がない、ここでするしかないみたいですね。私処女だから最初はベッドの上がよかったんだけど」そう言って、立ち上がり僕の方に進んできました。
冗談じゃない。襲われてたまるかと、僕は逃げ出しました。
屋敷にいた母には簡単に事情を説明して、とりあえず、屋敷にいてはまずいことになりそうなので、キャサリン姉さんがいるフライ家の屋敷に逃げました。
キャサリン姉さんにこのことを話すと「あなたすごいのに目を点けられたわね」と言って、呆れられました。
マリアンヌ王女、思ったら即行動の人らしく、いろいろ騒動を起こしているとのこと。
親の決めた婚約者を「気に入らない」の一言でぶん殴って追い返したとか、「剣を習いたい」と言って周りが止めるのを聞かずに兄の剣術指南役に無理やり教わったとか、軍学校のも自分で決めて入学したということだそうです。
「あなたそんな人に目を付けられるなんで、何をやらかしたの?」
「身に覚えがない。せいぜい入学式の時に講演をした時、聴者の中にいたということぐらいだよ」
そんな話をしていると、部屋のドアがノックされた。「はいりなさい」とキャサリン姉さんが言うと、屋敷の執事がいて、「こちらにいるはずのバース・アントと会いたい、と言って門のところに女性が来られています。軍学校の制服を着ていらっしゃいます」といってきました。
僕たち二人は顔を見合わせました。「追いかけてきたのかしら」キャサリン姉さんが言うので、「リニア魔法で大急ぎで来たんだよ。追いかけられるはずないのだけど」と答えました。キャサリン姉さん曰く、王女様を放っておくわけにはいかないので、とりあえず客室に案内させました。
あなただけではらちが明かないでしょうからと、キャサリン姉さんと一緒に会うことにしました。
「私も一緒に会うわ。あと王宮に至急連絡を入れてちょうだい」そう執事に言って、メイド何人かを引き連れて、王女を待たせている客室に行きました。
「初めまして。バース・アントの妻で、キャサリンと申します。マリアンヌ王女様ですか?」
「ええ、初めまして。それでキャサリンさん、あなたがバースの正妻に当たるのよね。その地位譲りなさい」いきなりマリアンヌ王女が言いました。
「お断りします。この結婚は王も了承している件ですし、一切譲る気はありませんので。この通り、子供もおりますから」とキャサリン姉さんはお腹を撫でながら笑顔で答えました。
「あと、バースには側室が2人おりますので、そちらもいっぱいです。あなたが入るスキはございません。そういうわけでお帰り下さい」
「やよ、私が目を付けたのだから」
「こういうのは、早いもの順です。諦めてください」
「私はやりたいと思ったことは必ずするし、欲しいと思ったものは必ず手に入れるわ。バースは私の夫にふさわしい男よ。こんな男なかなかいない。まあ、私も王族の女、あなたたちは側室として認めてもいいわよ」
「王女は、フライ、アント両侯爵家と事を構えたいとおっしゃるのですね。あと、バースはグランドの王で、側室の一人はそこの王位継承権を、もう一人は部族長のような立場で、民を率いています。それらはこのことを聞けば、激怒し、ロマーンと戦争も辞さないこととなりますわね」そう言って、すごい笑顔で一言。
「王家、滅びますわよ」
さすがに王女も何も言えなくなり、そのまま動けなくなってしまった。
そのとき、王宮からの使者が護衛達とともに飛び込んできて、「王女、何をやっているのです。王がカンカンです。至急、王宮に来ていただきます」と言って、護衛達に王女を捕まえさせて連行していった。
「ちょっと、まだ話が終わってない!バース、私はあきらめないからね」そう叫びながら王女は連行されていった。
キャサリン姉さんは疲れたように、ソファに座ると、「バースこっち来なさい」と言った。
有無を言わせぬ態度で言ったので、これは怒っているなと思い、「キャサリン姉さん助かった。本当は自分で対処すべきだったと思うけど、王女相手に強気に出れなくて。手間をかけさせてごめんなさい」と言って、謝った。
キャサリン姉さんは、ふぅとため息をつくと、「あの子あきらめるとは思えないわね。どうする?側室にもらう?」
「冗談じゃない。王女を側室にするなんてありえないだろう。とにかくお断りです」と僕が答えると「私も同意見、あの性格のままだと絶対にみんなと軋轢を起こすことになるでしょう。もう軍学校に通う必要がないのなら、一旦グランドに帰ったほうがいいと思うわ。出産間近になったら、連絡するから」と言いました。
「わかった、そうする。両親に話をして、戻ることにする」
すると、キャサリン姉さんはメイドに手を借りて立ち上がると、つかつかと僕に寄ってきて、頬にキスをしました。
「またね。何かあったら私に言うのよ」笑顔そういいました。
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