第27話 国に帰って受験活動です
第三章の投稿を始めました。今日は9時と18時に投稿します。お読みいただければ幸いです。
僕たちはロマーンに帰ってきました。僕はキャサリン姉さんをフライ家に送り、実家のアント家に戻りました。僕はロマーンでは屋敷を持っていないため、しばらくは別居生活になりそうです。
久しぶりに父と母に会いました。父はこの国で軍の大将軍をしています。二人ともにこにこしながら、「すごい活躍だったと聞いたぞ。それに2年間で見違えるほど成長したな」「本当に顔つきも立派になって。キャサリンさんとあちらの国で結婚したって聞いたわよ」と言ってくれました。
僕はキャサリン姉さんが妊娠したのでフライ家に里帰りさせたこと、軍学校の入学試験受験の手続きをしたいことを伝えました。
両親はキャサリン姉さんの妊娠については大変喜んでくれましたが、僕の軍学校受検については「?」という顔をしました。
「何で軍学校を受験するんだ?」父が聞いてきました。
「いや、アント家の男は基本軍に入ることになっているよね。僕も貴族学校を出たら、軍学校に入るはずだったのだけど、貴族学校を早く卒業した分、自由にさせてもらい、冒険の旅に出たんだよ。でも、15歳になったので入学試験を受けに戻ってきたんだよ」僕が反論しました。
「確かにアント家の男は軍務につくのが決まりになっているのだが、お前は必要ないだろう」父は当たり前のように言いました。
「どういうことですか、父上」僕は問いました。
「だってお前、あちこちの激戦で勝ち残り、二つの国を滅ぼして大国を建国して、『常勝将軍』と外国では呼ばれているのだろう。大将軍も務めたお前が何で今更学校に行く必要がどうしてあるんだ?」と父は言いました。
確かにスカイ・グランド連合王国では、大将軍を兼任していましたし、フーシでも準大将軍を務め、大将軍にならないかと誘われたこともありますが、そうすると僕はロマーン王国ではどういう立場になるのでしょうか。
まあ、最悪僕はスカイ・グランド連合王国に帰ればいいのですが、そうするとロマーン王国侯爵家はどうなるのでしょうか。
悩んでいる僕見て、父はいたずらを思いついたように、言いました。「とりあえず、受験してみるか。一般受験で受けて見ろ」
「一般受験ですか。推薦でなくてですか?」軍学校には、軍務貴族の子弟向けの推薦受験と、身分に関係なく受けられる一般受験があります。僕自身どちらでもいいのですが、父がそういうのでしたら、一般受験にしましょう。
それに一般受験で入ったほうが、推薦受験組より優秀であるとみられるため、軍務貴族も一般受験をする者が多くいるからです。なぜなら、一般受験が終わった後で、落ちた軍務貴族の子弟を救うために、推薦受験が設けられたという経緯があるからです。
ただ、僕ら上級貴族は子供の時からそのための教育を受けているので、一般受験でもほぼ100%合格します。すると、一般受験の枠を我々が取ってしまうので、なるべく推薦を受けることが不文律になっています。
とりあえず、一般受験の準備を始めなくてはなりません。一般受験は時期が早いのであと10日ぐらいしかありません。一度グランドに戻ってから受験しようと思っていたのですが、とてもその余裕はありませんので、とりあえず手紙をミリアとロバート宛てに送って、準備を始めました。
試験内容は、学科と実技で、魔法が使えれば魔法も確認されます。
学科試験では過去の戦史や最近の戦争に関する知識が出るので、その準備です。
実技は得意なものでできるので、剣を使おうと思います。
これまでの復習をしながら、試験の申し込みに行きました。
「バース・アント」の名前で申し込んだところ、特に問題なく受け付けてくれました。
いよいよ試験当日です。父は仕事なので、母が見送ってくれます。キャサリン姉さんは受験の話を聞き、「まあ、頑張ってね。無駄だと思うけど」とあっさりと言い、今日は見送りにはきてくれませんでした。
それって落ちるということか、確かに今までちゃんと勉強してこなかったけど、限られた時間だけど努力しているんだよ、といったら、呆れた顔で「バースが落ちるはずないでしょう。というか、お義父さま何考えていらっしゃるのかしら」と言いました。
受験会場で、僕はほかの貴族の子弟とも会いました。
「これはこれはアント侯爵子息ではありませんか。ご機嫌麗しく」なれなれしく声をかけてきたのは、サンド準伯爵の子、ヒネクレ―です。サンド家はもともと軍の重要な地位を占めていたのですが、宰相のクーデター事件に加担して、王家に逆らいました。比較的早く寝返ったため、改易は免れたのですが、準伯爵に落とされ、軍の中枢から追い出されてしまいました。
そのことにかなり恨みに思っているようで、いずれ軍の中枢に返り咲きたいと思っているそうです。まあ、反アント派の貴族というわけです。
「貴族学校に通わず、2年間どこかに行ってらっしゃったとか。さすが元放浪者の家系でありますな」ヒネクレ―は嫌味っぽく言いました。
「あちこち冒険していたおかげでいろいろな経験をさせていただきました。とても勉強になりましたよ」とにこやかに返しました。
「いやはや、貴族とはとても思えないご発言ですな。放浪などは下賤の物のすること。それが勉強になったとは、他の方には言わぬ方が良いとご忠告いたしますぞ」
「ご忠告ありがとうございます。私、試験前の準備がありますので、これで失礼いたします」こんな嫌味に付き合っていられません、そう言って僕はその場を立ち去りました。
「成り上がり者が、偉そうに」「本当にそうですな」「あはは」ヒネクレ―と取り巻きどもが小声で僕のことを馬鹿にしています。
まあ、こんな事、貴族社会では日常茶飯事です。というか、ここまではっきりと敵と認識させてくれるのは、すごくありがたいことだと父は言っていました。
僕もそう思います。ただ、少し腹が立ちます。
学科試験が始まりました。さて、何が出るかなと問題を見てみると2問記述式の問題がありました。
一つ目は「昨年のフーシ王国とシルク王国で起きた戦争の顛末とその内容に検討を加え自己の意見を述べよ」と、二つ目は「一昨年のバルバドス王国とブレイド王国の戦闘について、その顛末とその内容に検討を加え自己の意見を述べよ」でした。
二つとも当事者ですから、詳しく、そして思いを書き綴りました。
紙面が足りなかったので、もう一枚解答用紙をもらって書き綴りました。
次は実技試験です。3回戦って戦いの内容を見るという形式で、勝敗は関係ないそうです。
相手は軍人だそうで、思いっきりやっていいと言われました。
なので、思いっきりやらせていただきました。
一人目は、かかってこいとばかりに隙を見せて立っていたので、足の裏にリニア魔法を使い急接近し、顎を突き上げたところ、気絶してしまいました。
二人目は全身闘気をまとわせ、開始と同時に突っ込んできたのでよけたうえで足を引っかけ、後頭部をたたいたら気絶しました。
最後の三人目はなかなか攻めてこようとしません。守りに徹しているようなので、異動スピードを上げて、フェイントを入れまくったら、守りが崩れてきたので一撃突きを加えて倒しました。
最後は魔法です。これは、使える者だけが確認のため行うものなので、いつものゴーレム大量生産と、火魔法による火炎弾を見せました。
待機している結界魔法使いにむりやりお願いして何重にも結界を張らして、そこに思いっきりの火炎弾を撃ち込みました。
結界は粉々になり、土魔法で僕自身と審査官、結界魔法使いを守りましたので、怪我はありませんでしたが土埃で皆埃まみれになってしまいました。
試験は無事に終わり、家に帰宅しました。その日は埃を洗い流すために風呂に入り、両親に今日の結果を報告しながらご飯を頂き、寝てしまいました。
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