第23話 旅の終わりと新年の祝い
本日は祝日なので9時と18時に投稿します。お読みいただければ幸いです。
12月の初め、僕らはスカイ公国の港に帰り着きました。あたりはすっかり寒くなり、雪がちらついていました。到着するとすぐに僕はミリアを連れて、ジェーンさんとミーアさんに事情の説明に向かいました。
ジェーンさんもミーアさんもすっかりおなかが大きくなっていました。
僕はロバートが新しい妻を連れてくること、政治的な理由で仕方なかったこと、ロバートを責めないでほしいと、僕は土下座して謝りました。ミリアもかばってくれて、ジェーンさんやミーアさんに話をしてくれました。
ジェーンさんもミーアさんも複雑な顔をしていましたが、やむを得ないと認めてくれました。
ジェーンさん曰く「相手がいなくて寂しかったのね。まあ、私たちがロバートちゃんの相手してあげられなかったからね」
ミーアさんも「ロバートも男だからね。子供が生まれたらたっぷり相手してあげなくちゃな」と話していました。僕はなんか思い違いしているなと感じながら、下手に訂正すると藪蛇になるので、心の中で「ロバート頑張ってな」とエールを送りました。
「アーリヤさんってどんな子なのかしら」ジェーンさんが尋ねてきました。「砂漠の民の族長の妹で、とてもきれいな方でロンに誠心誠意尽くしていますよ」僕が答えると、「とりあえず二人で面接だな。ダメな奴でなければ問題ないけど」「いい人だといいけれどね」とミーアさんとジェーンさんは言いました。さらに、二人が言うにはアーリヤさんとはいろいろロバートのことで取り決めを結ぶ必要があるとのことです。
後からロバートが来ました。何とか許してもらったこと、あと、二人がアーリヤに会いたいことを伝えると、ロバートはほっとしたようにアーリヤを連れて二人のもとに向かいました。二人は寝室で待っていると言っていたので、寝室に向かうように言うと、なぜ寝室なのだろうと少しいぶかりながらアーリヤとともに行きました。
その日はそのままその部屋から戻ってくることはありませんでした。
僕はキャサリン姉さんに会って、この旅のことを話した後、今までたまった仕事をしていました。キャサリン姉さんはやや大きくなったおなかをなでながら、僕のそばにいました。
夜は一緒に添い寝しました。妊娠中は夜の生活は禁止です。ミリアは今日は遠慮したみたいで、二人きりで寝物語をし、そのうち手をつないで寝てしまいました。
翌朝、顔を洗っていると、青い顔をしてロバートが現れました。
この光景、何度目だろうと思いながら、「どうしたんだ、ロン」と聞くと、「バード、お前ジェーン姉さんやミーアたちに何を言ったんだ。最初は穏やかに話をしていたんだが、そのうち、夜の生活の話になり、俺がさみしがっているという話をバートから聞いたと言われ、二人に襲われたんだ。さらにアーリヤがそれに対抗して参戦してきたので3人に徹底的に搾り取られたんだぞ」そう言って、ロバートは僕に抗議してきました。
「でも二人とも妊娠しているじゃないか。そういうことはできないだろう?」
「しなくても別の方法があるだろう。本当に死にそうになったんだぞ」ロバートは泣きそうになりながら言いました。
「治癒魔法懸けてあげるから許してくれよ」といって、魔法をかけてあげました。「ロン、仕事が溜まっているんだろ。しばらく寝る暇もないだろうから、毎日治癒魔法懸けてやるから許してくれよ」と言ったところ、「そうか、寝る暇がないのか、助かった」といって、ニコニコしながら去っていきました。
僕とロバートは仕事に追われる日々を過ごしています。僕は、グランド公国の領内の開発や諸問題の解決に追われました。
アサシン国のあった地域はグランド領となって、南人と言われた人々はみな、新グランド人となり、土地の再生や浄化と山々への植林を引き続き行っています。さらに、農業技術の革新や新しい産業の移植も行っています。さらに土地所有者の明確化や人口調査の実施と基盤整備に勤めています。
南方領土には、新グランド人の移民を行うことにしました。長い凶作と左真人の収奪により土地を失った流民がかなりいるからです。ニューランドの開発基地をいくつか作る計画が立てられ、そこを拠点に多くの産物がキャサリン諸島を経て本国に送られるよう物流を形成する予定です。
ミリア山脈からの魔石採掘も順調に行われています。埋蔵量は莫大で、スカイとグランドの魔石需要を満たすとともに、いずれは、外国への輸出も行うことができる予定です。
魔石はいろいろな種類があり、ランプの光源や自立ゴーレムなどの動力源など、いろいろに利用されていて、我々の生活に欠かせないものとなっています。ミリア山脈からは、多様な魔石が産出されています。
魔石鉱山は、小量取れるところはそこそこあるのですが、多様な種類が多量に取れるところは限られています。このあたりだと、バルバドスとジャルマンの国境地帯にある山脈が一大産地になっています。
これまで我々の国は、バルバドス北部の魔石鉱山から産出される魔石に頼っていたのですが、自給できるとなれば安全保障上も、まだ経済的にも大いに助けになると思われます。
左真人達の件ですが、彼らの中には多くの知識人を含んでいることが分かり、アサシン国で独自に発展した天文学や文学など、いくつかの学問の分野で秀でたものを持っています。
それらの知識を生かすため、僕はロバートと相談し、スカイ公国の首都コロンに大学を作ることを計画しています。
僕がロマーン王国に帰るのも間もなくとなりました。春が来れば、僕はロマーン王国の軍学校に入学しなくてはなりません。僕がいなくなった後のこの国の統治方法も考えなくてはなりません。
そのことについて、ロバートやブルテン殿と相談して、ある決定を行いました。
そうやってバタバタと荷を過ごすうちに、新年を迎えることとなりました。
スカイとグランドでは合同で、新年を祝う祭りを行いました。スカイ公国の首都コロンとグランド公国の首都パプルを中心に領内の町や村では、酒やお菓子がふるまわれました。
新年の挨拶として、ロバートと僕は演台に立ち話をしました。その席で、スカイとグランドは連合国家となることを伝えました。
行政や軍事の共通化を進め、二つの王家が連合して国家を運営することとし、スカイ家とグランド家が共同して国家運営に当たることを発表しました。
スカイとグランドはいままでも行き来は自由で、国境の関所もなく、官吏や軍人たちも両国をまたいで人事異動することが普通に行われていたため、ほぼ同一に近い国として国民たちも捉えており、抵抗なく受け入れられました。
さて、僕とロバートはフーシとバルバドスの新年を祝う会に呼ばれています。とりあえず、僕はミリアと余余二姫、ロバートはアーリヤを連れていくことにしました。キャサリン姉さんたちは妊娠しているので、大事を取って留守番をお願いしたのですが、「あなたたちだけでは、不安だからついていくわよ」と言って、ついていくことになりました。
最初はフーシに行きます。フーシの方では、東シルクの件が主な議題になるだけで、フーシとわが国の間で大きな問題はありません。なので、すぐに済むと思われるので、先に済ませることとしました。
逆にバルバドスはいろいろ面倒なことが多そうです。我らの宗主国でもあるので、今回の連合国と件や、南方開発での件についても何か言ってくる可能性があります。
また、公国として独立したので、変な依頼をしてくることはないと思いたいのですが、過去の経験から何が飛び出してくるかわからないので、警戒する必要があります。
そのとき、余余二姫が言いました。「王よ。願いがあるのじゃが」僕は答えました。「なんです、余余二姫」「実はわらわの配下の家族がシルクに行っておる。手紙を届けたいのだが、伝手が無くての。フーシ王ならば、なんとかなるのではないかと思いお願いしたいのだが」
「わかりました。お願いしてみましょう」「それとな、もう一つ願いがあるのだが」余余二姫は、もじもじしながら言ってきました。
「なんですか」「図々しい願いなのだが、シルクにいるわが配下の家族が希望するならわれらが治める地に引き取りたいのだが」と余余二姫は言いました。
「当然われらは王の慈悲で生かしてもらっておる。わがままは承知の上だ。ただ、わが左真族のシルクでの扱いは、あまりよくないと聞いておる。せめて、わが配下の家族だけは何とかしたいのじゃ」とすがるような顔で言ってきた。
「わかりました。フーシ王に頼んでみましょう」と僕は微笑みながら言いました。
そして僕らは、時空魔法で、フーシの首都ダスコーに飛びました。
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