第19話 アサシン帝国の消滅と併合
本日2回目の投稿です。お読みいただければ幸いです。
僕は軍を率いて、南津以外の地域の平定を行いました。南人達を支配下におさめ、捕らえられていた左真人達を捕虜として回収して回りました。最後に南津に向かいました。
南津はフーシ軍が占領していました。多くの左真人達はすでにフーシにより国外に脱出していました。残り僅かの人々が最後の便での出国を待っています。
「余余二姫はどうしますか」僕は余余二姫に聞きました。
「できれば、バードのところに置いてほしい。他の者にも聞いたのだが、別の土地に行っても、結局苦労するのは目に見えておる。正直、我はフーシを全面的に信用できん。ほとんど交流のなかった我ら左真人を助ける理由がわからん。それならば、多少なりとも縁があり、人となりもわかっているバードを頼ったほうが、良い結果になると思う。可能ならば、グランド公国に我々が住める場所が欲しい。お願いできるか」と余余二姫は拝むように言ってきました。
僕は今回開拓した旧ホール領のうち、バルバドスとの国境部分に住む場所を与えようと考えました。グランド族との接触が少なく、土地は開拓済みでそれなりに豊かな場所ですが、国境近くのため、移住希望者がいなかった土地なのでちょうどいいと思いました。
「分かった。そんなにいいところは提供できないけれど、住む場所を用意するよ」
「ありがたい。わらわはそなたの愛人として、左真人達を管理監督する。決して逆らったたりせぬよう注意するぞ」余余二姫は言いました。いま、何か不穏当に言葉が出たような気がしますが、追及すると、ややこしいことになりそうなので、聞かなかったことにしました。
捕虜にしたもののうち、国外への出国を希望する者はフーシ軍に引き渡しました。
南津から最後の船が出て、フーシ軍も撤退した後、南人達の有力者を集めようとしました。
しかし、南人達に目立った有力者はおらず、仕方がないので、村のリーダー格の者や、町の職人たちのまとめ役など、数千人の南人を集めました。
ブルテン殿を司会として、話を進めました。
「君たちは独立を望むか。望むのであれば、我々は軍を引くがどうするか」僕は口火を切りました。
がやがやと話をはじめ、全くまとまりません。
プルテン殿が皆に話しかけました。「私は君たちと同じ南人だ。80年ほど前にこの国から逃れ、北にあるバルバドスへ行ったものの子孫だ。我々は、このグランド王のもと、独立を達成した。王自身は南人ではないが、妃は南人で、王位はその子か、わが甥と娘の子が継ぐことになっている。王の力で我が国は大変豊かだ。腹いっぱい飯が食え、暖かい服が着れ、風の通らぬ家に住める。どうだ、我らとともに生きようというものは右に座れ。あくまで、独立し、自分たちで生きようというものは左に座れ。さあ、選択せよ」
「今言ったことは本当か、北の同胞よ」と誰かが言いました。
「ああ、間違いない。あと、我々は左真人達につけられた南人という名も捨てた。今はグランド族と名を変えておる」ブルテン殿は自慢げにいいました。
皆は「おー」と感嘆の声を上げました。
そして、人々はみな右側に座りました。
ブルテン殿に促され僕は言いました。
「これより君らは我が国の一員だ。これより我が国の手で、土地を肥やし、山の鉱毒を抜き、豊かな土地を建設する。皆も国民として協力してほしい」
「枯れた土地が豊かになるのか」とみなは歓声を上げました。
グランド公国では、多くの魔法使いが働いています。土魔法使いは土地の開拓や鉱山での採掘、治水など土木関係で、水魔法使いは治水や農業関係など生産現場で働いてもらっています。他の魔法使いもいろいろの職場で働いており、彼らには、公的な身分と安定した生活を提供しています。
元は冒険者だったものが多く、冒険者は一攫千金が狙えるが、危険なことも多く、また、病気や大けがで働けなくなれば、飢えて死ぬしかありません。
そんな彼らに安全で、安定した生活の場を提供して、もし年を取って体が動けなくなっても、それに応じた働く場を提供し、病気になったら、治療院への入院を約束するなど福利厚生にも力を入れたところ、たくさんの魔法使いが我が国に仕えることになりました。
これは誰の発案だって?実はロマーンでも同じようなことをやっており、それをキャサリン姉さんが改良してこの国に導入したのです。
彼らの力と僕の魔法を使い、旧アサシン地区の開発を進めていきました。土地に不足していた栄養分を加え、濃くなった塩分を抜き、魔石を利用して土地の魔力を高めました。
鉱山の毒で汚染された山々を浄化し、はげ山には木を植え、緑化を図りました。
畑には作物が実りだし、田んぼには米が育ち始めました。
新しくグランド人となった人々に対しての教育も始めました。
読み書き計算を教えるため、町や村に学校を作るとともに読み書きのできる者を教員として派遣しました。
更に行政官として町やいくつかの村をまとめて作った郡に郡長を置きました。郡長には、旧来の領民、仮に旧グランド人とする、から有力者の子弟を任命しました。
監査役として、スカイ公国から人材を派遣してもらい、バルバドス王国の元下級官吏を町や郡の会計役に任命しました。
今のところ、多少の問題はありますがうまくいっているようです。
余余二姫達は、グランド公国とバルバドス王国の国境地帯に移住してもらいました。だいたい1000人を超える左真人が移住しました。ほとんどが逃げられなかった者やその家族です。捕虜になった者たちも半数ぐらいは残りました。
彼らには、住居を作ってやり、農業の指導のためスカイ人を送り込みました。さすがにグランド人だと抵抗があると思われたからです。
余余二姫をグランド公国に連れ帰ったとき、キャサリン姉さんとミリアに合わせました。三人で無事を喜んでいたのですが、「わらわはこれからバード殿の愛人となるので、今後よろしく頼む」と発言しました。
キャサリン姉さんは僕の方を振り向き、笑顔で僕の方に来て、「どういうつもりなのかしら。説明してくださる?」と胸倉をつかんで聞いてきました。
僕はそんな約束はしていないことを伝えたのですが、余余二姫は「わらわのことが嫌いか?見捨てるのか?」と泣きそうな顔で言い始め、僕はつい「いや、そんなことはないよ。見捨てることはしないよ」と言ってしまいました。すると余余二姫は満面の笑顔で「それでは愛人でよいのだな。男が一度行ったことを取り消すような真似はせぬよな」と言って、抱きついてきました。
キャサリン姉さんはあ~あと言う顔をし、ミリアは私負けませんと、気合の入った顔をしていました。
その夜から二人に搾り取られるようになりました。
そんなこんなでアサシン国の後始末をしていたら、夏になってしまいました。
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