閉話8 国々の思惑と陰謀、そして巻き込まれる左真人達
本日は9時と18時に投稿します。お読みいただければ幸いです。
フーシ王国王宮にて、イエロー王と重臣たちは秘密の協議を行っていた。議題は東シルクの問題についてである。
フーシが西シルクを征服し、現在支配地の安定化を図っているところであるが、それに伴いいくつかの問題が発生していた。
東シルクは北部を第2皇子が名目上の代表となり、実質的には第5皇子が権限を握っているシルク光復王国、南部に前王の正室の子である第3皇子が治めるシルク正統王国が建国されていた。
光復王国は全シルクの解放を国是として、元あった蛮族から国を守る部隊に新たに兵を加えて軍を編成し、国を憂い、愛国の意識が高い人材が集っていた。
正統王国は、古くからある名門の重臣たちが多く参加しており、前王朝からの継続性を誇っていた。
両者が国の正統性をかけて戦った結果、正統王国が破れそうになった時、グランド公国のキャサリンからの提言を受けて、フーシ王国は正統王国に力を貸し、捕虜となっていた将校や兵士たちを返還することで戦力の補充を行った。そのおかげで、正統王国は何とか光復王国と引き分けに持ち込むことができた。
そして、捕虜として捕らえていた官僚たちを返還し、正統王国の統治能力の向上を図るとともに、武器、武具などの輸出を行った。
両者の関係は深くなり、フーシ王国とシルク正統王国は講和を結び、西はフーシ、東は正統王国と分け合うこととなった。それに伴い、前王と前皇太子を除いて、捕虜となっていた王族、貴族が返還された。
しかし、この講和に多くのシルク人がこれに反発、あくまで、全土回復を唱える光復王国に人が集まり、正統王国では人材の流出が相次いでいた。フーシの支配する西シルクでも一部有力者による反乱や光復王国への逃亡がおきるなどしていた。
フーシとしては、まずは西シルクの統治を完全にした後に、東シルクに進出したい気持ちがあり、東シルクはしばらくの間、南北で争っていてくれる形が望ましいと考えていた。
そのためにも正統王国に人的な支援を行う必要があった。特に南の正統王国では兵の不足は問題となっていた。
現在も両国では小競り合いが続いており、兵士の消耗が激しかった。
北の光復王国は、西や南から逃げてきたシルク人を兵士として徴募することでその穴を埋めていたが、南の正統王国では、住民が北に逃げることで減少しており、また、脱走兵もいて、兵の徴募に苦労していた。かといって、フーシ王国支配下にいるシルク人を強制的に正統王国に兵士として派遣するのは、フーシ王国民となったシルク人達の反感を買ううえ、正統王国に西シルクの帰属を認めるようなもので、フーシとしては認められないことであった。
そのため、その解決方法として、左真人を利用することが考えられた。
「情報によると、グランド公国とアサシン帝国との戦争では、グランド軍はアサシン国内に進撃を続けています。それにつられて、被支配民族である南人達はあちこちで暴動を起こし、左真人達に攻撃を加えております。左真人達は今、南津に集まっていて、我々の救援を待っています。左真人達は40万人以上の人口があり、グランドとの戦闘でいくらかは失われたとはいえ、まだ戦える成人が多くいます。彼らをシルクに送り込み、正統王国の戦力の増強を図ってはいかがでしょうか」重臣の一人が言った。
「長年の過酷な支配で、南人は左真人達を憎んでいます。バード殿も対応に困っているはず。きっと、我々の申し出を受けるでしょう」他の重臣が同調した発言をした。
イエロー王は少し考えていった。「その方法で行こう。バードにはキャサリン殿を通して、連絡してくれ。シルク正統王国にこの提案を伝えて、了解を取るように」
それから続けていった。「西シルクの完全統治を早急に進めるのだ。おそらく正統王国は長くはもつまい。左真人達で少しは時間稼ぎができるといいが」
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